|
■ Title: DAS CONCERT (The
concert) / Painter: D.Teniers / Engraver: W.French c.1860s /Steel
Engraving
● 50年後のドラえもん
左から右へ順に、しずかちゃん、スネオ、ジャイアン...........
戸の影からうらやましそうにしているのがのび太。
ジャイアンは歌手としての幼い頃のリサイタルが不評であったことから、のちにギタリストへ転向。みる間に才能を発揮して一躍ギター界のニュー・ホープとなり、スターの座をつかむ。
スネオはエリート街道を突き進み貿易会社の社長に就任。その後、契約社員として働いていたしずか嬢はお金に目がくらんで社長のスネオと結婚。順調に見えたかのようであったが12年後に会社の株が暴落して事業に失敗し、やがて二人は酒に溺れる毎日を送った。
肝心のドラえもんはどうなったのか? のび太があまりにも酷使したために組合に対して労働条件の改善を要求。みかねてバードマンがドラえもんの身柄を引き取り、以降は「パーマン」への転属となった。
のび太は幼少期の過保護な環境が裏目に出て(だいたいドラえもんは甘やかしすぎるのだ)、中学卒業と同時に荒れ放題に荒れ、のちに孤独のうちに世を送ったという.........。
画家 ダフィット・テニールス(David
Teniers)は親子で同じ姓名を名乗っていまして、
これはおそらく息子(1610年〜1690年)。楽器は4コースで時代的にはバロック以前のルネサンスギターのたぐいでしょうか。油絵が描かれたのが1650年頃でしょうから、少し前の時代の楽器をモチーフにしたのかもしれません。サム・アウトサイドの右手フォームによるサウンドホール付近でのプンテアードに見えますが、果たしてどんな曲を弾いているかは定かでありません。デフォルメされていると考えてもブリッジの位置はこの時代には基本的にだいぶ下側にあったのでしょう。ボディはおそらく
5〜6cm
程度の厚さでロゼッタが彫られていたもよう。指板やヘッドプレートも備えているように描かれています。ブリッジ両脇のマウスターシェ(装飾飾り)は単純なヒゲ状ですね。ちょっと気になるのがブリッジ下(ボディ下端)の2つの丸い印.....? 今回はちょ〜拡大画像をサービス。みなさんもこの謎の部分をとくと御覧になって推理してくだされ。
印刷面サイズ 128mm x 162mm
この版画に登場しているギター弾きのジャイアンはどこかで見たなぁ........... と思って調べてみたらダフィット・テニールス(David Teniers 息子:1610 - 1690)が「聖アントニウスの誘惑」という絵画作品中でやはり同じようにギターを弾いて描かれています(今回の版画と顔がまったく同じ!)。もともと「聖アントニウスの誘惑」は昔から絵画ではよく取り上げられるテーマですが、テニールスは怪物の登場する宴という奇抜な構成で描いています。興味のある方は国立西洋美術館(東京・上野)が油絵を所蔵していますので御覧ください(作品P.1991-2)。