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■ Title: Smiles and Tears /
Engraved by J. M. Butler expressly for Godey's Lady's Book Magazine
c.1850 / Steel Engraving
19世紀なかばに「Godey's Lady's」という女性誌が存在し(今でいう女性自身とかノンノみたいなものか?)、当時は様々な詩や版画が掲載されていて好評だったようです。この作品はそんな雑誌の1ページを飾った版画であります。
表題が「笑みと涙」とあるように対称的な2人の女性が登場します。右側の女性、なにやら悲しみに暮れておいでのようです。傍らには弦の切れたマンドリン風の楽器、弦が切れたぐらいで泣くこともないでしょう? それとも何かつらいコトでもあったのかな? 彼氏が誕生日を忘れていたとか? 上司にいじめられたとか? 居酒屋でつくねを横取りされたとか?
女性A「シクシク.....グスン、グスン..... 」
女性B「あら、どうなさったの?」
女性A「グスン! せっかくCRANE 鶴田さまのお作りになった地ガット弦が切れてしまいましたわ....。」
女性B「まさかぁ〜〜? CRANE
の地ガット弦に限って切れることはありませぬ!
あら? よく見たら○○○○社のナイルガットじゃないの!?」
女性A「びょ〜〜〜ん!!」
楽器は単弦で4本のみ。シェイプはマンドリン風ですが、6単弦でもなく.....当時は特別な名称のついた楽器だったのでしょうか? 私はこういった楽器を「なぞなぞ系」と呼んでいます。版画(雑誌掲載号)は1850年頃のものらしいです。かなりのシミが残っており、決して良いコンディションではないものの、大きな破損も見られず、まずまずの状態です。印刷面サイズ 164mm x 125mm スチール版画。