クレーンホームページ 20周年特別企画 |
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最終更新日:
Wednesday, 01-Apr-2020 02:27:00 JST
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(C) 2015 Makoto Tsuruda
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● クレーンホームページ「20周年記念てぬぐい」について
今までお世話になった方々に何か御礼の気持ちを伝えたく「粗品」を準備したのです .... いざ発送しようとなって数え始めたら、思ったよりはるかに多い! ひゃ〜〜! 年を遡るほど、調べるほど数が増えることがわかり、
第一弾発送の段階でもまだ完全に宛先をまとめきっていません。 ひとまずフォルダーで機械的にバッサリ分けて第一弾を送ったのです。第二弾配布の方々が後からだといって第一弾の方々より身分が低いとかそんなことはありません(笑)。私の親戚関連は皆第二弾ですし、弦の共同購入の方々もおおむね第二弾に含まれています。とはいえ宛先がまだ発掘できない皆様も含めて、第二弾に含まれてしまったみなさん、お待たせすることにかわりはなく、ひらに御容赦くだされ。第二弾は色違いで追加制作しておりその完成が7月上旬。
ウチは営利目的でやっているサイトではないので、いわゆる「顧客リスト」なんてものは最初から作る気は無く、むしろ個人情報がいつまでも手元にあってはよろしくないので極力消すようにしてきました。今回それが裏目に出まして(^ ^ ; こんなときに非常に苦労するわけですよ。まだ2年分ぐらいしかさかのぼっていません。
第一弾は限定100枚「CRANE朝顔色」ですが、第二弾も同じく限定100となります。
さて、あらためて説明しましょう。鶴田のクレーンホームページが20周年ということで何か記念品/粗品みたいなものを作って皆さんにお配りしようと思い立ったのが今年2015年の正月。あれこれ構想を練りつつ ... 1995年の7月に公開したので季節的には夏。そうか! 日本の夏といえば金鳥蚊取せんこう! ... を配っても仕方がないなぁ。それなら団扇(うちわ)やてぬぐいがよかろうと。ノベルティグッズの会社をざっと探すと、いかにも安っぽいウチワが見つかりますが、どうせなら竹の骨組みの味のある団扇がいいなぁ ... 。でも高そうだし、肝心の図柄はプリントなのかな? いや、まてよ。版画を作る立場で考えるとステンシルの流れのひとつでもある本染め手拭いのほうが面白そうではないか! 昔は西洋タオルと区別して「日本手拭い」なんて呼んでましたが、いかにも日本らしくてヨロシイ。
注染という手染めのてぬぐい。プリントではなく昔から日本で培われてきた手法です。文様をロウで生地に刷り、その周囲を染料で何回も染め、最後に洗って乾かし裁断するという、職人の手作業による本染めてぬぐいです。手作業なのでデータ入稿/注文から納品まで約1ヶ月かかります。たかが手拭いと思われるかもしれませんが、何でも早く安く大量に作って使い捨てる21世紀。そう! そんな時代に一ヶ月かけて作るんですよ、みなさん。
【仕様】
・染め方式:注染手染め(本染め)
・生地:特岡 綿100%
・色数:単色(青と白)CRANE朝顔色
・サイズ:880mm x 370mm
・図柄デザイン:鶴田誠 (1812年のベネディットギター)
・限定数/エディション:100
・生産:純日本製
・染め制作:手拭い神野 http://www.kanno-tenugui.com
※ 実物はこんな感じ→ CRANEてぬぐい写真 (照明や角度によって現物とは色濃度が変わって見えることがあります)
