インドからの場合

 2003年9月掲載

 

インドは貿易に関していえば難易度の高い国といわれています.........

 

なんで?

 

聞くところによるとインドの銀行は送金してもなかなか受け取ったことが確認しづらく、とくに地方の銀行では海外からの送金・受領がうまくいかないことも少なくないのだそうです。合併や閉鎖、通貨の換金の問題や受取人の手数料など問題は多いようです。
今回私がインドに楽器部品の注文をかけたというと、貿易に詳しい友人いわく「ちゃんと送金できたの?」、「相手は信用できるの?」、「輸送手段は?」、「手数料は?」といったぐあい。アメリカやドイツやイギリスなどとはちょっと勝手が違うようです。インド本来の通貨はルピーですがビジネスの世界ではUSドルが信用されていて一般的です。各種の事情から輸入も輸出も慎重にコトを運ばねばなりません。個人輸入では上級編といったところでしょうか(笑)。

いつものようにインターネットで探してようやく見つけたインドの会社。メールを送っても返事は早くて1週間後。しかも何度かこちらからメールを送っても、相手が全てのメールを受信していないことが発覚。つまりメールが行方不明になって届いていないようなのです。こまったもんです。あれこれ悩んでフリーメールを使って商談を続け、やっとのことで部品の仕様や注文個数を確定し、相手の口座情報を得たのです。たまたま大手の国際銀行を使っているということで日本からの送金も無事完了。でも相手は受け取ったというメールは返信してくれません。ワシ、だまされるのかなぁ?

が、しかし............ 2003年の9月初旬に注文して納期を9月21日に指定しておいたのですが、ちゃんと9/20には受取りました。素晴らしい! なぁ〜〜んだ、インド人もマトモじゃん(^_^)
その届いた荷物を見てびっくり。なんなのよコレは? ペタペタと封印の嵐。

 

じつはインドの通関では海外との荷物のやりとりには非常に神経質で、こうやって間違いなく開封していないことを証明しないと許されないのだそうです。昔の日本の国鉄荷物のヒモかけ・名札付けのごとく厳しい習慣がいまだにインドにはあるわけです。話には聞いていましたが実際こうやって受け取ってみると感慨深いものがあります。う〜〜〜む、これがインドからの荷物かぁ.....しばし眺めて観察したり写真を撮ったりと大騒ぎの鶴田家であります。ちょっとした記念日です。

梱包のヒモは麻を編んだものです。包装してある布は石膏がひいてあるようで、はがすとパラパラと粉が舞い散ります。素晴らしい! これこそインドじゃ! インドじゃ! わたしゃミイラが出てくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら荷物を解いていきます。送り主であるお店は輸送事情がわかっているらしく、ちゃんとEMS(国際郵便)で送ってきました。そうなんです、普通郵便だとどこに行っちゃうかわからないんですね、あはははははは!

輸出に関する書類はこうやってホチキス(ステープル)で留めてありました。ところで、インドではホチキスで何でもかんでもバチバチ留める習慣があるようで、紙幣などもまとめてバチンとやるので現地のルピー紙幣にはその穴が空いたものが多いということです。梱包を解いていくと、お約束どおりしつこくホチキスが登場します(笑)。

 

はい! ちゃんと中身が入っています!? バンザ〜〜イ!

 

で、何を注文したのかというとヴァイオリンのペグです。Boxwood製で、どこにでもありそうなものですが、やはりインドから個人輸入するのは個人輸入のアコガレですから(笑)、あえてドイツやアメリカではなく、今回は実験的に難易度の高い国を選んでみたワケです。袋には誇らしく「MADE IN INDIA」の文字が燦然と輝いています!! インドじゃ! インドじゃ!

価格の違いは決定的です。インドは科学技術が発達した国であることは皆さんも御存知かと思いますが、木工品を含めた工業製品の品質はなかなかのものです。それが非常に安いのです。例えば日本で2000円するものがアメリカやドイツで1000円だとすると、同じものがインドでは300円なのです。

今回注文した総額はUS$75 程度(日本円で約9000円)。日本のUFJ銀行からインドへの送金手数料が4500円。相手は代金を受け取るのにいくらかの手数料を必要とするのですがその3000円を今回は私が負担しました。考えてもみれば少数の注文に応じてもらうには無理があります。本来は数百個単位で受注する会社なのですから。今回私の注文数は数十個ですのでモウシワケナイと思いつつ.............ですから交渉にあたって現地の会社のマネージャーと取引きしました。少数を受注するかわりに大きな代理店を紹介してくれないかというのです。そこでアメリカのG.A.LとドイツのDICK社の両方の代表者を紹介してあげたのです。そのうちインドのこのお店(ヴァイオリンのパーツ製造会社)の製品や広告が両者のカタログ・会報に掲載されるかもしれません(^_^)。

品目にもよりますがインドでは関税が300%かかったりします。今回は相手の会社が輸出に手慣れていたことと、楽器の部品であること、そして比較的小型軽量なパケットであることから大きな問題も無く取引きできたのでしょう。大きくて重い荷物は要注意。

今回の荷物はインドだけに軽かった(カルカッタ)なぁ〜〜〜〜〜〜〜〜んてね。

  

備考:ちなみにインドでは野良犬のごとく「野良象」がいるんだそうです。こえぇ〜〜〜〜〜!




要注意!(記事追加:2010年8月)
上記記事の取引先「Radharam Sohanlal」に注文して代金を払ったにもかかわらず、品物が届きません。3回ほど催促メールを出しましたが、それに関する返事は一切ありません。にもかかわらず、ペグのカタログがメールで送られてきました。どうやら会社が危うくなり、世界中にカタログを送りつけて最後の注文をとろうということらしいです。詐欺ですな。今までペグは何回か購入して品質もまずまずで、貴重なお店だったのに信用を裏切られ、残念です。






記事公開:1999年    最終更新日:2010年8月



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