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■ ボデイをつくる リブを組みあげる
いよいよリブを組みあげてボウルを成形していきます。リュートでは単純な半円断面でないことは先に述べましたが小型のリュートの場合は比較的半円に近い断面なので入門用にはいいかもしれません。ここではスタンドにブロックを固定してそれに1枚づつ接着していくという手順で作業をすすめます。
さて、スタートはここからですね。
モールドを使う方法は「リュート製作(キット編)」で皆さんもキット御覧になっているでしょうから、ここではスタンドを使う方法のみの説明にします。内側に手をまわしてあれこれ具合を見ながら作業できるという利点があります。中央のリブに対してまずは片側にスペーサをはさんでもう一枚のリブを接着し、これをセロテープで4〜5cm間隔に固定していきます。気候にもよりますがニカワは15分もたてばかなり固まってきます。はみ出した部分のニカワを水かお湯で濡らして絞ったタオルで拭いてやります、ニカワに限らず乾いてからの接着剤をきれいに拭き取ったりはがしたりするのは厄介です。
リブは隣り合わせたもの同志を接着するわけですが、カットしたままの状態では90度の断面をもつわけですから以下の図のように接着する狭い部分尾に角度をつけねばなりません。スペーサを入れる場合とそうでない場合とを図示しておきます。
ネック側でリブが収束する部分は理屈でいえばスペーサも徐々に細くせねばならないのですが私は途中で短めにカットしておきます。ネックが接続される部分より先はまだ切断せず、作業の目安になりますのでリブは残しておきます。
いちどに接着できるのは左右の2枚のリブということになります。こうやって乾くのをしばらく待ちます。...........なんかやたらと周辺が散らかってますね....。
はい、乾いたところです。テールのリブの収束点は少しだけずらしてボウルを若干浅めに作ることにしました。そのほうがオリジナルのカーブに近いようです。
隙間のないように接着するにはスペーサの断面が長方形ではなく台形になるように削っておいたほうがいいです。
はい、どんどん両脇へと接着してまいります。 あ〜〜〜〜〜〜楽しい!!
紙テープでも固定することはできますが伸縮するビニルテープのほうが具合がいいようです。
最後の表面板に接するリブを接着しているシーンであります。他のリブよりやや広めにしておきます。
というわけで接着は完了。あ〜〜〜あ、もうお楽しみが終わっちゃった.......。まだこの時点では表面はきれいにしなくてもいいです。
スペーサのはみ出した部分をスクレーパで削り落としていきます。よく研いでおけばサクサクと気持ちよく作業できます、あぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜楽しい〜〜〜〜〜〜!
で、両脇のリブの余分な部分をノコで切り落とします。もちろん糸のこ台でなく手ノコでもOK。むしろ手ノコのほうがいいでしょうね、こりゃ。
ネック側は多少のゆとりをもってカットしておきます。あとでネックとの接続面を照らし合わせて微調整することにしますので。
ボウルの内側に貼るリブ固定用のテープを作ります。布テープを使うこともあるらしいのですが多くは紙です。これは近所の文房具店で手配した和紙です。店頭に陳列してあるうちはお店の和紙ですが支払いを済ませれば、もうワシの和紙だもんね.......これを日米ワシン条約といいます(もちろんウソ)。
たんざくをタイトボンドにて接着していきます。このテープも製作家によってはあれこれ工夫があるようで羊皮紙という(ホンモノの皮ではない)厚手の紙を切って使う場合もあるようです。
テールのブロックはもう少し大きくても良かったかもしれません。ともあれ全てのテープを貼り終えました。
後ろからみた写真です。「売り暴」...おっと「ウリ坊」と呼んでやっておくんなさいまし。
まあ、見かたによっては競輪選手のキャップともいふ.....。
今度は膨らんだ側にスクレーパをかけてきれいにしていきます。だんだんツヤが出てカッコ良く見えてきます.........フッフッフッフッ.......。
さあ、次ぃっ!