■ 製作過程の解説-2
楽器を作るよりはるかに手早く作業が進みます。ケースを鳴らすわけではないのでこまごまと時間をかけて悩むこともないです。特に今回は簡易版ですからどんどん作業しちゃいます。
接着はタイトボンドを使い、固定はハタガネで締めます。ギター製作で表面板のはぎ(裏板もそうですがブックマッチ)に使った工具ですね。当クレーンホームページの工具のコーナーも参考にすればいいでしょう。ワイヤ付きのコーナークランプを使えば4辺を箱形に組んだ状態で接着することも可能です。
ギターもそうですが私は楽器を作ったりリペアで手元にやってきた楽器はひとまず弾いてみてそのあと重心の位置(といっても目安程度)をはかることにしています。以下のように簡単なシーソーを作って楽器をのっけるだけです。多くのギターは14フレットあたりの上部のブロックに重心があることが多く、演奏にあたっては楽器の保持も楽なようです。たまにネックからヘッドにかけてやたら重いというバランスのギターもありますがなんとなく扱いづらいです。リュート系の楽器の場合はおそらくそのほとんどが10フレット位置とか、もしくは大型のリュートでは9フレットより先に重心はあるようです。
ケース製作では取っ手(ハンドル)をどこに装着するかで持ち運びや取りまわしの感覚が異なるようですから楽器の重心位置とケース内の配置によって検討すればいいでしょう。バルサ材はもろいのでパイプや補強プレートなども併用したほうがいいかもしれません。
はい、取っ手がついてとっても便利。
取っ手のついたパネルを箱になるように組み上げて接着している様子です。ミニチュアクランプは接着位置を決定するためのガイド役として使っています。
はみ出した接着剤をスクレーパでならし、スクレーパプレーンで整えてやります。みなさんはスクレーパだけでもかまいませんし、特にこの行程は接着剤をきれいにするだけと考えていただいてもかまわないでしょう。
箱に組み上げるとフタの締まるヘリの部分は隙間のないようにカンナでピッタンコにならします。前もってきっちり材料を切断してあっても箱組みするとバルサはやわらかいので若干のゆがみや反りは生じるようです。まあ、私が未熟という声も聞こえてきますが、聴こえないフリをして先に進みましょう。
箱の内部に仕切りと楽器保持のための板を入れます。糸のこでカーブに沿って切り抜いていきます。箱の補強の役目も果たすので重要な部分です。
さて、箱はおおむね組みあがってきました。
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