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 7. ロゼッタ  木目方向を意識するのが鉄則

 

はいはい、そういうわけで今度はローズ、ロゼッタ、ローゼッタ....(活用してもしょうがないですが)の加工行程であります。現代のクラシックギターでは製作家ごとにロゼッタの模様が異なるのが普通です。そのへんの詳しい話は当クレーンホームページのバックナンバーにある「ロゼッタ特集」をご覧ください。すでに模様の施されたロゼッタのワッカは大和マークという会社で販売しており、あなた独自の模様を注文することもできます。これまた当ホームページのリンク集に掲載してありますのでご覧ください。

さて今回の楽器ではロゼッタはどうしましょうか?オリジナルのラコートは次の写真のようにたいてい白黒のバームクーヘンのようなロゼッタですがどうやら素材は木ではなさそうです?......たぶん鯨のヒゲ。

 

じつはさきに書いたように鶴田のクレーン・ラコートでは19フレット仕様ということもありサウンドホール上部は隠れますから比較的作業は楽なのです、フフフフ.....。さて安心したところではじめましょう。

作業といっても丸く切り抜いて細い飾り材(パーフリング材)を埋めるだけです。まずコンパスでロゼッタ用の直径10.2mmと10.8mmの円を描きます。ついでに直径80mmのサウンドホール(あとで切り抜く)の円を描きます。こういった材料はどこまで自作すればいいかは微妙なところですね、既製品に頼ってしまうとズルズルいきそうですが...。

 

 

サークルカッターで切り抜く方法やデザインナイフで切り抜く方法、あるいはルータを使う方法などがあります。手作業では、いずれにせよ木目を常に意識して刃物を動かします。サークルカッターでそのまんまぐるりっ!と力まかせに1回転させると真円には切れずゆがむのが普通です。

 

ロゼッタに限らずこの木目を意識するという鉄則は木工に必ず付随する問題と思ったほうがいいでしょう。刃物の刃が木目につられて「あららっ....」といっちゃうと取り返しがつかなくなったり仕上がりが汚くなっちゃうわけですが、一例としてサウンドホールの場合は以下の図のように切り込む方向をとればいいでしょう。私はサークルカッターよりもデザインナイフを使うことが多いです。刃物の向きを変えることをめんどうくさがってはいけません。いちばんカンタンなのはルータを使うことですけど...。

 

タイトボンドで飾材(ロゼッタ)を埋め込み、それが乾いたらカンナ(または平ノミ)とスクレーパで表面板と同じ高さにならします。表面板との面一作業にはサンドペーパでゴシゴシやる方法もあります。

 

リュートのロゼッタは表面板の厚さが円(ロゼッタ内)の部分で1mm程度なので比較的カットは楽ですがギターの表面板の厚さは2mm以上(製作家によっては3mmぐらい)なのでちょっと根気がいります。卓上ボール盤(ドリル台のことね)にサークルカット用のビットをつけてウィ〜〜〜ンと一気にくり抜くという方法もあります。今回、私はのんびりスローハンドのデザインナイフで切ったりしてます。皆さんは卓上ボール盤かルータをお使いいただくほうがいいでしょう。

 

なんだかんだいいながら切り抜きを終えます。あとは軽くサンディングして切り口部分をなめらかにならしておきましょう。

 

 

さて表面板はこの状態で乾燥させておき、そのあいだに力木(バー)を作ります。

 


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