● キルシュナー社の各種弦について ●
(C) 2007,2008,2011,2018,2020 Makoto
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※ 以下は2007年から2018年のあいだに私が書いた記事と写真です。
(まだキルシュナー社のサイトには弦の写真も無く最低限の表記のみであった時代)
2018年9月にようやくキルシュナー社のサイトはリニューアルされ、
種類別の説明も詳しくなり写真も掲載されるようになりました。
※ 2018年秋以降は定期的な弦の共同購入は中止しました。
以降は臨時募集をやるかもしれません(TOPページでアナウンスします)
【キルシュナー社の製品の種類や価格について】
● 具体的な弦の種類や価格の例なのだ
● キルシュナー社の弦の価格一覧表
2019年1月現在の弦の価格表がキルシュナー社のサイトに掲載されています。 [記事追加:2020年6月17日 ]
但し、以前のようにPDFではなく画像なので検索はできません。
https://www.kuerschner-saiten.de/preislisten-price-lists/
弦の価格はゲージ(太さ)や種類によって様々です。例えば19世紀ギターの2弦用に直径0.68mm 長さ90cm のプレーンガット(羊腸)弦を使う場合は(D1068)5.37EUROとなり897円になります。ワニスコートするなら+1.07EUROで(DL1068)7.38EUROとなり1232円です。たった1本でそんなに高いの? はい、そうです。基本的にガット(羊腸)弦は特注品の手作りだと思ってください。LSなどは特注品の王様で1本6000円ぐらいです。でも昔よりかなり安いです、品質も格段に向上してます。量産釣糸をパッケージした市販のナイロンセット弦と一緒にしてはいけません。レーザーで選別しようが著名人がPRしようが量産釣糸はあくまで量産釣糸です。
※
以下の記事は2007年7月当時のレートにて1ユーロ167円で計算しています。
※ 備考1:2008年9月、レートは1ユーロ151円になりました! おまけに最近の原油高等で弦の価格も値上がりしました。
※ 備考2:2008年10月27日、レートは1ユーロ114円になりました! ひゃ〜!! 弦を買うなら今だ!?
※ 備考3:2010年5月21日、ギリシャの経済危機でレートは1ユーロ112円になりました! ひゃ〜!! ひゃ〜!!
※ 備考4:2012年2月 ギリシャやスペインの財政悪化により1ユーロ100円に! 2012年10月 1ユーロ104円程度に回復。
※ 備考5:2013年5月 自民党に政権が戻ってアベノミクス効果?で1ユーロ130円に復活! ひゃ〜〜!
※ 備考6:2016年11月6日、レートは1ユーロ114円で落ち着いています。
※ 備考7:2017年9月3日、ここしばらく1ユーロ130円程度です。
【例】19世紀ギター:Raffaele & B.G.Fabricatore 1813 Copy Model
弦長666mm A=440Hz トータル約28.2kg 平均約4.7kg
1弦(e1):キルシュナー社 ガット(羊腸)弦 ワニスコート
DL1048 0.48 mm 4.5kg 5.55 EURO(927円)
2弦(h):キルシュナー社 ガット(羊腸)弦 ワニスコート
DL1068 0.68mm 5.1kg 7.38 EURO(1232円)
3弦(g):キルシュナー社 ガット(羊腸)弦 プレーン
D1085 0.85mm 5.0kg 6.31 EURO(1054円)
4弦(d):キルシュナー社 ガット(羊腸)弦 ルクスライン LK
5104 4.2kg 弱め 26.58 EURO(4439円)
5弦(A):キルシュナー社 VN 5150 4.9kg 5.31 EURO(887円)
6弦(E):キルシュナー社 VNG 5190 4.5kg 5.31 EURO(887円)
弦代の合計:9426円
キルシュナー社の梱包費とドイツから日本までの配送料:11.60EURO(1937円)→注文人数2名の場合1937円/2=968円
CRANE手数料:1300円(日本国内送料込み)
・支払い総額 = 9426円 + 1300円 + 968円 = 11694円 となります。
※ 上記の例で4弦を一般的なVNに選びなおせば 5874円になります。特殊な弦の有無によって値段もかなり変わってきます。
