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●日 時:2008年 5月16日(土) 11時〜19時 および 17日(日)
10時〜18時
●場 所:すみだ産業会館サンライズホール
〒130-0022 東京都墨田区江東橋3丁目9番10号(丸井OIOIビル8階)
東京都墨田区 JR総武線、錦糸町駅南口前
●入場料:1000円
●主 催:TOKYOハンドクラフトギター
フェス実行委員会・TBSサービス
THGFのオフィシャルサイト
【CRANE 展示ブース】
【今年はカポが主役のCRANEブース】
さて、2009年、私の「CRANE
鶴田」のブースは御覧のとおり。ベネディットの6単弦ギター、小物販売、そして主役の?カポタスト群であります。去年から今年にかけてあまりにも忙しくて(毎年忙しいけど、今年は深刻)、Conceptモデルが作れず、去年のC-6も改良の手が付けられず、Ramirez1世も製作途中、新たなとりくみのフレンチも製作途中、う〜〜〜む、困ったもんです。なんとか夏には楽器のほうも挽回したいところです。
ギターはまとまった数週間、調査も含めたヒストリカルモデルでは数ヶ月単位で製作時間を必要とします。カポタストは比較的短時間の単位で作れるので、ちょっとした合間をぬって作るには都合が良いのです。アイディアをまとめてデザイン図から加工・仕上げ・調整までコンパクトに作業できます。そのせいもあってか?楽器作りの反動が出たのか?すっかりハマってしまい、気がつけば約40個を展示することになりました。
CRANEブースでは今年も看板娘が一緒です。どうです? ヒゲはやしたムサいおっさんが対応するより、雰囲気が良いでしょ? 来年は看板娘が主役!ブースにステージを組んで、鶴田の司会でダンスパフォーマンスとサイン会を開催します(ウソ)。ともあれ、お店番がいてくれると、他の製作家との交流や休憩時間など、私も活発に動けるので助かります。
【カポっ!】
それで、主役のカポですが、個々についてこのページに書いていくのもなんですから、例によってCRANEカポのコーナーに近々掲載していきます。同時にクレーンショーケースのコーナーでの販売もおこないます。シマシマ親子カポは箱入り娘状態での陳列。非売品ですが、凝ったつくりは好評でした。ショーケース4つに分けて展示した他のカポも同じものが2つと無いことはもちろん、それぞれに個性を持たせ、パーツのひとつひとつ、仕上げや塗装にもコダワリが活かされています。これらはブースへの訪問者の皆様にも小さな驚きと感動を感じていただけたようです。お遊びで作ったベイビーカポもなかなかウケてました。
販売もやっていましたが、なにしろ出番の少ない小物だけに、価格への反応も様々です。展示会の期間中に4つほど売れました。あとはWebのCRANEショーケースでのんびりいきましょう。お買い上げいただいた方々には個数限定で桐小箱とポーチが付属します。
CRANEカポタスト、訪問者のみなさんに実物を手にしてもらって、頂いた感想や要望なども今後、活かしていきたいと思っています。
【会場】
楽器の展示会といってもゲストによるライブのほか、凝ったパーツ類やインレイ専門の展示、あるいは木材の販売などもあって毎年、その内容も充実してきました。今年は新たなとりくみとして、ウクレレ製作教室も開催されました! 今年も4つの試奏ブースが完備。私のように出展する立場であっても、毎年それらを巡るのが楽しみです。
以下、今回の展示やイベントを全て網羅しておらず、むしろ断片的な掲載ですが、御覧になり展示会全体の雰囲気など感じていただければ幸いです。
【各出展者のブースの紹介】
1. forM:愛知県から出展の for M さん。アコギやウクレレ、エレキギターやベースも製作。熱心に試奏するのは....別の出展者。製作家同士で気になる楽器を弾きたいのもわかりますね。来場者よりも出展者のほうが熱心に弾いてたりして....。
2. 株式会社ヤイリギター:個人製作家の出展が多いなかで、会社規模の製作工房もいくつかブースを出しています。おなじみのヤイリですが、ヤイリの個人製作家が各自の名前で楽器を展示しています。岐阜県から。
3. SUGI CRAFT: 富山県からニューモデル「Nougat」をひっさげて登場したのはスギクラフトさん。個人名義のギターも。
