弦楽器製作工具のコーナー

(C) 1999 Makoto Tsuruta / CRANE Home Page / SINCE 1995


木工旋盤


 名称:木工旋盤
 メーカー又は販売店:REXON/東急ハンズ新宿店
 型番:WL-6V
 記事:100V、250W、500rpm〜2500rpm、最大457mm、22kg これでも小型らしい。
 価格(参考程度に):56000円

 説明

リュートやバロックギターの木ペグ製作に使う木工旋盤です。私の持っている工具・装置のなかでいちばん高価かもしれません、購入には勇気がいります。なにしろ使い勝手が悪かったらショックが大きいですから.......事前に何回かお店をまわって下調べをし、ここぞというお店でボーナスが出た日にビールでもひっかけて「こちとら江戸っ子でぃっ! これくんなっ!」と勢い良く臨むといいかもしれません。

この製品を使ってみてどうかといいますといくつかの長所と短所に気付きましたので以下のとおり...みなさんの参考にしてください。

【長所】

・圧倒的なパワーとトルクが頼もしい(頼もしすぎるぐらいです)。伊達にデカくないのだ。

・全体的に安定して作業できる。

・回転数が微妙に調整できる。

 

【短所】

・モーター側の「センター受け治具」の中心部が + でないので材料の再装着と加工には不利。

・でっかくて邪魔.........。

 

 

【参考】

・付属の刃物はちゃんと研いでから使いましょう...。

・刃物がちゃんと研いでないと切削時の音が大きく、引っかかったり汚く削られてしまいます。

・適切な回転数は材料の種類や断面形状などによって異なるのであれこれ試しましょう。

・モーターのブラシは消耗品ですから入手しやすいメーカーを選びましょう。

・小さいミニチュア旋盤も様々なメーカーから販売されていますがたいていはトルクが低いので加工中に止まってしまうことがあります。

・ブレーカーかヒューズが付いていること(特に小型のモーターの場合)。

・回転数は私の場合は900rpm〜1500rpmぐらいを頻繁に使います、2000rpmを超えることはほとんどありません。

 

 

【木工旋盤ちょ〜入門】

参考までに回転数とバイトの角度について案内しておきます。あくまで目安です。木材は広葉樹の硬い木目のつまったものが最適です。私はメイプルや黒檀でも作りますがツゲなどは最高に気持ちよく作業できます。まるでかんぴょうをむいているように滑らかに音もシュルシュルとココチ良いのです...。

(1)まずペグとなる木片を角材として準備します。面取りをしてセンターを出します、鉛筆で対角線を引いてやるだけです。

(2)それの4スミをあらかじめカンナでおとし、8角形にしておきます。私はさらに角を落としてまるっこくしますが4角形をいきなり削りはじめる人もいます。

(3)木片の片方にノコ目を×に入れます。これを旋盤にセットします。

(4)あとは800〜1000rpmぐらいで丸刀によって丸く削り、あとは各種のバイトで成形していきます。慣れないとひっかけてはじけたりしますので最初はあれこれ練習したほうがいいでしょう。

 

注意:作業中は保護メガネをかけましょう。

 

【作例】

私の作業途中の写真をご紹介します。ペグだけでなく、エンドピンやブリッジピン、各種装飾用のパーツ作りに役立ちます。

 


■■■ 弦楽器製作工具の目次に戻る

 


 SINCE1995 CRANE Home Page / Makoto Tsuruta  


 Back To CRANE Index Page