● フレット用ガット(羊腸)
フレットガットは以前までは2.6mぐらいの長いものでしたから、楽器によっては弦用に3本とれたのです。
しかし2014年頃?から 1.3m x 2本 のようになっています。手元のフレットガットを調べたところ、細いフレットガットは 1.4m x 2本、太いフレットガットは 1.2m x 2本というように太いほど短い傾向があるようです。
リュート、ガンバ、アーリーマンドリン、アーリーギター各種に使います。金属や骨や象牙などの板フレットではなく羊腸をネックに巻いて縛るというフレットです。キルシュナー社では以下のゲージ(直径mm)が用意されています。長さは2.5mが注文の1単位です。以下にフレットガットの直径の例を示します。
単位[mm]
0.50 0.55 0.60 0.65 0.70 0.75 0.80 0.85 0.90 0.95 1.00 1.10 1.20 1.30 1.40 1.50
● キルシュナー社の製品について(オフィシャルサイト)
(https://www.kuerschner-saiten.de/より)
【弦の種類】
D:一般的な羊腸弦。DをニスでコートしたのがDLなのだ。DLは耐久性も高く力強い鳴り、ワタクシ、自信をもってお薦めしまする。
FD:強く縒った羊腸弦。比重がやや大きい。音色や音量は好みが分かれるところ。
CD:いわゆるキャットラインといって羊腸を編んだもの。マニア弦の代名詞的な弦で楽器や音域を選ぶ。
LK、LS:ルクスラインといって羊腸と金属線を縒ったもの。金属線が粗に巻いてあるのでオープンワウンドの類。超クロウト向け。いいぞ〜! でも、高いぞ〜!
VD、VDG、VDB、VDC、VDK、VDVG、VDVD、VDD、VDA:羊腸を芯にいろんなものを巻いてある弦。ややこしくて詳細はよくわからん。[V]
とは密に巻いた巻弦を意味するようです。
VDT、VDM、SDG、SDB、SDC、SDD、SDA、SDT:これも詳細は不明。いずれ1つづつ試してみる予定。
VKD:注文するとVDが届く。つまりVDと同じかな?
メッキではなくソリッドの胴巻きはKDとなります。
KDL
:コートしてあるガットの芯にシルクを巻き、その上に細い銅巻弦(約0.1mm)を巻いてあります。これも構造上ループエンドとなります。VDよりもやや明るい音がします。
ADR:ハーディ・ガーディのための弦
NR:ナイロン弦。つまり釣り糸と同じだけどキルシュナーのナイロンは結構いいよ。
PVF:フロロカーボン。つまりシーガーだな。これは釣具店に直行したほうがいいかも。
PE:いわゆるナイルガット。つまりナイロンだけど比重をガット(羊腸)弦と同じに作ってある。個人的にはお薦めしない。
VN、VNG:ナイロン芯の巻弦。重く、力強い音色だが楽器を選ぶ。VNを注文するとVNGが届いたりする。実際ほとんど同じ。VNGのほうがやや明るい音色。
KN:ナイロンの芯に銅線を巻いてある。鳴らない弦と思われがちだが倍音がほとんど無いので楽器や曲によっては歌いやすい。
VS:シルク絹芯の巻弦。VNが合わないと思ったらVSを試してみるべし。ゲージによっては切れやすい傾向有り。VSとKSは2010年に製造中止になりました。
VNI、VNO、KNI:ハープのための弦
VSI、ハープのための鉄鋼巻弦
BD:バンド・ダーム、つまりフレットガットのこと。
※ 備考1:カスタムメイドの弦も作るとのこと。[L]
が付く種類はコートされていることを示します。
※ 備考2:巻弦では表面を研磨することもできます(Polishのオプション)。
● キルシュナー社の弦の素材と構造と音について
D, DL
Dはプレーンガットで一般的なガット弦。ニス塗りでコーティングしてあるのがDLです。DLは芯のある音色で音量も豊かで、他社と比べて耐久性もとてもヨロシイ。CRANEオススメ! 製品のゲージは0.36mm〜1.1mmまで。
キルシュナー社の羊腸弦は何が違うって? 他社と異なるのはまず品質と精度。キルシュナー社のガット(羊腸)弦は限りなくクリアに近い色。ピラミッド社やガムートやアクイリアやNRIのガット弦は牛の腸がほとんどで黄色いのですがキルシュナーは乳白色です。白けりゃいいってモンでもないですが、とくにニスコーティングした DL はナイロンかと思うほど均質で透明度も高く耐久性も高いです。コートしてないDより摩耗に強いので鶴田は1コースによく使います。DとDLは音色と耐久性の違い。ワニスでコートすると比重が上がるので音色は変わります。コートする手間賃として値段もちょっと高いです。対してプレーンな羊腸Dを好む人も多く、その音色には根強い人気があります。音色と耐久性で選ぶべし。