4. ひらみつギター:これは鶴田は大注目しました。かなり手の込んだベンディングアイロンやクランプなどを考案し、販売しています。とくに私が目をひいたのはベンディングアイロン。6つの異なる曲面を持つブロック(オプションでさらに小さなブロックを追加可能)が360度回転し、任意の位置で固定可能。側面板は曲率によって板をあてるブロック面を変えねばならず、私は板を持ってアイロンのまわりを回っていましたが、これは革新的。名古屋から。
5. 6. ロッコーマン株式会社&アストリアスギター製造株式会社:これもメーカ系のブース。お店を広げて木材を販売してました。東京都豊島区からの出展。
7. Antar 青木ギター工房:主にアコギやウクレレのオリジナルモデルを製作。アンタールブランドを各楽器店で展開。オーダーメイドや修理。東京立川市の製作家。
8. 9. SUMI工房&デザートローズ楽器: 長野県から出展のアコギ製作家のSUMI工房さん。同じく長野県の個人バンジョー専門メーカー、デザートローズさんです。 毎年出展されている常連さんたちですな。
10. 11. SlackWorks、Sutudio-mu20、アコースティック弦楽器工房 THIRD FIELD:3つの個人製作家が一致団結?して1つのブースに集結? ウクレレを中心としたスラックワークスさん、6コースリュートとジャーマンテオルボで会場レッスンもやっちゃうStudio-mu20さん、7本もの楽器を1つのケースに入れて運んでくる信じられないTHIRD FIELDさん。みんなワシら「のみのみML」の仲間ですな。
12. 大西達郎(ファーニス工房)、古楽器工房VIOL、atelier-h:家具製作の経験をもとにクラシックギター、19世紀ギターの製作・修理をニャーゴヤで展開する大西さん。大阪・河内長野からやってきたVIOLさん、ガンバやバロックビオラを出展。そして東京のatelier-hさんは独自のサスティーンシステムを装備したアコースティックギターを出展。
13. CRANEブース(上記参照)
14. 乙竹英夫:スペインギターを専門的に研究・製作する乙竹さん。今年はトーレスの代表作であるFE08(1858年)のコピーを製作。これは注目です。高度な装飾がなされたモデルで、世界中の製作家たちがコピーを製作していますが、キッチリ作るのは容易ではありません。例えばヒール裏面から始まる菱形模様が永遠とつながってボディ両脇の外周を反ってボディ底部に達する部分。つまり底部裏面でピッタリにならねばならんのです。私が作ったBenedidのドーナツロゼッタと同じですね。底面の十字部分(円印)もまたムズカシイ。こりゃ力作ですな。乙竹さんもやはりわてら「のみのみML」仲間どす。
15a. KEN弦楽器工房:秋田県でクラシックギター、19世紀ギター、ウクレレの製作をやっている斉藤さんです。東北では水原洋さん亡きあと、斉藤さんの登場で大きく期待がかかります。今回は音色の良いウクレレとフレンチモデルの19世紀ギターを出展。細身のボディで良く鳴ります。機械式糸巻きで調弦もらくですね。地元秋田での個人展示会も近く開催予定とのこと。
15b. office stereo: 本革のワイルドなストラップやキャリーバッグを手作りしているとのこと。
16. FISHMAN:アコギのエフェクターやプロセッサの分野ではよく知られた総合メーカー。 今年もおびただしい数のパーツや音響システムを展示してありました。
18. 大和マーク株式会社:そうです。ニャーゴヤから今年も出展!しかもCRANEブースのまん前。パーツ類はもちろん、近年は木材も扱うようになって再注目を浴びています。私も今回、黄蝶貝と白蝶貝を買いました。ジャーマンスプルースを買おうか迷っていたら、自分のブースが忙しくて買い損ねてしまいました。
19. デザインボックス:東京台東区でギタースタンド、ギターショーケースなどを製作している会社です。独特なデザインのギターハンガー/ウクレレハンガー、そして大事な楽器を保管しつつ鑑賞もできるガラス窓付きのケースも人気でした。
20a. 株式会社岩元ケース 20b. アイチ木材加工株式会社:様々な弦楽器のケース、弦楽器のための木材。 愛知県から。
21. フェルナンデス・ギターエンジニア・スクール:東京新宿のギター製作や修理など総合的に学ぶスクール。そこで学ぶ生徒さんの作品が展示されていました。
22. ソングバード ギターワークショップ&沖田ギター工房:エレクトリックギター、ウクレレ、アコギ、ピックアップまですべて1人で作っちゃう工房。そしてユニークな発想のウクレレなどを出展している沖田さん。ディズニーのクッキー缶で作ったウクレレが大人気!?
