|
■ Title : PEASANTS OF CORDOVA
1880年頃 /Publisher: Elisee Reclus for Book "The Universal Geography".
Original wood engraving drawn by D. Maillart, engraved by C. Laplante.
● コルドバの田舎物 ! ?
旅の途中でコルドバの街にさしかかった2人の男性。VANのスイングトップにLACOSTEのチョッキ、ダーバンのハーフコートでおめかし。いわゆる「モボ」ですな。本人達も「俺たちゃ、めっちゃイケてるぜぃ! 田舎娘なんざ、イチコロよっ。」とタバコをふかして自信に満ちた表情。馬ではなく、ロバを連れているところが可愛らしい。
対する女性陣はギターや壺を抱える腕はたくましく、表情も毅然としていますね。「あんたら、どこの田舎町から来たね?」みたいな、むしろ見下ろす視線。
楽器に目をやると、タイトルがコルドバというぐらいなので、コテコテのスペイン様式のギターかと思いきや、ボディ底面がリラギターのようにまったいらですね。フランスとかイタリア様式? いえ、じつはコレ、一時期のスペインでも見られる形状なのです。加えて表面板周囲のパーフリングや小型のブリッジ、裏板がヴァイオリン風のはみ出しエッジ、これらの特徴もまた19後期のスタイルに見てとれます。指板がどこで切れているのか不明瞭ですが、表面板に乗っかっているようにも、いないようにも見えます。但し、フレットは高音域が徐々に短くなる配置で、数えてみると全18フレット。現実的なフレット配置です。
ヘッドはスペイン伝統の角形でもありますが、6単弦で木ペグ。弦はテキト〜に描かれているものの、ちゃんと6つのペグを備えています。
このロバの情けない表情、かわいらしくて私は好きですねぇ.......
紙のサイズ:270mm X 178mm
印刷面サイズ:187mm x 125mm
裏面:ブランク
側面:金塗装
ブックレットより