■ ルネサンスギター(Renaissance guitar) のガット(羊腸)弦選びの例
● 4コース ルネサンスギター 弦長558m A=415Hz
オクターブで張るコースは楽器を演奏姿勢で抱えたとき太い弦が下です。
(1) a1 シングル 0.40mm 3.5kg
(2) e1/e1 ユニゾン 0.42mm 2.2kg / 0.42mm 2.2kg
(3) c/c1 オクターブ 0.94mm 1.7kg / 0.46mm 1.6kg
(4) G/g オクターブ 1.28mm 1.8kg / 0.64mm 1.8kg → オープンワウンド(キルシュナー社ではルクスライン) LK 5128 または LS 5128
今までルネサンスギターは現存しないと言われてきたために多くの場合、弦長は560mm程度で製作されているようですが、1弦を a1 で張るにはかなり細くなるため切れやすく、ガット(羊腸)選びは難しいです。そこで少し低い1コースを g1 で計算した例も挙げておきます。
● 4コース ルネサンスギター 弦長558m A=415Hz
(1) g1 シングル 0.44mm DL 1044 3.5kg
(2) d1/d1 ユニゾン 0.46mm 2.1kg / 0.46mm DL 1046 2.1kg
(3) A#/a# オクターブ 1.08mm DL 1108 1.8kg / 0.54mm DL 1054 2.0kg
(4) F/f オクターブ 1.45mm LS 5145 1.9kg / 0.73mm DL 1073 1.9kg
ここでのFは → オープンワウンド(キルシュナー社ではルクスライン) LK 5145 または LS 5145
本来、ルネサンスギターの弦長は520mmぐらいではないかという話もあり、基準ピッチも A=466Hz または 440Hzもしくは415Hz だとか。
そこで、520mm A=466Hz でも計算してみました。
● 4コース ルネサンスギター 弦長520m A=466Hz
(1) a1 シングル 0.36mm 3.0kg あるいは 0.38mm 3.4kg
(2) e1/e1 ユニゾン 0.40mm 2.2kg / 0.40mm 2.2kg
(3) c/c1 オクターブ 0.94mm 1.9kg / 0.48mm 1.9kg
(4) G/g オクターブ 1.24mm 1.8kg / 0.62mm 1.8kg → オープンワウンド(キルシュナー社ではルクスライン) LK 5124 または LS 5124
■ オープンワウンドの弦について(キルシュナー社ではルクスライン : Kurschner Luxline )
羊の腸に細い金属線を朝顔が巻き付くように縒った特殊な弦です。銅線を巻いたのが LK です。銀線を巻いたのが LS です。
太い弦を選ばねばならなくなったときにこれなら細くてすむのです。鳴り方も違います。
もちろん手作り弦なので高価です。でも、高いから良い音になるという意味ではありません。楽器との相性もあります。
ルクスラインは計算結果よりも若干強めに張るほうが良い結果が得られます(経験的に)。
そのかわり鶴田の場合はコースで組になるオクターブ弦は張力を少し下げることにしています。
例えば銅単線羊腸縒り LK 5124 は LK5132 を選ぶ。
または銀単線羊腸縒り LS 5124 は LS5132 を選ぶ。
弦長が短いのでキルシュナー社の弦であれば「1」の長さでも足りるでしょう。
【注意】
・巻弦を使わず、すべてプレーンガット(羊腸)で張ることも可能です。但し、ブリッジの弦穴サイズやナットの拡張が必要な場合があります。
・ここではA=415HzとA=466Hzで弦を選んでいます。
・まったく同じ弦長、同じ構造、あるいは同じ製作家の楽器でもセッティング(サドルやナットの状態)でテンションは変わります。
・表記の弦はあくまで参考ですので、実際に自分の楽器に張って弾いてみて、状態をみながら納得いくまで弦を選びなおすことが重要です。
・くれぐれも過大な張力で楽器を壊さないように御注意ください。当方では一切責任を負いません。
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