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■ 16. 表面板とボディの接着
すでに意識もうろうとして製作記事の終盤を書いているわけですが、ここでようやく表面板とボディを合体します。ウエスト部分はどうしても若干の広がりが起こるので次の写真のように大きなクランパで正確な幅になるように固定しておきます。なにせ裏板がラウンドしているので一般のクランパではうまく固定しづらく、以前自作したクランパを使います。これ、とてもしっかりクランプできるのでクランプする箇所は少なくてもピッタリ接着できてしまいます。サウンドホールにはマスキングしておいたほうがよいでしょう(じつはこの写真は接着が完了したあとに撮影したのだ)。
接着剤が完全に乾くのを待って(丸一日)、その後ノミを使いボディシェイプに沿って表面板を成形します。
はい、ちゃんとボディにピッタリフィットしたかな?
ここまでの作業において裏側を御覧にいれましょう。え? コメントが心なしか少なくなってきたんじゃないかって? ちょっと疲れが出てきましたよ。このところ風邪と花粉症を併発している私です.....。
バロックギターのビンディングはリュートのようにハーフが一般的なようですが、今回はシンプルな仕様なので比較的作業はらくです。ビンディングカッター(工具コーナー参照)でエッジを表面板から厚さ半分だけカットします。ビンディングカッターがなくてもデザインナイフがれば大丈夫。間違ってもザックリ切り込んでリブに達しないように用心...。
そのあと180番のサンディングペーパーでならします。ボディが細長くて弧もけっこうな長さなので根気のいる行程です。仕上がりの美観に大きく影響するので丁寧にやります。
リブで使った黒檀帯板を細くカットしてビンディング材を作っておき、さきのエッジ部分に接着します。完全に乾いたらノミを使って表面板にフェースが揃うようにレベルを合わせます。前のエッジを切る作業をいい加減にやっておくと、この段階でスキマを生じるので注意が必要です。
フラッシュボードのビンディングの作業の様子です。継ぎ目のカットの角度やビンディングの幅が揃うようにします。
表面板と指板の接合部分です。シャープに削除します、ソニーやパナソニックではありません。
指板は大きな黒檀板から所要のサイズで切り出します。ナット側からボディジョイント部にかけてわずかにテーパをつけます。
指板を接着する前のビンディング加工工程です。継ぎ目の部分はとくに入念に切りますが、木材用糸鋸では切断面がキタナクなるので私はこういった箇所の作業はジュエリーソウを使うことにしています。これは効果的ですので皆さんもお試しあれ。
ヘッドをニカワで接着して.........ホラ! どこから見てもバロックギター!
さあ、完成は近い象!