弦楽器製作工具のコーナー

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ノコギリのなかま


 名称:卓上糸のこ盤
 メーカー又は販売店:リョービ社製/Jマート三鷹店
 型番:TF-45
 記事:テーブル角度可変機能付き。替え刃アダプタ付属。
 価格(参考程度に):22800円

 説明

もし、製作家を目指すわけでなく、楽器を1〜2台経験的に楽器を作りたいだけなら、これは必要ありません、手ノコで充分です。

じつは、私はバンドソーを買うべきか糸のこ盤にするべきかかなり迷いました。とにかく切断する作業は木工においてじつに頻繁に行いますから。で、結論からいいますと糸のこ盤にしたのは正解でした。というのもほとんど全ての材料のカットや加工がこれ1台で済んでしまうからです。バンドソーを私は持っていません。

カールしたヘッドを持つ楽器(例えばマンドリンやヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ルネッサンスギター類)で湾曲した部分の加工さえ可能です。とにかく私の場合はノミと小槌(こづち)でカンカンたたいて作業すると音が大きく世間迷惑なのでたいていは私はこの糸のこ盤に頼っているのです。使ってみて納得の価格。RYOBIなのでブラシ交換についても入手しやすいです。

 

【電動糸のこ盤選びの基礎知識】

・フトコロの長さが身上!

・切断可能な厚さも注目(たいてい5cm程度)

・切れ味を最終的に決定するのは替え刃の適切な選択と張りの強さ。

・テーブルが傾斜できるものとできないものとがある。

・アームの上下運動でポンプを動かし、切り粉を吹き飛ばす機構の有無。

・材料を押さえておく機構(治具)の使い勝手。

・できればワンタッチで刃の交換ができるもの。

 

取り扱い説明書によると「張りの強さは適度に」と書いてありますが、鶴田は細目の刃を選び、ビンビンに強く張ります。そうすることでメイプルの5.5cm厚の板を自在に切り抜くことができています(以下の写真)。但し、この場合は0.5mm/秒というじつにゆっくりした速度で送りを行います。

 

ちなみに替え刃は「ピンが刃の両端に付いている専用のもの」を選びましょう。替え刃には他にピンの無いタイプがあって両端にクリップするためのアダプタを使うのですが、その場合は刃の長さを揃えるためにペンチで切り、アダプタに挟むという手間がかかり、なおかつ動作中にゆがみが生じるのでイイコトはひとつもありません。

それから、テーブル角度についてですが、傾斜できるものを私は使っていますが、楽器の種類や工法にもよりますので、この機能はお好みということで検討すればいいでしょう。ある程度のクラスの機器にはこの傾斜機能は付いているのが普通ですけど....。

あと、薄い板は切断中に板が跳ねるのでガイド(押さえ治具)が付属しているものがいいでしょう。もちろんクレーン推奨品★★★★★

 

 

【替え刃の交換】

はじめにゆるく装着して数回上下にアームを振り、ガタのないことを確認してから本格的に強く張ります。張りが弱いと弓状に刃がゆがみ、場合によっては刃が折れます。

 

【参考】

私はなぜか?過去に仕事で電気機器や無線、機械工学関連の製作経験があるのですが、モーターを使った機器でパワーの低いトルクの薄いものは価格こそ安いものの、たいてい使いものにならず買い換えを招くというふうに理解しています。ですから私はオーバーパワー気味の機器を選択する習慣がついています。ちなみにモーターを使う機器は長期にわたって使用する場合、ブラシ交換が必要ですので交換ブラシの入手しやすいメーカーのほうがいいかもしれません。

 

【参考】

・糸のこ盤でまっすぐに材料を切断するには定規をクランプでノコテーブルに固定してガイドとして使えばうまくいきます。

・材料の「送り」はゆっくりが鉄則。

 

 

 

【参考】

刃の交換がワンタッチでできる機種もあります。(そのほうがいいかも)

 

 


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