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 10. ネックの加工   どう接ぐか?

 

ネックについてはいくつかの課題があります。まずネック断面の形状、材料、ヘッドの接ぎ方、そしてボデイとの接ぎ方などです。まず今回はネックを薄くすることもあって、反りを極力防ぐために今回は3ピース構造(これはちょっと歴史的ではありませんが)としてみました。以下のようにラワン角材を接着します。ラワンは非常に入手しやすく堅く軽く加工も楽です。19世紀スタイルならメイプルやマホガニーが候補です。

 

指板の接着面をカンナで平坦にします。

 

そしてヘッドとの接続部ですが三角形の山を持つ形状で行います。そしてヘッドの傾斜は今回は14度として鉛筆でマークします。

 

次はノコでカットします。あとでヘッド側と接着部を正確に合わせることにします。

 

次はヘッド部です。ペグ穴はあとで空けます。こちらもラワン材を使います。

 

今回木ペグにしますのでいくらでもヘッドは軽量化?できます。機械式の糸巻きでないことと極限まで薄くしているので一般的なクラシックギターのヘッド部と比べるとヘッド全体でたぶん1/3ぐらいの重量でしょう。まずはこれを14度にカット。私はガイドを使ってゆっくり切ります。

 

化粧板を貼るためにその接着面をカンナがけして平坦にします。以下の写真のようになんらかのストッパーがあれば作業しやすいです。作業机にストッパーの木片を接着して作業することもあります。両面テープも使いようによっては便利です。

 

ネックの角度をつけるための作業です。ヘッド側とあれこれ組みながら接着面をピッタンコに合わせていきます。まずはネック側の先端部を平ノミで削ります。

 

そして次はヘッド側のV谷の面を合うように平ノミで削ります。ほかに楽で正確な方法があるのかもしれません。うまい方法があれば教えてください、そうすれば鶴田は製作界のスローハンドから脱却できるかもしれません。私は時間をかけてひたすら慎重に合わせます。

(最近はだいぶ慣れてきました:2002年)

 

そしてこれらを接着します。

 

裏から見たところです。ピッタリ合わせるのはちょっと根気がいります。それにしても薄いヘッドの板.....。

 

次は表面の突起部をノミで落として平坦にします。ヘッドに黒檀の化粧板(ヘッドプレート)を貼ります。

 

黒檀の化粧板は今回は厚さが約1.2mm程度です。ヘッドより少し大きめの適当なサイズにカットしておき、ナットに接触する面には角度をつけておきます。この作業はあとからでもかまわないでしょう。

 

黒檀の化粧板をヘッドに接着します。ここもタイトボンドでいいでしょう。

 

そのままクランプすると傷つけてしまうので保護用の板を挟んでおきましょう。

 

黒檀の化粧板は面積が広いことと、この板はやや反っていたためにので強力にクランプしました。このまま1日乾かします。

 

あとはひょうたん型にカットしますので、さきのテンプレートを使って輪郭を書いていきます。

(備考:近年では最初からシェイプをカットしておいて、あとからヘッドとネックを接着することもあります。楽器のタイプや装飾によって作業の順番をかえます。2002年)

 

カットは輪郭よりもやや大きめに。あとできれいに削るのでラフでかまいません。慣れてくると一発で正確にカットできます。

 

ふぅ〜〜〜〜っ、おおおむねギターのヘッドらしくなりました。

 

小刀を使ってネックからヘッドにかけて削ります。今回は極端に薄いヘッドですから完成時には三角突起部には少しの段差を残すことにします。

 

さて、この次の作業はボデイとのジョイント部の加工です.......。

 


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