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■ Title : バリトン [ビオラ・デ・ボルドーネ(Viola di Bordone)] / CopperEngraving / Publisher: J. Claye (Paris) / 1875
● 【ビオラ・デ・ボルドーネ】Viola di Bordone
イタリア語だそうです。おいしそうな名前ですな。なんか、赤ワインでじっくり煮込んだ仔牛のトマトソース和え..... みたいなものを勝手に想像します。
この楽器、別名「バリトン」といいます。つづりは baryton です。一般的な「バリトン」は baritone のスペルでテノールとバスとの間の男声音域。またはその音域の楽器を意味します。対して、こちらの baryton は多くの共鳴弦を備える擦弦楽器であり、弓で演奏します。裏面の図がありませんが、ネックの裏側に共鳴弦を持っていたりして、油断もスキもない不思議な楽器なのです。ヴィオラ・ダ・ガンバほどの知名度はありませんが、古楽器の復興運動でこの楽器もまた20世紀初頭に見直され、現代でも多くの演奏家が存在します。
版画は1875年にフランス(パリ)のサンブノア通りにあるJ. Clayeによって出版された文献(楽器辞典)からの1枚。スチール版画にも見えますが、売り主によると銅版画とのことです。重厚な台紙にごく薄い印刷用紙が貼られ、そこに銅版画で彫られた絵柄が印刷されています。現代のオフセット印刷のアートプリントではなく19世紀当時の版画です。
1723年製作の楽器を模写したものですが、じつはこの版画は本来、もっとたくさんの楽器を集めて一冊になっていたわけでありまして、楽器の歴史を解説する図鑑のようなものでした。よく見ると左側に閉じたヒモの痕があるのです。売り主は1冊まとめてではなく、まくりといいますか、1枚づつバラバラにして売りに出していまして、まぁ、よくあることなんですね。私はそのうち9枚をまとめて入手。いずれ機会があればそれぞれの作品はまた御紹介しましょう。
[参考] Wikiペディアのバリトン解説
http://ja.wikipedia.org/wiki/バリトン_(弦楽器)
[参考] 楽器の説明と演奏が動画で公開されています。便利な世の中になったもんです。
Roland Hutchinson and the baryton
http://www.youtube.com/watch?v=QZApJANZjl0
紙のサイズ:227 x 280mm
印刷面サイズ:134 x164mm
裏面:ブランク