23a. AT guitars & 23b. BLUE Strings: セルマータイプのアコギやのほかクラシックギター、アーチトップギターなどを製作する栃木の AT guitars さん。そしてモダンで高精度なオリジナルモデルを製作するという静岡のBLUE Stringsさん。
24. CRAFT MUSICA & Urano Guitars:千葉と東京でオリジナルやカスタムオーダーのギター、ウクレレを製作。
25. Keystone Stringed Instruments & Ogawa Inlay craft:東京小平市でギター製作と修理を手掛ける工房。そして新潟のカスタムインレイの専門工房。
26. 有限会社ドルフィンギターズ:国内外のアコギ300本以上を在庫する大阪の専門店。
27. T'sGuitars: エレキギターからアコギ、ウクレレまでハイエンドな弦楽器作りの職人集団。今年も個性的なウクレレが来場者を集めていました。長野県塩尻市から。
28. シーガル弦楽器工房:愛媛県でギター製作とオールドマーチン修理を行っている工房。
29. 個人製作家 岡野純(アルカディアン・ギターズ):神奈川県横浜市からの出展。
30. 有限会社タツタ:福井県からやってきたタツタさんはメガネ部品が専門でしたが、その技術でチタン系のギター部品も製作。竜田揚げは鶴田も好きだ。
31. Sakata Guitars & Ikko Masada Guitars:シンプルで美しいギターを目指すサカタギターズ、山梨県甲府市から。 そして神奈川の相模原でオリジナルハンドメイドギターを作っているIkkoさんです。
32. Yoshida弦楽器工房 & トダギターズ:西東京市で弦楽器の修理・製作をやっているYoshidaさんと。 滋賀県から出展のトダさん。どちらもギターとウクレレの製作。
33. ESPギタークラフト・アカデミー: ギターメーカーESP直営のギター・ベース製作者及びリペアマン養成所。1年間で学ぶそうです。東京千代田区。
34. 専門学校ESPミュージカルアカデミー:専門学校としてのESP。ギター製作のみならず、リペア、エフェクタ製作、演奏まで学べる専門学校。有望な若手の学生作品も名札付きで展示。新宿から。
35. 工房ソニード & クレオバンブー:今回はエレキギターとテール糸巻きの楽器が出展されていました。この糸巻き、右手がすぐに伸びて操作できるので結構よさそうです。
36. 小林大作GUITAR:長野県小諸市でアコースティックギター作りをされている小林さん。今年で10年目とのこと。写真がテブレでゴメンナサイ。>_<
37. 株式会社トーラスコーポレーション:SantaCruzなどのブランドギターを扱う東京豊島区の代理店。
38. 手工ギター製作工房/本郷 & NobAcousticGuitars:静岡県浜松市から出展の本郷さん。そして愛知県岡崎市から出展のNobさん。こんな温湿度計も展示してありました。
39. Yokoyama Guitars:常に新たな技術と材料とサウンドを追求するYokoyamaさん。
40. 亀岡ギター:フィンガーピッキングのスタイルにこだわったアコギ作りを追求する亀岡さん。今回はナイロン弦のギターも見られました。愛媛県松山市から。
41. スズカワギターズ:神奈川県藤沢市のスズカワさん。多くの奏者からの意見に熱心に耳を傾け、それはやがて楽器にフィードバックされていくのでしょうね。
