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アナログ クラシックカメラ 銀塩フィルムシリーズ カラーネガフィルム現像

2021年3月12日記事公開、2022年4月22日追記、2022年5月5日追記

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↑なんてわかりやすい図版(#内容そのまんまやんけ!)

 

 ・洗面台を使います:大きな保温容器は不要。台所のシンクでもかまいません。
 ・保温器や加温のヒーターは使いません:液温保持の熱容量は洗面台で充分。
 ・フィルムの前浴はしません:つまり最初の水洗いはやりません。像が消えちゃったこともあったので。

 

 

Konishiroku Pearl V Hexar 75mm F3.5 SEIKOSHA-MXL  1957年4月発売
小西六(コニカ/ミノルタ:後にSONYに吸収)のセミ判で6x4.5cmのフォーマット
小西屋六兵衛店は創業1873年(明治6年)の老舗。蛇腹カメラシリーズのパールは由緒ある血統。
これも自分で修理・整備しました。
フィルムは120ブローニー判の Kodak PORTRA 400 現像液は調合から4ヶ月経過、4分半現像。

 


 

 

 

今日のPAY

カラーネガフィルム現像粉セット CS-41シネスチール CINESTILL 1セットのお値段です。

・かわうそ商店(送料無料)  ¥4200

・米国シネスティル社から購入  $28ドル( 約3000円)+国際送料 

 2021年3月12日現在では両社ともPayPalでの支払いが可能ですが、送料を考えるとまとめて買ったほうがいいカモ。

 

 

現像のメモとヒント

 

【撹拌の程度と温度】
不充分な撹拌:結果が赤味をおびる。マゼンタに色が転ぶ。
過剰な撹拌:結果は水色っぽくなる。シアンに色が転ぶ。
現像温度が低すぎる:色の分離が悪くなりコントラスト(明暗差)が低下
現像温度が高すぎる:色の分離が良くなりコントラスト(明暗差)が向上

これらの現像の性質を利用して、プッシュ・プルが可能です。つまり増感や減感処理もできます。

現像液は現像するたびに色が濃くなって劣化していきます。沈殿物が生じたら45度で温めながらボトルごと振ってかきまぜれば溶けます。
漂白定着液は元々暗い色のせいか、何回使っても色にはあまり変化がありませんが、しっかりシゴトはします。

私は使い続けた現像液を秋から冬にかけて室内に常温保管していましたが、 3ヶ月経過しても現像時間を少し延ばしたり温度を上げたりして工夫することで、現像できました。
現像液が古くなると発色性能はあまり気になりませんが暗部の再現性が落ちます。中間トーンがいまひとつ出にくい感じ。
逆に作りたての新鮮な現像液は3分半といわず3分でも充分で、ちょっとモタモタしていると濃く現像されてしまいます。

現像液は日毎にペットボトル内の酸素を吸うようで、しばらく放っておくと容器が縮みます。
なるべく1リットルピッタリの容器のほうが現像液の劣化は少ないかもしれません。

35mmフィルムと120フィルムを8本ぐらい現像した場合、おおむね2週間が使用期限と取扱説明書に書かれていたのです。
しかし、補足説明で「どこまでが使用限界かはあなたが決める」みたいなことも書いてありました。
現時点で4ヶ月過ぎましたが、まだどうにか現像できるので続けてみようかと思います。

2022年5月3日:35mmフィルムを5本ぐらい現像したあと半年保管した現像液と漂白定着液で現像したところ、問題無く4本現像できました。やや長めの4分現像。

 

【色ムラ】
色ムラ
は現像液が新しくても古くなっても発生することがあるので、撹拌の方法にもよるのかもしれません。
カメラ自体のわずかな光漏れも色ムラを起こすことがあります。最近の写真用フィルムはやたら感光しやすいように思います。
冒頭のお茶の水の聖橋から丸ノ内線の写真では右下の河の色と草むらの色がムラになっているのがわかります。原因はカメラなのか現像方法なのか、不明。
色ムラ発生について有識者の意見をモトム。

