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今回のCRNAEの特集はイタリア、フィレンツェからの寄稿による製作家紹介なのです!
知る人ぞ知るアンドレア・タッキさんです!
CRANEホームページもいよいよ海外レポーターを派遣できるようになりました....というわけではありません(笑)。現在イタリアにて彫金の勉強をされている日本人の方とメールでやりとりしているうちに取材してくださったものなのです(アリガタヤ....)。
レポーターはT.Kさんです。ご協力ありがとうございました。鶴田はメールの他はT.Kさんにお会いしたことはありませんが、おそらく美しくて素敵な方でしょう(....たぶん)。
● 略 歴
1956年 イタリア フィレンツェに生まれる
幼少の頃からギター製作を始める
フィレンツェ大学で機械工学を学ぶ
1976年 この年からRicardo Brane に師事
1981年 フランスに渡りロベール・ブーシェに師事
1985年 Robert Vidal(ラジオ・フランス)主催
国際ギターコンクール デザイン部門1位入賞
1986年 Coclea モデルの製作をはじめる
1992年 ISIDE モデルの製作をはじめる
● ISIDE(イジデ)
全体像 [.jpg]
(イジデ:古代エジプトの美の女神、という意味だそうです。)
表面板材質・・・スプルース
側面板材質・・・インディアン・ローズウッド
指板材質 ・・・ブラジリアン・ローズウッド
ネック材質・・・マホガニー
塗 料・・・ゴマラカ
駒材質・・・ローズウッド
弦長・・・650mm〜654mm 要望により、短くも長くも出来るそうです。
(塗料のゴマラカはブーシェの絶対お勧めだそうで、いつもパリに買いにいくそうです。)
口輪のインレイ...1 [.jpg]
ブリッジ [.jpg]
口輪のインレイ...2 [.jpg]
写真に出ている口輪の装飾はラピスラズリを使った美しいものです。
(古代エジプト時代に装飾用によく使われた鉱石で、イタリアのルネッサンス期にも広く取り入れられたもの)
従来とは全く異なる視点から生み出された彼独自のブレーシングパターン。以下の作品を参照。
指板のフレット面にはゆるやかなラウンドを付けてあるそうです。
演奏のバリエーションを考慮してキーを配置してあり、タッチの位置・爪の角度・弾弦の強さによって多彩な音色の表現が可能。
木材自体の緊張を利用した彼独自のジョイントを各所に採用しているため安定性に優れ艶のある透明な音色であるとのこと。
(コクレア:ラテン語でカタツムリ、人間の音感の基盤「渦牛」も意味する)
表面板材質・・・セドル
側面板材質・・・セドル/シープレス/ローズ
裏板材質・・・インディアン・ローズウッド/
ブラジリアン・ローズウッド
指板材質 ・・・エボニー
ネック材質・・・マホガニー
塗 料・・・セラック/ラッカー
駒 材 質・・・ローズウッド
弦 長・・・645mm〜660mm 要望による。
ブレーシングパターン(力木構造) [.jpg]
ヒール部 [.jpg]
ブリッジ [.jpg]
材料については、たんに美的な価値だけでなく、音響的・耐久的に優良なものを、電子機器を駆使して厳選しているそうです。
「彼の家は2階の一部屋を工房にしていて、屋根裏とか地下室とか庭とか、あちこちに製作のための器具を置いてるって感じです。
道具類は非常に豊富で、素晴らしく整理整頓されています。市販のものだけでなく、彼自身が作り出したものもいっぱいあって、非常に面白いです。私は彫金をやっているわけで、全然違う分野だけど、彼の工房はとても勉強になります。」