● マティアス・ホセ・マエストロ音楽帖(1786年編纂) 本文6ページめ(全体10ページめ)
※ 今回、この曲集の解析/注釈をお願いしている井上景さんによると アレグロ 第一番イ長調(P-6)、アレグロ第二番イ長調(P-7, P-8)、ラルゴ ロ短調(P-009) は3つで1つの作品であった可能性があるとのことです。その場合は演奏順序がアレグロ 第一番イ長調(P-6)、ラルゴ ロ短調(P-009) 、アレグロ第二番イ長調(P-7,P-8)となり、ギター協奏曲であったかもしれないと ... 。
※ 2つのアレグロは長い休符が多いため浄書改訂譜のみ掲載します。アレンジ譜は広範囲な作曲の必要があるため掲載していません。
Alegro No.1 / アレグロ 第一番 イ長調
- マティアス自筆譜 / original Page 0006 ----- [ 2.0 MB ] JPEG形式画像 350 pixel/inch
● 浄書改訂譜およびアレンジ譜ならびに注釈・・・・・・・・・・井上 景
- 浄書改訂譜 / Revised Page 0006- ---- [ 633 KB ] PDF形式画像
- アレンジ譜 / Arranged Page 0006 ----- [- MB ] PDF形式画像 未掲載
【注釈】
アレグロ 第一番 (イ長調)
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ト音記号、調号♯3個は最初の段のみ。
- 2ページに渡って書かれているが、75・76小節の間に別のアレグロのページが挿入されている。
- 長い休符があることから、パート譜であることが分かる。
- この作品に続くイ長調のアレグロとロ短調のラルゴも同じような書式であり、3曲で一つの作品を構成している可能性がある(その場合、このアレグロが第1楽章、ラルゴは第2楽章、2つ目のアレグロが第3楽章になるであろう)。長さや曲の構成から考えて、ギター協奏曲であるかもしれない。
いずれにせよ、タイトルが楽章毎にしか無く、ギターのパート譜のみの存在である以上、判断は他の部分の発見を待たねばならない。
- 手稿譜108小節にFと書かれているのは、書きつぶされて音高が分からなくなった音符がf♯だという添え書きであり、forteではない。なお、この曲集の第一曲目のソナタには、同じようにAという添え書きがある。
- 138小節から139小節の進行が唐突である。手稿譜に音の書き間違いがあるか、書き落とした小節があると思われる。パート譜からは判断がつかないので、ここではそのままにしてある。
- 146〜156小節及び163〜165小節にある は4分休符ではなく、simileの意であるように見える。144,145小節と同じように1拍目を繰り返すのであろう。
- 170小節の二つの2分音符はCadenzaと思われ、演奏には即興的な装飾が求められる。
◆ 変更点
- 冒頭に示された休符の長さに問題あり。数字では27小節と書かれているが、五線譜に書かれた休符は29小節分ある。この浄書譜では27小節とした
- 29小節 2拍目 a → b
- 36小節 1拍目 8分 → 付点8分
- 37小節 1拍目 8分 → 付点8分
- 37、38小節 この間に小節線があるのは書き間違えの可能性がある。
- 39小節 1拍目 8分 → 付点8分
- 41小節 1拍目 8分 → 付点8分
- 42小節 1拍目 8分 → 付点8分
- 45小節 1拍目 4分 → 付点4分
- 49小節 1拍目 4分 → 付点4分
- 70小節 2拍目 1つ目のc♯は加線が無く、dの可能性もある。
- 80小節 1拍目裏 4分 → 8分
- 107、108小節 この間に小節線があるのは書き間違えの可能性がある。
- 110、111小節 この間に小節線があるのは書き間違えの可能性がある。
- 117小節 1拍目 8分 → 付点8分
a → a♯
2拍目 8分 → 付点8分
a → a♯
- 125小節 1拍目の最後 e → d♯
- 136小節 2拍目 上の声部の加線無し → b
- 138小節 1拍目 d → d♯ (dの可能性もある)
- 158小節 1拍目 c♯ → c
- 159小節 1拍目表 4分 → 8分
- 160小節 低音 c♯ → c
- 161小節 低音 c♯ → c
- 163小節 c♯ → c