今回のような細い線を多用したデザインでは生地の選択も文/総理ではなく岡が良いそうです。どうせならと奮発して特岡生地にしました。これだけ細密な図柄の場合は染めるのが難しく、ふだんの工程よりもさらに一手間かけるとか。仕上がりも1枚づつすべて違います。一点物です。まさに浮世絵やシルクスクリーンや銅版画のような版画の世界です。
デザインは鶴田がこの工房で修復した1812年のBenedid 複弦ギター。写真を撮影し、部位ごとに分解して補正を行い、それをイラストレータでトレースし、 最後に1枚に結合したのち細部の調整、千鳥柄の配置、ロゴタイプの組み込み、色の設定など、鶴田が作る写真を使った銅版画/エッチングと途中まではほとんど同じ作業です。印刻と陽刻の部分に応じて線の太さと染めの限界を考えて描く必要があります。写真を撮ったそのままではレンズの収差が出るのでそれを補正してなるべくパースが正確に出るように修正しています。
江戸時代からてぬぐいや風呂敷などの布生地の文様には家紋や動植物などが用いられてきましたが、判じ絵といういわば絵文字のようなダジャレ/親父ギャグともいふ、そんな粋な文様も多く作られました。手拭いコンテストも江戸時代にはすでに開催されています。図柄にちょっとした粋といいますか、意味や願い事が隠されていたりするのも見どころなんです。たとえばひょうたんが6個あると六ヒョウなので無病息災といった具合。
唐草模様/アラベスクがこのギターに備わっていますが、ヨーロッパやアジア大陸から伝わった文様として日本でも古くから親しまれ、布地のみでなく食器や家具装飾などにも広範囲に見かけることができます。波千鳥の柄も江戸時代中期ぐらいからでしょうか。
弦は12本描きたいところですが、注染では細すぎて職人泣かせ。それで銅版画製作と同様に6単弦にデフォルメしてあります。正直者には複弦に見えるはずです。私なんか老眼と乱視で常に何でも複数に見えます。
今回採用したもうひとつの日本の伝統様式。それは「熨斗/のし」です。私が子供の頃は慶弔祭事の贈答品に熨斗があるのはごく自然なことでしたが、そういえば最近あまり目にせず、手にとる機会が減りました。本来は武運(幸運)と長寿・繁栄を願う徴です。個人的には御歳暮とか御中元みたいなものを最近見かけません。私がもらっていないだけでしょうか? 熨斗といえば昔は結婚式に出て差し出す御祝儀袋が典型的な熨斗袋になっていましたが、今では激減。ここ数年をふりかえると御香典とか御霊前ばっかり ...
今回の熨斗も基本テンプレートを改造して特別に鶴田がデザインしたものです。「御手富貴」この日本語の綴りも気に入ってます。
備考:第一弾では梱包もひと工夫して「レトロ切手パッケージ」でお届けしました。半世紀前の切手もあれば最新の切手も混在します。同じ切手の組み合わせはありません。
備考:てぬぐいの両端は伝統的な切りっぱなしです。ほどけたらハサミで切ってお使いください(じきに落ち着いてほぐれにくくなります)。てぬぐいの洗い方は以下のリンクを御覧あれ。
【メモ】
● 手拭い神野(神野織物株式会社) http://www.kanno-tenugui.com
てぬぐいの洗い方など http://ky.japanese-towel.com/abouttenugui.html
手拭いの柄と意味 http://ky.japanese-towel.com/pattern.html
手拭いの包み方 http://ky.japanese-towel.com/wrapping.html
● 布地に見る判じ絵と文様(株式会社かまわぬ) http://www.kamawanu.co.jp/tenugui/origin.html
● クレーンホームページ「20周年記念てぬぐい」第二弾
はい、そんなわけで待つこと約1ヶ月。7月4日(土)に第二弾のてぬぐいが完成しました。基本的には第一弾と同じ図柄と制作工程ですが、色違いです。今回の色は「葡萄酒色」です。ブドウ酒とくれば ... ♪あの 消えそうに燃えそうな〜〜ワインレッドのぉ〜〜♪ と、いきたいところですが 西洋の彩度の高いワイン色ではなく、ここでは「日本の伝統色」を使いました。目指した色は臙脂(エンジ)色や小豆色です。デザイン業界のカラーチップでいえば近似色として DIC-N939 です。日本の色は欧米の色と比べると見本帳ではくすんで見えますが、実際に生地に染められると渋く奥深い色艶を見せます。