FD, FDH
さきのDをより強くねじって作ったのがFD、さらにさらに強く縒ったのがFDH。Florentiner(強い縒り)のDarm(羊腸)ということですな。別名「ハイ・ツイスト」なんて呼ばれています。強く縒ってあるならゴワゴワしてるかって? いや、むしろプレーンなDよりも柔軟性があるのです。ちなみにワニスでコートしたFDLのオーダーも可能らしいです。 主に中音域用で直径0.6mm〜5.2mmですが、あくまで相当直径なので実際には0.6mm〜1.0mmでしょう。
CD
Catline(キャットライン)といって中音域用の弦。CDといってもコンパクト・ディスクではありません。ヴァイオリンの文献によると昔は猫や狼の腸で弦を作っていたとのことです。でもこの製品はニャンコの腸ではありません。港の杭に停泊するために結わえたロープから由縁するとの説もあります。構造的にはロープのように縒ってあるのがCDなのです。ゲージは0.70mm〜6.00mmとなっていますが、現実的にはせいぜい2.0mm程度までかなぁ? より滑らかな表面を求めるならつやが出ているCatlineを供給することも可能とのこと。(表面を滑らか仕上げにするならpolished Catlineと指定:あんまり変わらないと思うけど)。
LK、LS
輝けるクロウト向けのマニア弦、ルクスライン(Luxline)ですな。はっきりいってこんな弦を好んで使う方は世界中でも数える程度です。たぶん鶴田を含めて世界中で10人ぐらいでしょう。ワカル人にしかワカラン。いわゆるオープンワウンドで世間の巻弦とは別世界にあります。弦を知り尽くした人のみが選ぶ弦。旋律を奏でるテオルボやキタローネ、アーチリュートにもメーカーは薦めていますが、実際のところ楽器や音域や張力が微妙に音に影響します。選ぶのが難しい弦でもあります。実際、楽器を極端に選ぶ弦です。私の経験上、ギターやブラギーニャといった楽器ではやや強めの張力の弦を選ぶほうが良い結果が得られます。
合理性とか生産性とか、そういったものは一切無視。完全な受注生産の手作り弦。音色だけを追求すればこうなるワケです。とくに中音域の弦としては異色の存在。巻弦とプレーンガットの中間にありながらゴタクを並べるマニアをねじ伏せるだけの独特の音色があります。LKはガットと銅線を一緒に縒ったもの。対してガットと銀線を縒ったLSは比較的明るい音色(やや倍音が多い)。LKは中音用限定0.82mm〜1.90mm。LSは*160(1.60mm)の太さまで対応。つまりLK5190とかLS5160が最大太さとなります。
LKは長さが180cmまで製造可能なので私はこれを2等分してギター2本分に使っています(お得なのだ)。ところがLSは75cmと115cmしか製造していない究極のマニア弦で、CRANE方式の2等分の技は使えません。参考までに。
VD、VDG、VDB、VDC、VDK、VDVG、VDVD、VDD、VDA
VDT、VDM、SDG、SDB、SDC、SDD、SDA、SDT
ガット芯に銅線または銀線を巻いた弦。メッキしたものもあります。ほかにもいろんなものを巻いてあるらしい。御覧のように種類がやたらたくさんあり、私も全てを試していません。おおむねの性質としては倍音を抑えた地味な渋い鳴りで音量がかなり小さく感じます。中低音用1.04mm〜3.80mmですがせいぜい3.00mmまで。私はVDをたまに使いますが、楽器に合えば張りのある力強い明るい音色が出ます。でも、そこに達するまでが試行錯誤でした。VDとVDLの違いが未だによくわかりません。ついでにガンバでよく使われるVDAとVDTとVDDの写真も掲載しておきますが御覧のとおり外見では区別がつきません。あえていえば羊腸芯に金属線を巻いた構造はどれも同じです。はっきり言ってこれらのややこしい弦を使いこなすには相当の大金が必要になりそうです。基本的に芯が羊腸だと重く暗い音の印象なので好みにもよりますが、個人的にはあまりお薦めしません。でも楽器や音域によっては威力を発揮します。根気強く弦と楽器に付き合わねばなりません。
銅と純銀傷の弦は滑らかな表面に磨くことができます。(polished for a smooth surface.と指定)
VKD
