■ 実際に張ってみよう...マンドリン編
● マンドリンといってもCRANEのことですからフツ〜〜のマンドリンを掲載するわけがありません。ここはマニア向けにミラノマンドリンとマンドリーノに限定した調弦でおマニア様限定コーナーとします、フフフ....。
【マンドリーノの調弦】
・A=440Hz L=310mm 全てユニゾン
・正調の g−b−e'−a'−d''−g'' で調弦する。
・1コースのみ2.7(実際は2.5kg)kg、2コース〜4コース:1.8kg、5コース〜6コース:2.0kg
1コースg2:ガット0.324mm ナイロン0.36mm フロロカーボン0.277mm(2.5号:0.260mm)
2コースd2:ガット0.36mm ナイロン0.40mm フロロカーボン0.308mm(3号:0.285mm)
3コースa1:ガット0.48mm ナイロン0.54mm フロロカーボン0.41mm(6号)
4コースe1:ガット0.64mm ナイロン0.70mm
フロロカーボン0.79mm(12号)
5コースb:ガット0.91mm 巻弦VN5091 ナイロン1.00mm
フロロカーボン0.74mm(20号)
6コースg:ガット1.16mm 巻弦VN5116
【反則リュート調弦しちゃう場合】
・A=440Hz L=310mm 全てユニゾン
・反則 g−c'−f'−a'−d''−g'' での場合。
・1コースのみ2.7(実際は2.5kg)kg、2コース〜4コース:1.8kg、5コース〜6コース:2.0kg
1コースg2:ガット0.324mm ナイロン0.36mm フロロカーボン0.277mm(2.5号:0.260mm)
2コースd2:ガット0.36mm ナイロン0.40mm フロロカーボン0.308mm(3号:0.285mm)
3コースa1:ガット0.48mm ナイロン0.54mm フロロカーボン0.41mm(6号)
4コースf1:ガット0.62mm ナイロン0.68mm
フロロカーボン0.52mm(10号)
5コースc1:ガット0.85mm 巻弦VN5085 ナイロン0.94mm
フロロカーボン0.74mm(20号)
6コースg:ガット1.16mm 巻弦VN5116
【ミラノマンドリンの調弦】
ミラノ型マンドリンについては文字どおりイタリアで6単弦のマンドリンとして親しまれていたものですが以外と歴史は古く、1600年代後半にはすでに存在していたようです。明らかなのは1725年生まれとされるミラノのアントニオ・モンティーノ(Antonio Monzino)が6代にわたって製作していた名門とされ、一説によるとこの人がミラノマンドリンを発明したといわれています。やがて19世紀末期にはカシーノ社(イタリア)が金属弦の複弦楽器として6コース12弦のマンドリンを登場させて以来、OscarSchmidtなどが製作していましたが、単弦のマンドリンも12弦のマンドリンもやがて歴史から姿を消します.......。ちなみに20世紀初頭から登場している12弦マンドリンのなかには3弦を一セットで4コースに張るものも多く見られます。
さて、以下は番外編と呼ばれそうですが、全国2万人(ウソ)の6単弦のミラノマンドリンファンの皆様は、そして希少にもミラノマンドリンをお持ちのみなさん(だれがじゃ?)、はりきってまいりましょう〜〜!
基本的には高音側3本はガット弦、低音側3本は絹糸を鉄線で巻いたもので(g−b−e'−a'−d''−g'') に調弦するのが一般的らしいですが現時点で入手しやすい弦の組み合わせを書いておきます。絹糸を鉄線で巻いた弦も現在ちゃんと販売されています。私がリペアの際に実際に張ってみた感じでは1〜5コースをガットで張るとあまり鳴りません。というよりギラギラとした響きではなくて小気味良い素朴な味わいというべきでしょう。まあ、現代の金属弦でパワフルなマンドリンのイメージと比較するとなおさらです。フロロカーボンだと比較的よく響きますが、ゲージの選択は工夫が必要です。
・A=440Hz L=305mm
・2.0kg平均、1弦のみ2.5kg
・g−b−e'−a'−d''−g'' でマジで調弦するならば
1弦 g2:ガット0.324mm ナイロン0.36mm フロロカーボン0.277mm(3/2.5号)
2弦 d2:ガット0.40/0.36mm ナイロン0.44/0.42mm フロロカーボン0.33mm(4号)
3弦 a1:ガット0.52mm ナイロン0.58mm フロロカーボン0.44mm(7号)
4弦 e1:ガット0.70mm ナイロン0.76mm フロロカーボン0.57/0.62mm(12/14号)
5弦 b:ガット0.94mm 巻弦VN5094 ナイロン1.04mm フロロカーボン0.79mm(22/24号)
6弦 g:ガット1.16mm 巻弦VN5116
・この写真はミラノマンドリンをリペアしたときにAquilaのナイルガットを張ってみようとしているところです。
・あと、遊んでみたい方のために反則ギター調弦(ギターのオクターブ上)は以下の通り。
1弦 e2:ガット0.36mm ナイロン0.42mm フロロカーボン0.33mm(4号/3号)
2弦 b1:ガット0.50mm ナイロン0.54mm フロロカーボン0.41mm/0.44mm(6号/7号)
3弦 g1:ガット0.62mm ナイロン0.68mm フロロカーボン0.52mm(10号)
4弦 d1:ガット0.82mm ナイロン0.88mm フロロカーボン0.70mm(18号)
5弦 a:ガット1.08mm 巻弦VN5108
6弦 e:ガット1.45mm 巻弦VN5145
さあ! これを機会に「日本ミラノマンドリン協会」の設立ぢゃ〜〜〜っ!
堂々宣言! .......え? そういうコーナーじゃないって?
■ 戻る