● フレット抜きプライヤー(フレットリムーバー)
● 品 名:フレット抜きプライヤー(フレットリムーバー)
● 価 格:3400円 送料込み 限定品 売り切れ
● 新品/中古の区別:(新品)
備 考:114 x 50 x 14mm 70g
ツノダ(TSUNODA)King TTC エンドニッパー(喰切) No.9 115mm EN-115 を当工房で改造したものです
【説明】
ギターやベースのフレットを抜くための特殊なプライヤーです。歯幅14mm
ウクレレやバンジョー、マンドリンや民族楽器などにも使えます。
※一部のエレキギターやアコギでは接着剤に注意(以下参照)
刃先のかみ合わせ面がフラットで溝ができないように非常に薄くなっています。
そのため、フレットのクラウンにスムーズに刃が入ります。そのままハンドルを握ることでフレットはジワリと浮き上がってきます。
作業はフレットのタング(微少な多数のツメ)が指板を剥がさないように前もってぬるま湯等で湿らせておいたほうがいいでしょう。
レモンオイルやオレンジオイルで湿らせて作業する人もいます。
市販品では米国チャンネルロック社 No.32やドイツのクニペックス No.64 12 115も近いです。
ただ、値段がそれなりにします ... 6000円ぐらいが相場+送料 ぐらい。
楽器によって指板にRがついている場合(ラウンド)は歯幅が広すぎると作業しづらいので、これぐらいの幅の狭い専用プライヤーでゆっくり抜くほうがうまくいきます。
指板の多くは硬い木材ですから、基本的には乾いた状態や勢いをつけて抜いてはいけません。指板のフレット脇が割れてめくれます。
【フレットの断面図】
世界中に各部の寸法違いが数十種類から数百種類あります。素材もいろいろあります。
フレットの造りの違いの一例を以下に示します。時代やメーカーで様々なものがあります。アーリーマーチンや19世紀ギターのフレットはT型も I 型のバーフレットも、現代のギターと違って爪(モドリ/スタッド)が付いていないかわりに、ハサミのような刃物で咬んでツメを付けてあります(ツメ無しの場合もある)。
一部の19世紀ギターのようにニカワがフレット溝に入っている場合もありますが、剥がすには水だけでもかまいません(鶴田はぬるま湯を使います)。
対してモダンギターやエレキギターやアコースティックギターでは基本的に機械で量産されるフレットなので、ツメの数も多くモドリもキツイです。とくに黒檀指板はもろく、乾いた状態で抜くと剥がれやすいです。
Gibson レスポールなどはタイトボンドが使われているので、水だけでは不充分です。アイロンか半田ゴテで温めて充分に接着剤が溶けてから、傷付けぬよう優しくそっと扱うべきです。まさに黒檀指板は思春期の少年のようであるのですね。
本来は「切る」ためのニッパですが、本ツールは改造して「挟んで抜く」専用になっていますので、カットに使用しないでください。
切れますけど、刃が傷みます。カットは別のカット専用工具をドゾ。
【参考】
私の場合、フレットを打つときは次の写真のようにあらかじめ両側のタングを斜めにカットします。そして両端をヤスリで滑らかに仕上げてから指板へ打ちます。
将来指板が痩せてフレット両端が出てくると、演奏中に左手がガサついたりチクリとくるのを防止するためです。
(一般的なリペアでは全てのフレットを打ったあとにヤスリでならす)
フレットの「カット」はもっと肉厚の頑丈で切断能力の高いツールを使うべきですが、タングのギリギリでカットするにはこの写真のように溝の無いフレット専用でないとムリです。
このテの刃物は切ろうとしてよじるのが一番よくないです。仮に刃が傷んだらヤスリで成型して焼入れしなおせば補修も可能ではありますが。
(#巣ごもりって↑書きなさいよ)
時間とやる気のある方は ... 自作するもよし。
市販のエンドニッパを入手します。大型のものよりも全長12cm程度の小型のものが使いやすいと思います。
ベースになる製品はしっかりしたものを選びましょう。
鶴田が選んだ元製品はコチラ。新潟県燕市 MADE IN JAPAN ツノダとツルダは似ている。
● ツノダ(TSUNODA)King TTC エンドニッパー(喰切) No.9 115mm EN-115
素材:機械構造用炭素鋼 (株)神戸製鋼所材
焼入れ:無酸化全体焼入 42〜50HRC 刃部 高周波焼入れ 58〜64HRC
柄被覆:塩化ビニール
https://www.tsunoda-japan.com
ノーマル状態では刃が厚くかみ合わせが溝になっているのでフレットをくわえることができません。
世間ではギターのフレットを抜くためのニッパと書いて売られているにもかかわらず使えないものが多く、ここがポイントです。インチキ中国製品に騙されないようにしましょう。
刃先の加工・成形・研磨を行って仕上げます。グラインダー等を使っておおまかに削り、あとは棒ヤスリで仕上げます。
削り過ぎると刃を閉じても両脇に隙間ができてしまいますが、多少ならフレットを抜くという用途には問題ありません。
仕上げの形状は以下の写真を参考にドゾ。
切断にも使いたいという場合は自分で焼入れをやりなおすのも良いでしょう。
掲載:2021年2月1日
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