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 4. リブ組み:側面板

 

リブ(帯状の黒檀薄板)を組んでボディを構成していく作業にとりかかります。タイトボンドがウレタンボディとリブを接着してしまうのを防ぐためにまずはモールドの表面に保護テープを貼ります。このへんが工夫のしどころです。より良い仕事をするために治具を工夫したり、まえもってトラブルを予測して対策を施す....私の場合はそういったことに時間をかけすぎてしまって作業全体がなかなかはかどらないのであります....そういう意味でのスローハンドはいまだに脱していません....。

 

 

ベンディングアイロンでスペーサを曲げます。アイロンに針金と金属バンドのハチマキを巻いておけば作業がしやすいです。

 

 

 

スペーサ用に準備したメイプルの板はもともとチェロの側面板に使う長い材でしたのでご覧のようにけっこう余分な長さとなります。あとでボディに接着しますが、余った長さの細棒材は捨てずにヘッドの装飾やテールの装飾などに使います。

 

まずは幅の広い1組のリブから接着します。私はここではニカワではなくタイトボンドを使います。作業台に厚い合板を敷いて平面を出しておきます。上下のブロックがウレタンモールドにピッタンコですから作業もしやすいです。このように長いクランプがあれば非常に便利です、こうやって乾かしているあいだに他のリブを準備します。

 

 

次はセンターのリブの接着です。リブの配置はセンターにこのように1本を貼ってその両脇に並べる配置と、最初から2枚をセンターに並べて両脇に広げていく並べ方とがあります。つまり裏板のリブの枚数が奇数になるか偶数になるかという違いです。G.A.Lの図面では後者ですが私は今回は前者の配置で製作しました。

 

 

黒檀のリブに続いてメイプルのスーペーサを接着します。タイトボンドは手芸用の小筆を使って手早く塗布します。

 

 

引き続き、このスペーサを挟むようにしてリブの2枚目(2組目)を接着していきます。クランプをかけられないので写真のようにピンで固定します。モールドのレジンがあまりにも粗な媒体ですとピンを刺しても抜けやすいため、モールドの表面を樹脂塗装しておいたのです(なんて賢いんだろ、ワシって....)。

 

 

はい、次はリブの3枚目です。あとは同様に作業を繰り返します。根気がいりますが決して焦ってはいけません、仕事が雑になっては意味がないのであります。モールドは正確に作成したつもりでもリブを組んでいくうちに完全対象を保てなくなってきます、わずかなリブの幅の違いが積み重なり、徐々にゆがみが大きくなるおそれがあります。スペーサとの接着具合などをチェックしながらの作業です。

 

 

ボディ中央部がふくらみをもつため側面のリブが高く積層されてくるとリブの端をカットしながら曲げて接着していかねばなりません。モールドが無ければ決して正確に行えない作業です。私なんかモールドがあっても狂いが出ちゃいます......。

 

 

ノミを使ってリブのふちを削り、ラウンドのカーブに沿うように整えているところです。これもモールドが重要な目安になります。思ったより複雑なラインを持つことに気付くでしょう。これもまた左右が対称にラウンドしているかをチェックしながらの作業です。

 

 

はい、側面はこんなカンジでしょうね。シマシマがケーキみたいでおいしそうです.......。

 

両側のメイプルのスペーサのとぎれている位置で左右対象性を容易にチェックできます。

 

上から見ればわかりますかな? ウム、悪くない............と思ふ。

 

 

 

裏板にとりかかる前にノミと180番〜240番ぐらいのサンドペーパーで側面板のエッジの角度を決めていきます。これをいいかげんにやるとピッタリ裏板が側面に閉じなくなってしまいます。地味な作業ですが仕上がりに影響するので慎重に行いましょう.....Zzzzzz...........。

 

まだまだ先は長い。ここからが難しいのです..............。

 

さて次は問題の裏板の組みあげ作業です。

 

 

 

 


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