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■ 19. ビンディング カットは慎重に
ビンディングとは表面板(あるいは裏板)と側面板とのコーナー部分に縁取りのごとく巻かれる細い木材で多くは黒檀やメイプルや象牙のような堅い材料が使われます。装飾と楽器の保護を兼ねます。スチール弦のギターやクラシックギターの製作家のなかにはルータでこの溝を切る人もいますが下の写真のように専用カッターを使う方法もあります。私はルータも持っていますがここではカッターで手作業にて切り出しています。
表面板の端からどれくらいの幅で切り込むかはビンディングの材料にもよりますが、ここでは2.5mm程度に設定しています。ビンディングカッターは一度レンチで幅を決めたら作業中にその幅を変えないほうがいいです、ズレますから。あと、このカッターを滑らす方向は表面板の木目を意識したほうがいいのですが、カット中に切り溝からカッターを離すと別の方向から切り込んできたときにピッタリ一致しないこともありますので慎重に作業すべきです。
次は側面板側をカットしていきます。およそ4mmの幅です。このカッターは両刃になっているので前後どちらの方向へ滑らしても切れるようになっています。刃は作業中にゆるまないようレンチでガッチリ締め付けておきます。あわてずゆっくり作業します。
専用カッターでコーナーを切り込んだあとは小さい彫刻刀かノミでバリを除去していきます。そして#150〜#180のサンドペーパーでかるくならしておきます。
完全なL型(90度)の溝ではなく若干きつい角度(85度とか)になるように仕上げておきます。そうしないと接着面が汚くなります。この図は恐ろしく極端ですが....。
なお、側面板にかからないように表面板の半分までに施すタイプをハーフビンディングといいます。
長い黒檀の板を糸のこで切り出し、それをビンディング材とします。やや大きめにカットし接着後にカンナで面を揃えます。
ビンディング材はカンナをかけたあとサンドペーパーとブロックを使ってコーナーを90度ではなくやや大きな角度にします。カンナでこの作業を行うこともあります。
曲げを行ったあとに上記のエッジの角度補正をしたほうがよりうまくいくこともあります。
実際のボデイにフィットするように慎重にベンディングしていきます。
ビンディングは表面板と裏板にそれぞれ2本づつを作成しておきます。あとはこれをボディに接着するわけです。