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 13. ヘッドの成形  ペグ穴加工は慎重に

 

次はヘッドを正確にシェイプに沿って成形し、ペグ用の穴を空ける作業です。まずはサンディングしますが、極端に大きめにカットしてある場合は糸のこで多少の切り直しをしてもいいでしょう、サンディングだけですとかなり時間がかかってしまいます。サンドペーパーは#80〜#180ぐらいを使いました。

 

おっと、ナットの固定溝もこの段階でで作っておきましょう。もし指板が正確に直角に切れていなければノコで切ればいいのですが糸のこよりも普通のノコがいいでしょう。接着してからこのように手直しするのはよくありません、ネックに傷が付きやすく、間違って妙な角度でカットすると指板を剥がしてやりなおさねばならないからです。接着前に正確に指板はカットしておくべきでしょう。接着剤のはみ出したものを小さい工作ノミで削って平坦にならしておきます。

 

細部をちょっとサンディング。

 

テンプレートをもとにペグ穴位置をピンでマークしていきます。最初にアクリル板のテンプレートに穴を空けておけばマーカーでもいいでしょう。私はピンでグイッと押して印をつけました。

 

表面を滑らかにするには#180〜#400ぐらいのサンドペーパで丁寧に作業します。滑らかになると色といいツヤといい人肌のようで、思わずほおずりしちゃいそうになります(笑)。塗装で失敗する理由の一つにはこの段階でいいかげんに作業することです、なめらかにしておきましょう。

 

そしてペグ用の穴の直径を測り、それよりやや小さめの穴を空けます。ドリルビット(ドリルの刃)は必ず木工用を使います金工用はバリが出るので仕上がりが汚くなります。

 

電動の卓上ボール盤や電動ドリルでもいいですが、ヘッドの面に対してペグが垂直(もちろん例外もあります)であるように気をつけながら作業します。私はこの角度を注意しながらハンドビットでゆっくり切り込んでいきます。

 

穴を空けるときの注意としては必ず板の両面から木工ビットで丁寧に空けます(私はいつもそうします)。片方から貫通させようとすると必ずバリが出て汚くなります。もし片方からのみ空ける場合は裏側にあて木をあてておきます。

上面からグリグリとビットをまわして裏にちょっとだけビットの先端が出たらひっくり返して裏側から切っていきます、そうすれば完璧な穴があけられます。電気ドリルだとどうしても「うりゃぁ〜〜〜っ!」と一気に貫通させたくなりますので注意が必要です。私はこれに気付いてからというもの電動の卓上ボール盤はほとんど使っていません。楽器を量産しないかぎりは卓上ボール盤は不要かもしれません。

 

さて、バリも無く美しくペグ穴が空いたでしょうか?

 

次はペグリーマを使って裏から表に刺して削ります。この時代の多くはテーパは1:30程度のようです。このペグリーマはヴァイオリンの製作用品を扱っている国内外のお店で入手できます。あとでペグと合わせますのでおおむねの深さでリーマをかけておけばいいでしょう。注意すべきは全ての穴の大きさを同じにするという点ですが、リーマにテープを貼るなどして刺したリーマの刃の深さで揃えることができます。

 

ネック表面のツキ板と裏をサンディングします。平面のサンディングはちゃんとブロックを使ったほうがいいでしょう。そうしないと塗装後にデコボコになりますので。以下の写真はブロックをどこかに忘れてきて撮影時に準備できていませんでした、スイマセン。私が楽器を作る部屋と図面を書いたりする部屋は別になっているので写真撮影では時折このようなことが起こります。 

 

え〜〜〜〜と、ヘッドの裏側のみに面取りを行います。

 

ネックからヘッドにかけてのサンディングです。

あとはペグを作ってここに差してやればいいのですが、ペグ製作はひとまずあとまわしにして、次はボディ製作に取りかかります。

 

 

 


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