CRANE 楽器ケースをつくろう! 
ちょ〜軽量マンドリーノケース
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 仕上げ

 

私はケースもいちおう自分の作品と数えることにしていまして、こんな簡易版であってもちゃんとCRANEのスタンプは押してあります。じつはこのケースの内壁にもスタンプがあります。トフトフと......フタの内面にウレタンフォームを接着します。

 

 

フタにもCRANEのスタンプを押しておきます。ちなみに私の製作したギターにも表面板の裏にはスタンプがあります、ナイショだよ.........。これらのスタンプもイラストレータでMacを使ってデザインし、樹脂をエッチングして自分で作ったものです。

 

 

さて、今回は簡易ながらも温湿度計を付けてみました。Ameritage社によるとケース内は45%〜55%が推奨値のようです。もっともフタを閉めた状態では中の温湿度はわかりませんが........名付けて「クレーンケース:シュレディンガーモデル」。

 

 

さて、問題の塗装ですが、当初はタンカラーのラッカーかオイルステンで仕上げるか、またはツキ板を貼ろうかなどと考えていたのですが、予算の問題と、思いのほかバルサのナチュラルな色合いが気に入ったのでこれにTru-Oil(詳しくはギター製作ちょ〜入門とリュート製作ちょ〜入門の塗装の章を御覧ください)で仕上げることにしました。塗っては乾かし、3回ほど塗りなおして完了です。塗膜は薄いのでぶつけるとカンタンにへこむ恐れがありますが、まあ、今回はこれで様子をみましょう。ハケ塗りせずタンポで丁寧に拭きあげていきます。

注意:2011年頃からTru-oilの成分が変更されています。今までサンシックンドリンシードオイルと同じ香りがしていたのですが、2012年4月にアメリカから購入した新品は色も薄い赤っぽい色になり、臭いは石油系のヤな臭いになってしまいました。臭い!! 成分が変わったのか、精製法が変わったのか? 参考までに。(2012年6月補足)

 

 

最後にゴム足をつけます。といってもクリアな樹脂でシールになっており、これを接地面に6個貼ることで汚れを防止し、すべり止めにもなります。

 

参考までに、以下の写真は19世紀前期の楽器のケースですが、ハカランダのツキ板で合版としてあるものです。なかなか落ちついて気品があります。お金をかけてこのような凝ったケースを作ってみるのもおもしろいでしょう。

 

 

よしっ! 楽器を格納してみてぐあいをみます。マシンガンを格納してクリントイーストウッドに馬で引きずってもらえば完璧でしょう。なかなかいい感じだ! 万歳!(まんざいではない)
しばし自己満足にひたりましょう........新聞とお茶で休憩.....ふぅ......。

 

【完成】

 


【感想】

使ってみるといくつかの問題点や気付いたことがあります。まず持ち歩くにはなんだか軽すぎるんですよ(笑)。重心の位置は悪くないのですがハンドルの位置が微妙です。できればショルダーストラップなんかも付ければおもしろそうですがゴタゴタしてせっかくのシンプルなスタイルがカッコ悪くなりそうな気もします。楽器のフィット感はなかなか満足。雨が降ると困るのでカバーも作るべきかな? あとバルサ材ですから傷はつきやすいです、ケースを磨き上げる趣味をお持ちの方はいないでしょうけど移動で付いた多少の傷は長年使い込むと味が出てよろしいということにしましょう。内張り用の素材はいわゆるスポンジなのですが楽器の塗装との相性(というか化学反応)もあるようです、手芸用品のお店ならかなりオシャレな素材も使えそうです。それから、気密性を高めるためにフタと箱の接触部にシール用のゴムチューブかバスコークみたいな充填樹脂で処理を加えたほうがいいかもしれません。予算を追加して豪華に装飾するもよし......。

こういった点は次回作のケースに反映させることにしましょう.........。

 

◆製作期間◆ テキパキやれば3日間、のんびり作れば2週間
◆重 量◆ 880g
◆費 用◆ 材料費は約6000円ぐらいだったと思います(工具代別途)。

 

 

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