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■ 010:見山昌三 さん
アコースティックギター「NEO CLASSIC」
【製作者のコメント】
● 素材と仕様
・トップ・ベアー・クロウ スプルース (ヘリング・ボーン パーフリング)
・サイド・ココボロ
・バック・ココボロ(センターアバロン・インレイ/ヘリング・ボーンパーフリング)
・ネック・マホガニーとウォールナットのスリーピース
・ブリッジ・本黒檀(*シェイキング・ブレイシング構造)《以下の写真参照》
・ナット、サドル・象牙
・指板・エボニー
・ブレイシング、パターン・*ワイド センター ブレイシング《以下の写真参照》
・スケール・650mm
・塗装・ニトロ・セルロース・ラッカー
◆
シェイキング・ブレイシング構造について
弦をブレイシングに巻き付ける事によって、弦振動を効率よくブリッジに伝え驚異的なロング・サスティーンを発生させる事に成功しました。実音もちゃんと出ます。
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ワイド・センター・ブレイシング
響板の中心部分にブレイシングを配置すると、ハイポジションで打弦しても音が潰れないのです。しかし、通常のギターではサウンド・ホールが真ん中に有る為、サウンドホールの場所をはずして、ブレイシングを配置したのがこの、ワイド・センター・ブレイシングの発想です。響板の振動パターンを考えて、今後、発展させなければと思っていますが、わりと素直で、良い音が出ますよ!
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ウルトラ・ワイド・ヒールブロック
『通し竿』と言うネック・ジョイント方法です。ヒールブロックをかなり大きめにしてありますので、弦を張りっぱなしでも平気なギターです。
【製作後記】
ナイロン弦の音が大好きで、今まで3本ナイロン弦のギターを作りました。オリジナルの曲を作っているのですが、ギターが出来上がるごとに、1曲、新曲が出来るのです。(最近は、インストロ・メンタルの曲を作っています。)
通常のギターの構造を加味した上で、新しいギターの創造をするのが、楽しくてしょうがない状態で、良い趣味を見つけたなと思っています。今度は、鉄弦のギターを作ってみようと思っています。
●ご意見、問い合わせ先:
見山
昌三 midasu-miyama@par.odn.ne.jp
ホームページ http://sound.jp/maidas_guitar/
【鶴田より】
ぐお〜〜〜〜っつ! こりゃまた思いきった作品の登場ですね。かつてのヘルマン・ハウザー I世のいくつかの楽器を彷彿させる、じつに冒険的で興味深い試みですね。なるほど、弦を結わえるブリッジの部分がブレイス(バー)に巻き付ける構造になっているわけですなぁ......。一見するとブリッジが大きくて「どんな音だろう?」と不思議に思えますが実際には「ちょ〜ロングサスティーン」とのこと。やはり試してみるもんなんですね。様々なアイディアによるオリジナリティが結実したユニークなギター! 恐るべき発想と実践力に脱帽です、研究熱心な方なんですね。ギターが出来上がるごとに、新曲を作って楽しんでおられるとのことで素晴らしいと思います。まさに楽器製作の醍醐味。