【仕様】
・染め方式:注染手染め(本染め)
・生地:特岡 綿100%
・色数:単色(赤と白)CRANE 葡萄酒色:たとえばスペインワインの ヴェンタ レアル
・サイズ:880mm x 370mm
・図柄デザイン:鶴田誠 (1812年のベネディットギター)
・限定数/エディション:100
・生産:純日本製
・染め制作:手拭い神野 http://www.kanno-tenugui.com
※ 実物はこんな感じ→ CRANEてぬぐい写真 (照明や角度によって現物とは色濃度が変わって見えることがあります)
第二弾は2015年7月5日 郵政のスマートレターにて発送しました。海外はEMSにて同日発送。郵政の「スマートレター」はクロネコヤマトのメール便が廃止になってからの対抗サービスとして2015年4月3日に登場しましたが、信書が送れるということ以外にメリットは無く、追跡番号も無し、サイズはA5でA4の半分(ちっちゃい!)、しかも配達まで数日かかることもあります。重さは1kgまで、厚みは2cm以下、価格は全国180円均一というものです(専用封筒なので切手は不要)。あえていえば、てぬぐいを送るにはピッタリサイズということぐらいでしょうか。たぶんクレーンホームページの粗品配送のために開発された商品なのでしょう。
● クレーンホームページ「20周年記念てぬぐい」第三弾
さて、第三弾は一般の方々にも欲しい人がいればお分けしてはどうかということで制作しました。色と生地を変えてみようと考え制作会社も変更しました。併せてデザインも変更・調整してあります。購入御希望の方はクレーンショーケースを御覧いただき、連絡ください。
【仕様】
・染め方式:手捺染裏通し(本染め)
・生地:文 綿100%
・色数:単色(黄緑と白)
・サイズ:900mm x 340mm
・図柄デザイン:鶴田誠 (1812年のベネディットギター)
・限定数/エディション:50
・生産:純日本製
・染め制作:「手ぬぐい工房」 有限会社ポスター堂(香川県)http://www.posterdo.co.jp
※ 実物はこんな感じ→ CRANEてぬぐい写真 (照明や角度によって現物とは色濃度が変わって見えることがあります)
染めが手捺染の顔料ですが、裏面までしっかり染まっています。パッケージも刷新して和紙帯にカラーTSULTRAシール。生地と仕上がりの違いはこちらの写真を御覧ください。
● クレーンホームページ「20周年記念てぬぐい」第四弾
その後、幾度も「てぬぐいが欲しかとよ〜〜〜!」というメッセージを頂きまして、そのたびに自分用といいますか工房保管用のストックからお分けしていました。手拭いだけに捻出したわけですな、わはははは ... 。
それで、いまだに希望がありまして。いよいよ手元のストックも完全に無くなりました。そこで思いきって追加製作を決意したわけです。色は今回は黄色です。もちろん染料を使った職人の手染めであり、プリント手拭いではありません。
てぬぐいシリーズとしては4色め、版画でいえば第4ステート、エデイション100といったところでしょうか。
工房クレーンのてぬぐいは日本の伝統色シリーズで作ってきましたが、今回も日本の伝統色「ひまわり色:DIC-N794」です。図柄がバロックのスパニッシュギターということもあって、スペインのひまわり畑をイメージして色を選びました。判じ絵の千鳥もひよこに見えたりして? レモン色でもなくオレンジっぽくもなく、若干からし色(マスタードイエロー)に近いカモ。環境光によって色はけっこう変わって見えますので念のため。
