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■ Title: Gaston de Foix / C.L. Eastlake / C.W.Sharpe /Virtue Co., London c.1850 / Steel Engraving (50/54)
C.L.イーストレイク卿の原画で16世紀のイタリアとフランスの戦いのテーマより描かれたものです。出兵の隊列から一時離れて川縁で美しい女性と別れを惜しむ騎士。馬は主人が隊に戻るのを待ちかねています。今度の戦いが最期になるやもしれません.....。
騎士「やっぱ、行くのやめよっかなぁ〜〜〜。 よろいは重いし、痛いのヤだし.....。」
姫君「ばっくれちゃいなよ。」
騎士「でも、僕がいなくなったとわかったらみんなが怒るだろうなぁ....。」
姫君「ダイジョウブだって。みんな死んじゃうし、夢中でギター弾いてたら置いてかれたって言えばいいじゃん。」
まあ、これだけ美しい女性に上目づかいでウルウルしながら「行かないで」と言われれば私だって行くのヤだもんね(笑)。女性と楽器そして隊列を組む軍隊とが対照的です。そしてこの版画で御注目いただきたいのがティアドロップのナポリタンギター、よく見ると16世紀にしてなぜか19世紀風6単弦.....どうやら画家が時代考証せずに手元にあった楽器をテキト〜に登場させた模様。近代に描かれた絵画のなかにはこういった矛盾が時折見られます。
原画の油絵は1838年に王室アカデミーに展示されたとのことですから、この版画はれ以降に彫られたものでしょう。エングレイヴィングでありながら遠景のスフマートや川沿いの婦人群の濃淡に見られるように高度な技巧の彫りが展開されたじつに細密な作品です。彫り師のC.W.Sharpe氏に拍手!
印刷面サイズは約 19.3cm x
24.4cm。裏面に50/54のエンピツのサインがあります。