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■ 030:「サイレント月琴・カメ琴2号機」
■楽器名:「サイレント月琴・カメ琴2号機」
■製作者:CHARLIE ZHANG
● コメント:
糸倉本体はカツラとサクラの3P,外枠はエコウッド(スプルース),表裏 は桐板です。
弦は三味線のテトロンとナイロン,4弦2コース,オリジナルの清楽月琴より 2本多い10フレットで,4C/4Gのチューニング時2オクターブ(半音ナ シ)の音域が出せます。 前作カメ1号は圧電素子のPUをジャックにつないだだけのシロモノでしたが、今回は,アキバで買った¥700のパワーアンプのキットと,百均で買ったミニ スピーカーをバラしたのを仕込んで,世界初(かどうかは知らない)のアンプ内蔵型エレキ月琴といたしました!
スオウ染めがうまくいって全体がマホガニー 色になったのと,最後に悩んで選んだローズウッドの黒フレットがキマり,いい 感じにシブい楽器となりました。
これでも「響き線」が入っているので,ちゃんと「月琴げな」音が出ますし, サイレント性も上々,出力切り替えでジャックにヘッドフォンを挿せば,深夜の 練習にも最適よ。
● 製作の写真
・写真1 楽器背面
・写真2 サイレントながらもスピカーを内蔵
・写真3 ヘッド部分
【鶴田より】
この楽器の製作過程が以下の御本人のサイト↓に公開されています。なかなか深いぞ。
「月のあしび」http://gekkinon.cocolog-nifty.com/moonlute/
エレクトリック・サイレント月琴。年期の入ったマホガニーを思わせる渋い塗装はスオウ染めとカシューとのことです。ヘッド(蓮頭)の愛らしい装飾はコウモリですが、これもまたカツラ板を彫ったスオウ染め。糸巻きは少しスオウを混ぜたヤシャ液で染めたのち亜麻仁油のオイル仕上げとか。各所で様々な染めの使い分けですな。フレットもローズウッドで作られており、一般的な月琴より音域を広げた2オクターブになっています。工夫とコダワリ満載ですな。「響き線」はボディ内部に仕込まれたコイル状の共振体で、このおかげで独特の音色が発生します。
ベンガラと五倍子粉を,ヤシャブシ液と酢で煮詰めて自作したというオハグロ液やら、屋外製作の話題など、この方の製作サイトには非常に興味深いものがあります。皆さんも「燃料」片手にぜひ御覧ください。
備考:クレーンホームページのリンク集にもこの方のサイト(斗酒庵茶房)を掲載してあります。
記事:2013.5.26