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 タイプの検討:その3

 

さて、現存するリュートは世界中の博物館やプライベートなコレクションなどで現物を目にすることもできます。オークションカタログや博物館収蔵目録などにカラーの写真が掲載されているとラッキイ池田です(注:このネタは過去に5回ぐらい使っています)。目録のなかには弦長や材料まで併記されていることもありますので、使いようによっては写真から図面を起こすことも可能です。


ディーフェンブルッカーはドイツの一族で楽器製作を行っていましたが、ベニスに工房を構え大規模に楽器を製作していました。マノ・ディーフォプルッカーは個人というより工房のトレードマーク(商標)と考えましょう。おそらく当時は十数(数十)人単位の工房であったとされ、ひとりでちまちま作っている現代のリュート作りとはスケールが違ったといいます。当時の多くのリュートはのちに改造されて残っているものが多く、小型のティオルバ(テオルボ)またはバスリュートが11コースに弦数を拡張され、あれこれ時代とともに改変されたあげく最終的に13コースに改造されたものをよく見かけます。著名な工房が昔の楽器を奏者の依頼で改造した例も古くから頻繁に行われていたようです。

ドイツのGerhard Soehneさんの描いたリュートのなかに弦長751mm、低音弦長913mm、黒檀の11枚のリブ(ボディ)に双頭ワシのトリプルローズを持った13コースバロックリュートがあります。その図面(じつは博物館に実物が展示されていたこともある)をよく見ると駒が中心にあり、のちにエドリンガー氏によって13コースに直接改造されたものとされています。

 

 

 

さて、こんなことをやっていると「死ぬまで永久に検討」して、はいおしまい。になってしまいますので、そろそろ製作する楽器に的を絞らねばなりません。私自身あれこれと文献や世界中のホームページなどから写真や挿し絵を集め、自分の過去の記事も整理しているうちにちょっと懐かしいものを見つけました。みなさん以下の写真を覚えてますか? 当サイトの最も古いデータ(画像は当時のままですから鮮明ではありません、ご了承ください)のひとつです。当時の私はこの楽器が欲しくて欲しくて.......さんざんヨダレをたらしておりました。

 

 

そうです! 今こそコレを作ろうではないか! おお! 燃え上がれ! 燃え上がれ! ガンダム〜〜!? ほんとに燃えちゃ困るけど...。

他にも作りたい楽器がいくつかありますが欲張ってもしかたがありません。まずは製作にあたって取りまわしが楽で材料も多くを必要とせず、それでいてリュートのエッセンス(ボウルバックの楽器)はちゃ〜〜んと備えている......ということではい、これ!これにキマリ。欽ドン賞決定!

 

 

 


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