状態の良いパノルモ 

 ルイス・パノルモ (1836年製作)

製作者:ルイス・パノルモ(イギリス/ロンドン)

1836年製作 

 

御三家のなかで最もよく見かける(かといって安いというわけでもありませんが)のが、このルイス・パノルモです。イギリスに工房を構えスペイン式の技法で製作したことでも知られています。 一族で製作したので作風の異なるものも多くみられます。

19世紀以前のギターはたいてい表面板は松です。側板は様々でメイプル(カエデ)やハカランダ、マホガニー(+松).......。パノルモはハカランダのモデルやメイプルのものがあり、弦長はたいてい630mm前後です。

この楽器は塗装のキズはいくつか見られるものの、表面板に割れは見られず音も素晴らしいです。上モノの部類にはいるでしょう。糸巻きはオリジナルのBAKER社のもので、現代のものよりも丈夫でなめらかなことで定評があります(のちのロジャースはこの糸巻きをモデルにしたぐらいですから)。

パノルモのラベルを読むときは左側が製品の通し番号(つまりシリアル)で右側が製作年ですので、この楽器は1836年のようです(以下の写真を参照)。糸巻きはオリジナルのBAKER社のものですこぶる使いやすいです。音色の綺麗な一台。お茶の水メディアカームさんで180万円ナリ。  (注:1998年現在の販売価格です)

 

・弦長:630mm

・表面板:松

・裏板・側板:ハカランダ

 

 

■ 写真1 :裏面の写真。大きな割れもなく良い状態。

■ 写真2 :テールです。表面板は塗装がやや傷んでいますが割れは無く、何より弾いたときの音色は素晴らしいものがあります。欲しい.....。

■ 写真3 :このようにパノルモのオリジナル糸巻きはBAKER社製ですが、メーカー名が打刻してあるものとそうでないものとがあります。この楽器のグリップ(象牙製)はよく見かけるものより多少まるっこいです。グリップにヒビや割れは見られません。

■ 写真4 :パノルモの多くのギターは内部は塗装してあるのが普通のようです。ラベルの右側が製作年です。修理の跡のパッチが見えますね。

■ 写真5 :ポジションマークもパノルモにはたいてい付いているようです。

 

 


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