■ 製作過程の解説-3
...........続きです。フタと箱の深さの比率は重要です。楽器を箱に収めたときにちょうどブリッジが少しだけ出るぐらいにしておきます。ノギスで計って鉛筆で箱を1周するラインをけがきます。
さあ、ノコを入れます。このようにひたすらゴシゴシとノコを挽きます。ファルカタ集成材はやわかいのでサクサクと気持ちよく作業できますが角の部分で油断すると見えない箇所が斜めにカットされたり刃幅が狂ってくるのでマジメに作業します。この作業を終える頃にはすでに夜中の4時頃です、近所迷惑にならないようコッソリ、ギコギコ.......。冷静に考えると夜中にこんなことをやっている自分は「変なヒト」と思えるので、ビールでも飲みながら気楽にまいります、コッソリ、ギコギコ.......。
半分を切り進んだ時点で留め具を仮止めしちゃいます。完全に分離してからでは作業しづらいからです。但し、ノコ刃の厚さで生じた隙間をギュッと挟んで箱とフタを密着させた状態で取り付け作業を行います。
といわけで箱とフタを無事に分離しました! 棺桶みたいですね、コフィンケースとはよくいったものです。顔ののぞき窓も作ろうかと思ったのですが縁起でもないので今回はやめておきました。
金具類はこんなに買い込んでしまいました。じつは他にもケースを作る予定があるからです。また、留め具に付属している木ネジは板厚に対して長さが合わないことも多いので必ず寸法の異なるいくつかのネジを準備しておくべきです。あと、内張りに大量に接着剤が必要ですから買い出しのときは忘れずに多めに買っておきます....。今回の接着剤は.....もちろんタイトボンド。
蝶番を付けます。今回は軸部分が完全に本体内に納まるようにします。ノミを使って蝶番の厚さ分だけ彫り込みます。蝶番に付属していた木ネジは小さすぎて使い物にならず、ほかに買ってきた予備ネジ(但し皿ネジでなければなりません)を使いました。箱とフタはズレないように注意が必要です、3つの固定穴のうちの1箇所だけでまずは仮組してみます。うまくいけばほかのネジ穴にもネジを打ちます。
しつこいようですが、ときどきこうやって楽器を置いて寸法をチェックします。完成したら納まらなかったりして....。ウレタン内装の厚みも計算しなければなりません。だいぶタイトですが、ダイジョウブかなぁ..........。
最も難しいのがハンドルの組み付けです。今回も革製のガッチリしたグリップ(高かった)をボルトで固定します。キャップボルトは六角レンチで締め上げます。ゆるみ防止のワッシャも忘れずに。板の厚さと皮の厚さ、そしてボルト/ナットのネジ溝の深さ.....なかなかピッタリのボルトが無くて苦労しました。
ケースを縦に設置する場合の底部の足です。4個を使いますが写真のブツはスチールボールの入った可動パーツ....実際にはほとんど転がせないという優れもの?
さあ、ここまでで箱とフタと主要な金具は装着できました。
つづく.......
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