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■ 25. ブリッジ けがきと切削
忘れていました、ブリッジの加工を行いましょう。前もって黒檀の板を大きめに切り出しておき、テンプレートをあてて鉛筆で型を描きます。ピンの穴の位置もマークしておきましょう。
ちなみにピンの穴とサドルとの間隔は弦のテンションに影響します。サドルを表面板に押しつける力が変わることに注目されたし。
【2007年5月補足】
物理的には弦の振動がナット、サドル部で減衰するならば接触後の角度の変化に弦の張力は影響されません。ただ、構造の変化としてサドルを高くすれば弦の長さ(サドルの頂点から弦の結わえ目までの長さ)はわずかに長くなります。物理的に張力は変わりませんがそのままだと音は低いことになります。元の音の高さに戻しておくために少し張力を増してやる必要があり結果として楽器的には張力が増します。
ナットからサドルまでの「弦長」は変わらず、弦の端から端までの長さが問題。この場合はサドルの頂点から弦の結わえ目までの長さが長くなります。似たようなことが反対側のナットと巻軸の距離についても起こるため1弦よりも2弦が、2弦よりも3弦をより強く増して巻かねばならなくなっているわけです。
では、糸のこでおおまかに切り出します。黒檀は堅いのでゆっくり作業しましょう。
サドルの溝をルータかもしくは工作ノミで掘ります。私はルータでさ〜っと削り、バリを工作ノミで処理します。サドルの溝もオリジナルのラコートではいくつかのパターンがあります。下の図のようにブリッジの両脇より幅を短くするものや、完全に左右に拡張してしまったものなどです。
あとはなだらかなカーブを描くように丸ノミと棒ヤスリで成形していきます。もし、間違って削ってしまったらインレイ用の接着剤(黒色)で多少なら補修することができます。
あとは#320ぐらいのサンドペーパで表面をサラサラとサンディングします(右手でカメラを持ちながら左手でこするのは疲れる...)。
さあ、ブリッジはおおむね形になりました。