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■ Title: A Merry Song / Painter:
V. Volpe / From Magazine c.1890 /Wood Engraving
印刷面サイズ 319mm x 232mm イタリアの画家 V. Volpe による原画から起こした木版画。タイトルは「Lustige Lieder」英語でいえば「A Merry Song」。この老人、さりげなくギターを構えていますが脱力した右手や安定した左手、胸と右手足の三点による合理的な楽器の保持、低音をアポヤンドしている右手親指にも注目。う〜〜む、この老人...... 但者ではない。楽器は5コースのイタリアンでパーチメントロゼッタを備えていますが各部の特徴からバロック末期のスタイルに見えます。
タイトルにしてはどこか悲しげな奏者..... 聴き入る少女。ストーリーを感じますね。この老人、かつてギターを友として諸国をめぐり、数々の感動と伝説を世に残した名手であったに違いありません。栄光と影、成功と失望。そののち彼は現役を退き、余生をおくるべく故郷イタリアに帰郷....... やがて日ごとに衰えゆく身体.......
少女: グスン、グスン.........
老人: お嬢さん、どうかしたのかのぉ? 何かつらいコトでもあったのかな?
上司にいじめられたとか? 居酒屋でつくねを横取りされたとか?
少女: グスン、グスン.........じっちゃん、そのネタはこないだ使ったばかりだよ。
老人: そうじゃったのぉ〜〜、齢のせいか物忘れがひどくなってのぉ....
おまけにこのところ目も見えんようになってきた。お迎えが近いかのぉ.....。
少女: グスン、グスン.........
老人: じゃが、............
悲しみに暮れるそなたにせめて唄を贈ろうと思うのじゃ。
どれ、そこに座って聴いてみんかぃ。ワシはこれしか能が無いのじゃ....... (ポロロン....♪)
少女: はっ! 聴き覚えのあるメロディ.......
老人: 燃えるぅ〜〜♪ オトコのォ〜〜♪
赤いィ〜〜♪ トラクタァ〜〜〜〜♪
それがオマエ〜〜♪ ダゼェ〜〜〜〜〜♪
少女: じ、じっちゃん.........(号泣)