原文を機械翻訳すると:Double傷の腸のストリング。私たちの二重傷の腸のストリングは、非常に低いピッチと非常に短いストリング長の上に素早い反応がある状態で完全な温黒調を与えるように設計されます。 それらは「前-伸ば」されて「前-扱」われた腸のコアに巻き上げされた伝統的な丸いワイヤを使用するのにおいて手作りです。
ワタクシ、VKDを過去に何度か注文したことがありますが、そのたびにVDが届きました(笑)。VDはギター3弦やウクレレの4弦にいいかも。たぶん中低音用でしょう。くれぐれも........ VKDを注文してもVD/VDLが届くことがあります。
KDL
コートしてあるガットの芯にシルクを巻き、その上に細い銅巻弦(約0.1mm)を巻いてあります。写真はKDL5180。VDLと同様にこれも構造上ループエンドとなります。VDよりもやや明るい音がします。KDL5132〜KDL5250を13コースバロックリュートに使ったことがありましたが、良好でした。
ADR
ハーディ・ガーディのための低いオクターブ(シャンテルレ)のための特別な弦。使ったことがないのでよくわかりません。
NR
フツーのナイロン弦。でも、キルシュナー社のナイロン弦はなぜかそこいらの釣り糸よりも音色がよろしいです。単一フラメント構造だとか...。とにかくナイロンなので非常に長持ち! 0.36mm〜1.50mm ハープにも使えますが弓を使う弦楽器用には滑りまくるので適しません。
PVF、IP
フルオロカーボン(Polyvinylidenfluoride:PVF)、または俗にいうフロロカーボンです。ナイロンよりも羊腸よりもさらに比重が大きく、従って金属的な明るい響きに近くなりサスティーンも長めです。ただ、細いゲージでは力強さに欠けることもあります。時として金属的な響きが耳障りに感じることもあるでしょう。リュートなどにもよく使われています。水分を吸収せず温度変化でも変質しにくいといわれており、耐久性が高い弦。中高音域向け。ハープにも使われる弦ですが弓を使う楽器には滑るので適しません。0.33mm〜1.50mm
VN、VNG、KN
ナイロン芯の巻弦です。クローズワウンド。VNとVNGは同じ構造です。
VNはナイロン繊維芯に胴素線巻きで表面を銀メッキしたもの。VNGはより明るい音色です。0.82mm〜2.90mm)
KNはナイロン繊維芯に胴巻き。表面はメッキされていません。かなり地味な鳴りで音量が小さめに聞こえますがVDやVDLよりは倍音を多めに含みます。過剰共鳴しませんが物足りなさも感じるかもしれません。
VNは時としてVNGが代用品として送られてくることがあります。VNで倍音や音量が物足りないと感じたらVNGを試してみるといいでしょう。
VS, KS:製造中止
シルク芯の巻弦です。クローズワウンド。暖かくまろやかな音色です。
VSはシルク繊維芯に胴素線巻きで表面を銀メッキしたもの。VNGよりも明るく暖かい音色。ゲージはほぼVNやVNGに近い。ピラミッド社の巻弦はもとから明るい音で、これはキルシュナー社のVNGかVSに相当します。VSのゲージはおそらくVNなどと同じ0.82mm〜2.90mm程度でしょう。
KSはシルク繊維芯に胴素線巻きで表面を銀メッキしてないもの。VNGより明るく暖かいのですがVSより倍音を抑えた丸い音色になります。VSは明るく音量も倍音も豊か。ただ、VNのナイロン繊維の芯と比べてVSはシルクの質が悪いのか?切れやすい傾向があります。楽器の調整や仕様にもよるでしょうから、その場合はVNGを選択したほうがいいでしょう。
VNI, VNO, KNI, KNO
ハープ用の弦らしいので私は使ったことがありません。どうやらナイロン単線?を芯として、それに銅素線を巻いたものらしいです。金属的な響きを押さえた構造。VNO、VNIとKNIはボールエンド、KNOは一般的な切り落とし端。
VSI, KSI
これもハープ用の弦らしいのですが私は使ったことがありません。すんません。
● キルシュナー社の弦の長さと型番について
キルシュナー社の弦にはすべて製品番号がついています。製品番号には規則性があります。例えば、
VN5220
とあったら、 VN と 5 と 220 とに分解して考えます。つまり、
最初のアルファベット記号は「弦の素材や構造」をあらわします。VNとは上記のナイロン芯に銅を巻いて銀メッキした構造です。
4ケタの数列のうち1ケタめは弦の長さをあらわします。楽器の弦長より長いものを選びます。つまり