42. ギター工房 無弦堂:ギターはもちろんウクレレも。熟練して豊富な経験が製作や修理に確かな信頼を得ています。プロ演奏家からの信頼も厚く、ベテラン層のお客さんも。東京練馬区。
43a. しいはらウクレレ工房:愛知県瀬戸市でウクレレ製作をやっているというしいはらさん。様々なスタイルのウクレレが好評。
43b. 弦々トムテ: 家具製作の工房で近年弦楽器づくりを始めたというトムテさん。なかにはチャランゴのような彫りぬきボディのウクレレも!埼玉県から。
44. 45. 46. ChihaleWorks、占部弦楽器製作所、UkuleleStudio七里ガ浜、イサナウクレレ:大阪、京都、神奈川のウクレレ工房が集結してウクレレブースを拡張。 見てまわるのもたいへんなほど盛りだくさん。
47. M'sCRAFT:自由に注文してもらって世界に一つのウクレレを製作するとのこと。たしかに個性的な楽器やインレイがありますね。埼玉県から。
【御礼】
毎年このTHGFは規模も内容も拡充傾向にあり、今年は初日の土曜からかなりの来場者があって驚きました。受付や会場内ライブ、各種連絡などスタッフも大活躍。来場者数もいよいよ今年は1000人を超えました!回を重ねるごとに展示会の主宰者と出展者とで工夫しつつ改善じつつ、新たな試みやルールも生まれ、より充実した展示会を目指しています。
私のCRANEのブースも、例年にも増して多くのお客さんがあり、同時に毎年訪ねて来られる方達とも再会できて嬉しく思いました。そういえば、以前CRANEの掲示板で交流のあった方が今回の展示会でブースにいらして、月琴を見せてくれました。これが私達「のみのみML」のブースサイドでは異様な盛り上がりを見せ、みんなが集まってきて、やれ弦はどうだの、ピックはどうだのと、濃い話題で久しぶりに皆さん、燃えていました。 このピック(プレクトラム)はワンちゃんのエサ、じつは「牛のひづめ」から作るのだそうです。亜麻仁油を塗って鉄板に挟んで加熱するそうですが、仕上がりは磨くと鼈甲のような硬さとツヤが有ります。柔らかさとしてもツメなので弦楽器には最適。但し、これで楽器を弾いて、うっかりそのへんに置いておくとワンちゃんにかじられるそうです(笑)。
また、職業人演奏家も多く見られる展示会ですが、B-Boysのあべさんが会場に来てまして(デモ演奏してた野澤享司さんのお友達らしい)、年期の入ったカポのいくつかを見せてもらいました。マンドリンなどに装着する問題点などの話もできて、とても私には有益でした。いずれまたカポのコーナーにも掲載していこうと思います。思えば、今年はお客さんに勉強させてもらった展示会でもありました。
出展者もスタッフもお客さんも、楽しみくつろげる、充実した展示会として定着してきたように感じています。私個人のことをいえば、年々忙しくなる仕事をいかにうまく整理して処理するかという大きな壁に向き合っている時期にきており、何か考えないと楽器作りの時間など、まったくとれなくなる恐れすらあります。睡眠時間を削るだけでは解決しませんなぁ.....。反して、もっと作りたい楽器や試したいこととか、新たな希望はどんどん出てくるので困ったものです....。
年に1回の展示会。私はとても楽しみにしてまして、ホント、これだけが楽しみでやっているのではないかと思うほどです(笑)。次回もまた会場でお会いしましょう。皆様ありがとうございました。
CRANE HomePage 鶴田
記事:2009年5月18日