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 ルネ・フランソワ・ラコート(後期)

製作者:ルネ・フランソワ・ラコート(フランス/パリ) 

ラコートの後期には大柄なボディも製作されました。指板がサウンドホールまで斜めに延びている点に注目。アントニオ・デ・トーレス以前にもこうして大柄なボデイのギターは作られていたようです。お茶の水アンダンテさんにて撮影。

 

■ 写真1 :サウンドホール拡大。奥にラベルが見えますが、ラコートの後期はこのタイプのラベルが多いようです。ローゼットは独特のものですね。

■ 写真2 :表面板の右側に演奏によるキズが付いていますが大きなダメージではなさそうです。

■ 写真3 :表面板と指板は6個程度のチップで支持されています、完全に密着されてはいません。側面のメイプルが輝いております。

■ 写真4 :ヘッド部です。ラコート工房の刻印もあります。ナットは現代でも見られるタイプですね、牛骨かな?

■ 写真5 :機械式ペグの裏面です。グリップは象牙製の丸いものですが数個にヒビが見られますがいまのところ調弦には支障ありません。

■ 写真6 :裏板は御覧のとおりの1枚板。メイプルの木目がくっきりと...。

 

19世紀を代表する製作家のラコートも1855年に死去します.......。

 

参考までに.....以下のギターは上記の楽器と同モデルの7弦版で、もともと6弦だったものをラコートの弟子達が7弦として1858年に組み立てたもの(いわゆるラコート・スクール)です。ナポレオン・コストが使用したモデルと同じものです。

■ 写真(7弦のヘッド) :ナットは当時のオリジナルと思われます。7弦目だけがニョッキリと飛び出していて個性的です。7弦はDかGに調弦することが多いようです。

■ クレーンホームページの「私的素敵頁」のコーナーに、以前特集した加納さんのコピーモデル(7弦)の特集も掲載してありますので参考にどうぞ。

 

........こうしてひとつの時代が過ぎ去っていったのです。

 


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