ギターの起源は遠くエジプト文明・メソポタミア文明にまでさかのぼるといわれており、それらの出土品や壁画のなかに現れます。
アラジャ・ヒュユク遺跡にみられるように紀元前1400年頃にはすでにくびれた「串状ボディのリュート?」なるものが存在し、それがスペインやフランス、イタリアなどを中心として進化していったのではないかという説があるようです。南ヨーロッパでは15世紀中頃から18世紀にかけて複弦の楽器としてリュート族、ビウエラ族(ビオラあるいはダ・ガンバ)の楽器が宮廷音楽とともに栄えましたが17世紀にはリュートは衰退し、イタリアにマンドーラとして姿を残すのみとなりました。一方、スペインにおいてビウエラは後に弦の数が少なく(5本/6本)なり、ラスゲアード(かきならし奏法)を伴うフラメンコなどで広く親しまれるようになります。
ルネサンス期にはすでに現在のギターの原型は存在し、現在ではそれらの時代のギターをルネサンスギターと呼んでいます。当初4コースまたは5コースだったギターは18〜19世紀にかけて単弦化されてからというものドイツやフランスでもリュートと比較してギターは調弦と演奏が容易だったために、広く人気を得たようです。リュートは大型化しましたがそれ以前から存在したコースの少ない楽器であるシターンが普及し、シターンはやがてイングリッシュギターへと変遷します。
また、現在と比較して小振りなギターが19世紀にはシューベルトの時代にも多くの作曲家や演奏家が活躍しました(1800年代にはシュタウファーやフランソワ・ルネ・ラコートやルイス・パノルモシェルターといった銘工が研究を重ね、優れた作品を製作しました)。現在のような大きさと構造をもつギターはスペインのアントニオ・デ・トーレスによって19世紀末に確立され、後にドイツのヘルマン・ハウザーやスペインのホセ・ラミレスなどによって改良され、イグナシオ・フレタ、フランスのロベール・ブーシェらによって個性的な楽器が生まれるようになりました。 (一部資料提供:浜松市楽器博物館)
各部の名称としくみ
製作家や国によっていくつかの特徴がありますが。ガットギターを指して、いわゆるクラシックギターと呼んで広く親しまれていますね。他には金属弦のフォークギターだとかエレキギターとか......。
フラメンコギター
ギターの構造と特徴.3
ギターは「リズム」、「メロディ」、「ハーモニー」といった音楽の3要素を1本で実現できます。そのため独奏楽器として好まれていますが、じつは演奏形態も様々で、ソロ、デュオ(2重奏)、トリオ、カルテット、.......合奏などにも広く使われます。他楽器とのアンサンブルもフルート、ヴォーカル、ハーモニカ、カスタネット、ピアノ、ヴァイオリン、マンドリン、尺八、和太鼓、室内楽、オーケストラまで多彩(よ〜するになんでもアリ)です。
アンサンブル(複数の楽器のあわせモノ)というとどうしても仲間がいないと難しいのですが、最近は「マルチトラックレコーダ」という便利な録音装置がありまして、これを使うと一人で2重奏とか4重奏とかができてしまいます、例えば以下の2重奏の例をお聴きください。
● 2重奏 [ QuickTime形式 .mov 334KB ]
● 2重奏 [ AU形式 .au 363KB ]
私(鶴田)が2人分を演奏して重ね録りしたものです。
組曲「惑星」よりジュピターのテーマA
作曲:G.ホルスト/編曲:演奏 鶴田×2