本来、ウチの工房の贈答品として作ったものなので、赤と青のときは鶴田工房クレーンの熨斗(のし)を付けていましたが、今回は熨斗を抜いてあります。
また、今回は英語で書かれた小さな説明書「てぬぐいの使い方」リーフレットを用意しました。
とくに海外の演奏家や愛好家に好評だとか。たとえばローラン・ディアンスさん(去年亡くなるまでずっと家の壁に貼ってあったと)、アンドリュー・ヨークさん、この夏に来日されたマルコ・メローニさんにも喜んでいただけたとのことです。
購入御希望の方はクレーンショーケースを御覧いただき、連絡ください。
【仕様】
・染め方式:注染手染め(本染め)
・生地:岡 綿100%
・色:日本の伝統色 DIC-N794「ひまわり色」
・サイズ:約89cm x 36cm
・図柄デザイン:鶴田誠 (1812年のベネディットギター)
・限定数/エディション:100
・生産:純日本製
・染め制作:手拭い神野 http://www.kanno-tenugui.com
※ 実物はこんな感じ→ CRANEてぬぐい写真 (照明や角度によって現物とは色濃度が変わって見えることがあります)
● クレーンホームページ「20周年記念てぬぐい」第五弾
今まで作った手拭いはお客さんに差し上げたり販売したりで使い切ってしまいました。在庫はありません。
25周年記念のてぬぐいを作りかけていたのですがこ、このところの超繁忙期を迎え、忙しくなって中断。オマケにコロナウイルス騒ぎでさらに忙しくて死にそう .... 暗いニュースが続くので、ここはひとつ気分転換にと最後の増刷を決めた次第です。
それで、今年(2020年)は原板保存期限の5年目でありまして、版は役目を終えたのでこれ以上増刷できないように版画と同様に潰してしまいますが、手拭い自体は腐る物でもないので粗品として保管しておけば使う機会もあるでしょう。
今回も本初め(注染)で柔らかい岡の生地。職人の手染めであり、プリント手拭いではありません。
てぬぐいシリーズとしては5色め、版画でいえば第5ステート、エデイションは100です。
CRANEは手作りコダワリ系の弦楽器工房なので今回も当然のごとく日本の伝統色シリーズから色を選びました。
色の名前と番号は「浅葱鼠:DIC-N879」です。今回は渋い。かなり渋い。ちょっと渋過ぎたかな?
大人の色ですな。モノクロ写真が好きなのが反映されているような気もします。
江戸時代中期、幕府が派手物を禁じると江戸っ子たちは彩度の低い茶色やねずみ色などのバリエーションを拡張させました。他人とは違う色がよいのだと鶴田みたいなことを言い出して「俺のねず色」を纏うことが粋であったとされています。ちなみに灰色とねずみ色はまったく異なるものです。今回の浅葱鼠色(あさぎねずいろ)はほんのわずかに薄緑色や薄藍色を感じることができる鼠色です。染め職人の技を手に取ってお楽しみください。
鶴田工房クレーンの熨斗(のし)を今回はどうしようか?と悩みつつ、50枚と50枚の半々で熨斗付きと熨斗無しとしました。
また、今回も英語で書かれた小さな説明書「てぬぐいの使い方」リーフレット付き。
購入御希望の方はメールかフォームから連絡をいただければ1本1000円(送料無料)にて頒布いたしまする。 ※数に限りがあります
【仕様】
・染め方式:注染手染め(本染め)
・生地:岡 綿100%
・色:日本の伝統色 DIC-N879「浅葱鼠色」(あさぎねずいろ)
・サイズ:約89cm x 36cm
・図柄デザイン:鶴田誠 (1812年のベネディットギター)
・限定数/エディション:100
・生産:純日本製
・染め制作:手拭い神野 http://www.kanno-tenugui.com
※ 実物はこんな感じ→ CRANEてぬぐい写真 (照明や角度によって現物とは色濃度が変わって見えることがあります)
弦楽器工房CRANE/アトリエ・クレーン:Luthier 鶴田 誠
記事:2015年6月19日、2015年7月5日更新、2015年7月29日更新、2017年10月8日更新
、2020年4月1日更新