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● 私も今でこそコ〜ボ〜と呼べる楽器製作専用の部屋を確保できているものの、つい近年までは恐ろしく狭い食卓で楽器を作らざる得なかったわけですから、転居してからというもの、作業面積といい、材料保管環境といい、激的な進化であります。
ところが人間とは懲りないもので、広くなればそれなりにムダな部屋の使い方をしちゃうものです。木材や図面はそのへんに山積みになり、書籍も地層のカットモデルのごとく無造作に積み上げられ、修理中の楽器も置き場所に困ったり、工作機械の配置が悪くてどうも使い勝手が良くなかったり.........。ふだん仕事で忙しいのでなかなか部屋の整理ができずにいたのですが今年こそ整理して快適工房をめざそうと、思い切って棚とキャビネットを調達することにしました。
まずは整理棚ですが、すでに組み立てられているラックや書棚をひととおおり見て回ったのですがどうしても気に入ったものがなくて、あっても驚くほど高価だったりするわけです。少なくとも家具屋さんにある安価な棚では使い勝手といい耐久性の点でもナットクいくものは少ないです......。そこで木材などを扱うD.I.Yのお店で材料から組み立てることにしました。探しているうちに...........あります、あります、まさしく「鶴田はん、これで作りなはれ」といわんばかりの手頃な材料! やはり棚を作る人は多いらしく、棚ほぞを切ってある支柱材や各種棚板が豊富です。次の写真にあるように今回はパイン材の支柱と同じくパイン材の集成材による棚板で製作することにしました。支柱の高さで棚の高さが決まりますが80cmぐらいの高さのものから1.8mぐらいのものまでけっこう品揃えが豊か.....。1本が800円ぐらいかな? 棚板は1枚あたり1200円もしますが、これを7枚使いました。木ネジで底板と天板及び中央の棚をタイトボンドと併用して接着・固定します。あとの4枚の棚板は高さを変えられるというワケです。
このでっかい棚を2つ作ったのですが、収納しているといかに自分が余計な物を集めているかが良くわかります(笑)。どうしてこんなもの早く捨てないのかな?........そんなことありませんか皆さん?
で、結局このでっかい棚をひとつ完成させるのに約1万円の費用と1時間の組立時間を要しました。2つで約2万円ですね。ガッチリできているのでよっぽど重いものを押し込まないかぎり地震がきても壊れることはないでしょう(倒れることはあるかもしれませんが)。いちおう2つの棚は部屋のコーナーにL字型に配置したうえ、ワイヤーでつなぎ止めてあるので、多少の揺れでは倒れないようにしてあります。地震の多い日本では気をつけなければいけませんね........。おかげでかなり片付いてきた象!
● はい、そして工具キャビネット兼作業台にもなるスグレモノを紹介しましょう。
CUNTRY FARM (カントリーファーム)というブランド?で、北イタリアのヴェローナ地方にある田舎の工場で作られたものです。この家具はJマートというホームセンターで購入しました。他のお店や家具店ではみかけないので、おそらくこの「Jマート」がイタリアのメーカーと提携して輸入・販売しているものと思われます。このJリーグ、いや、Jビーフみたいな名前のJマートは山梨県、埼玉県、東京都(多摩地域)、長野県(諏訪)にお店がありますが全ての店舗でコレを扱っているかどうかは未確認です。これは某三鷹市のJマートでゲット!
すべて手作りでスプルース材によるムク板の家具です。サイズは幅125cm x 奥行40cm x 高さ85cm という狭い私の工房にはちょうどよいサイズです。他にも各種のサイズや仕様がありますので興味のある方はパンフレットを取り寄せてみるといいでしょう。田舎風の家具とあって節も多く、虫食いのホール仕上げがあり、いかにも「オラぁ〜〜田舎モンだべぇ〜〜」という雰囲気がプンプンします。4つの引出しは底板もすべてムク板で私はここに工具や塗料などを収納しています。左右の扉を開けると1つの棚がついていて弦やルーターを格納しています。この扉にはカギこそ備わっていますが閉じたときにマグネットもノッチも付いていないので開け閉め自由というか閉じたときにカチッという音がしません(こういったテキト〜なところが鶴田のお気に入りなのだ)。側面や裏板は量産家具にありがちなペラペラの薄いパーチクルボード(チップボード)ではなく、分厚いスプルースのムク板ですから大事に使えば一生モンです。この先ず〜〜〜っと(私が死んだその後も)使われ続けるでしょう。決して高級品ではなくむしろ現地でふんだんに採れる木材から厳選することなくフツ〜〜の材で安価に作った質実剛健的田舎の素朴なキャビネットなのです。私がいちばん気に入っているのは収納に優れている点とオーソドックスでありながら飽きのこないデザイン(とくに脚の部分のカットの形状)そして全体的にガッチリ丈夫にできている点です。
【私的素敵PAY】
え〜〜と価格はいくらだったっけ?......ゴソゴソ(と、パンフレットを探し出す).....ART76という型番がついていまして、68000円ですね(2000年12月現在)。税金と送料を混みで72000円ぐらいでした。ちょっとフンパツしたけど学生の頃にベニヤ板のカラーボックスしか使ったことが無かった私にとっては、今回のこのキャビネットは悲願の「ちょ〜〜〜お気に入り」のアイテムです。嗚呼! 私的素敵無駄遣い!?