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■ ハーフビンディング ちょっとした緻密さが必要
ギターのビンディングと異なり、リュートでは表面板の厚さがわからなくなるような太いビンディングはあまり用いません。作業の手始めはビンディングカッターを使ってのフチ切り作業からです。なおこの作業はデザインナイフのみを使ってもかまいません。とにかく木目に注意してください。
このへんは木目が詰まっているので堅いのです。あせらずジワジワと....。なお、途中で刃を動かして切り込み幅を変更してはイケマセン。途中で切りなおすと幅が変わる恐れがあります。終わりに飲んでも杜仲茶...なんてね....ガハハハハ...。
オヤジギャグがウケなくても製作の説明は続けねばなりません。表面側のカットの次は表面板の側面側を切りますが、このとき表面板の約半分の厚さを切るわけです、だからハーフのビンディング....。ニカワ層が厚いとちょっとミットモナイので前段階の接着作業は完璧に行っておく必要があるのです。
切り端をデザインナイフでていねいに除去します。ネックに近い部分はビンディングカッターは使えないので手作業で切ります。
ここでアセってはいけません、きれいにしっかり接着するには接着面をなだらかにしておく必要があるのです。180番〜320番ぐらいのサンドペーパーで削ってならしていきます。それにしてもわかりやすい写真だなぁ(笑).....。
さて、ビンディングの材料ですが、今回は既成のものを使っています。メイプルを染めたもので黒-白-黒の3層です......じつはリュートではこういったはめ込みの装飾はほとんど見られずむしろムク材の1色のことがほとんどです。後期のマンドリーノには3層のものやじつに様々なスタイルはありますがバロックリュートを製作するのであれば注意が必要です。ルネサンスリュートにはビンディングは基本的に付けません。
ビンディング材も既製品でなく板から薄く切り出したものを使うほうがいいでしょう。既製品にはウッドファイバー製のものが多く、それは完成して10年も経過するとボロボロになってしまい交換せねばなりません。
ここはタイトボンドでつまようじにて接着します。
これは小さい楽器なので1本で長さは足りますが大きなリュートでは中央から左右に2本のビンディング材で巻きます。
ひとまず接着のみ終了。最初の溝切りを正確に行わないとリブより大きくなったり、逆にリブより小さくなってしまいます。
スクレーパを使ってわずかなバリや接着剤を除去していきます。これまた根気のいる作業。
表面側もスクレーパをかけますが表面板の高さと揃うように気をつけながら.....。
若干の接着剤やバリをサンドペーパでならします。まあ、スクレーパだけでもいいんですけど。
そろそろリブ全体をきれいにして塗装に備えましょう。
いかがですか?
次第にリュートらしくなってきました。