5 であれば115cmの弦です。
0は70cm 1は90cm 2は125cm 3は180cm以上 5は115cm 6は150cm
4ケタの数列のうち2ケタ〜4ケタめは弦の太さをあらわします。但し羊腸相当の太さです(金属やナイロンも羊腸に換算されている)。つまり
220 であれば羊腸弦の直径でいうところの 2.20 mm
を意味します。巻弦だろうがナイロンだろうがキルシュナー社ではすべての種類の弦は羊腸に換算してあらわします。基準を統一することで非常に見通しの良い製品番号となります。ちなみにピラミッド社の巻弦は、めちゃくちゃな製品番号がついてます。
一般的なギターの弦長は650mm程度ですが、実際にはヘッド側のナットからペグまでの長さや巻き取りの長さ、ブリッジ側の留めに必要な長さ等を考慮して長めに選ぶほうが無難です(5の115cmとか2の125cm)。リュートもまた同様。
注意:長さの指定は弦の種類によっては選べないことがあります、例えば1(90cm)を注文しても2(125cm)や5(115cm)が届くことがよくあります。当然値段も多少は変わります。これはおそらく製造コストの問題などがあって弦の素材ごとに製造できる最長の長さが変わるためでしょう。たとえばVN5165のかわりにVN2165、少し長いだけなので実用上はまったく問題ないです。過去にあれこれ注文した経験でいえば多くの場合は2(125cm)が届くことが多いです。
注意2:上の解説でも述べたように弦の素材や構造の種類によっては製造可能な太さの範囲も異なります。これはキルシュナー社の弦計算尺にも記してあるのですが、現実には注文してみて、届いたなかにその指定の弦が入っていない、または近いゲージが入っていた。ということになります。発注時にキルシュナー社から「そりは作れまへん」と連絡が来ればいいのですが、めったにそれはありません。多くの欧米のお店は日本人みたいにこまめにやりとりしません。FAXで注文しても「御注文をうけたまわりました」という連絡すら来ません。後日、弦が届いたら受注されていた証拠です(笑)。
● キルシュナー社の弦の太さについて
キルシュナー社のサイトやカタログPDFを参考にするのもいいのですが、弦計算尺に印刷されているものは作れると思ってよいでしょう。
以下の画像は太さの種類を数値で示してあります(印刷用はここです)。
実際の注文では上記にも例があるとおり、弦の素材等の種類や長さとともに、この太さで指定することになります。
たとえば、弦長650mm のギターにプレーンな羊腸で0.64mmの太さを使いたいのであれば D2064 または D5064 となります。コーティングしたものを希望するなら DL2064 または DL5064 です。
たとえばプレーンな羊腸 D は太さ0.36mm が限界の細さであり、最も太いもので2.70mmまで製造できます。ちなみにDをコーティングしたDLもDとほぼ同じです。
FD(及びFDH)の場合は最小0.60mmから最大5.20mmまで製造可能です。但し、FD(及びFDH)は強く縒って重く作ってあるのですから、実際に届いた弦はノギスやマイクロメーターで測ると細めの直径です。
巻弦のVN(及びVNG)は0.82mmが最小直径であり、最大2.90mmまで製造しています。もちろん、これも構造上、重く作ってある弦なので実際の直径は測ると細めです。
まぁ、ウチで輸入代行するからには、注文にあたってワカランことは質問してください。 可能な範囲で対応します。
● 弦の素材と太さの違い一覧表
Fluorocarbon(PVF)と羊腸(Darm)とナイロン(Nylon)の比重の違いを太さで比較した表です。
ナイロンの弦をガットやフロロカーボンに入れ換えて貼りたい場合に参考になるでしょう。同じような表をクレーンホームページでも幾度か掲載してきましたが、これはキルシュナー社が掲載している例です。(2020年6月17日 記事追加)
● キルシュナー社のサイト内検索
例えば Fluorcarbon という弦について知りたい場合は、Googleの検索窓に以下のようにタイプして検索します。(2020年6月17日 記事追加)
Fluorcarbon site:www.kuerschner-saiten.de
記事:最初の公開 2007年7月 最近の更新 2020年6月17日
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