※ 2022年5月3日追記:ひとつ気付いたことがあります。リールの芯と撹拌棒は取り外しておいたほうがいいです。白黒フィルム現像と違ってカラー現像はスピーディなので芯や棒があるとうまく薬液が動かずムラが発生することに気付きました、

 

【ほぼ全てのカラーネガフィルムが現像できる】
フジフィルム(FUJIFILM)のカラーネガフィルムの現像処理は CN-16 が代表的です。
これはよく言われるようにコダックの規格 C-41とプロセスがおおむね同じですし、実際私も同じ現像液で処理しています。
AGFA社のAP-70処理やコニカミノルタのCNK-4なども同じ処理。
そのほかC-41プロセス派生あるいは互換フィルムであればシネスチール社のこのセットで現像できるハズです。

映画用のカラーネガフィルムで ECN-2処理するものは音声用トラックとしてバッキングカーボン層(炭素の層)を持っていますが、シネスティルの現像セットはこれに対応しており、現像液の劣化が最低限で済むようになっています。よくできた現像液です。

 

【フィルムの巻きグセが強い場合】
巻き癖の強いフィルムやデッドストックのフィルムなどはリールに入れづらいので、いったん他の軸に巻き上げてフィルムの反対側の端から入れるとうまくいきます。
例えばコダック120フィルムのポートラは裏紙がしっかりしています。そのせいか、撮影後にフィルム終わり部分をリールへ巻こうとすると強い巻きぐせのためうまく入っていきません。そこで、ダークバッグ内でいったん120空スプールへ巻き戻したのちフィルムの逆の端をリールへ差し込んでいきます。つまり、少しでもゆるいカーブのクセのほうをリールに挿せば良いのです。そうすればリールにスムーズに入っていきます。

 

【意外な落とし穴 リールの不具合:鋼球】
白い樹脂製のオートリールは鋼球がスムーズに動かない個体が多いです。フィルムが入れにくく、咬みやすくなります。
リールを軽く揺らしたときに鋼球が自由にカラカラと動くのが本来の構造と思われます。
先の曲がった彫刻刀か、もしくは先の細いデザインナイフ等で玉の溝の下側を削って玉が軽快に動くように修正したほうがいいです。
私は35mmー120フィルム兼用の白樹脂オートリールを7個持っていますが、どれもいまひとつだったので7個全てを削って修正しました。
かなりの高確率で成形不良があります。各社で程度の違いこそあるものの、LPL用もパターソン用もEC無銘品も全てリールの鋼球溝を修正しました。
結果、劇的に使いやすくなり、咬んだり詰まったりのトラブルはゼロになりました。

  

 

【現像液の限界】2021年5月1日 追記

久しぶりにカラーネガフィルム現像を行いました。現像液は2020年11月7日から6ヶ月経過しています。
フィルム本数は前回の2021年2月6日 3ヶ月経過の現像以来、パールIIIで1回現像(120ブローニー判フィルム)したのみ。
今回も120ブローニー判フィルム。
まずは現像液がコーヒー色になっていることに気付きました。透明度が下がって濁った泥水のようになっています。

 42度にて4分30秒現像 8分漂白定着 5分水洗 水切り1分

 結果、フィルムの像はかなり薄い。コントラストが低すぎてほとんど像が出ていない。

こうなったら液温や現像時間を延長しても難しいように思います(#現像時間を15分ぐらいに延長すればいけるかな?)
漂白定着液はまだまだ使えそう。しかし、これも潮時かと。
現像液も漂白定着液も破棄することにしました。
保存期間や処理したフィルム本数にかかわらず、現像液が濁って黒ずみ、コーヒー色になったらオシマイなのでしょう。

★ 個人的な結論としては3ヶ月以内に25本程度現像できるが、以降は捨てる。

 

 

  関連リンク

米国シネスティル社 各種銀塩フィルムや現像液やスキャニング機材。C-41カラーネガフィルム現像セット

かわうそ商店 各種銀塩フィルム、現像液など通販。カラーネガフィルム現像液シネスチールは日本語の説明書が付属します。

※ どちらもすぐに売り切れるので入荷したらスグに注文すべし!

 

 
 


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