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■ Title : none (Anselm Feuerbach : Art study) /
1912 /Antique art print from booklet.
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好評の弦楽器版画コレクション紹介はマンドリンです。といっても今回は版画というよりは古い印刷物ですな。1912年に出版されたフォイエルバッハの画集といいますか、研究書といいますか、いわゆる「本」のなかの1ページです。海外ではこういった画集からの切り抜きの1枚をアート作品として販売してたりするわけです。なじみのアメリカの版画商から私は2007年にこれを購入したのですが、$12.90 は高いのか安いのか? フクザツなキモチです。
少女がマンドリンを抱えていますが、頭部は細密に描かれ、肩から腕にかけて次第にトーンも薄くなり、楽器自体はホントにカタチのみが描かれている程度です。すぐ下に両手のデッサンがいくつか描かれていますが、幼い子供のぽっちゃりした右手(甲や関節のディテール)が良く顕されています。印刷物としての紙のサイズは 218mm x 290mm となっており、印刷エリアの右下ノンブル(ページ数表示)が 18 となっていることからもわかるように、何らかの冊子の1枚であります。ちなみに裏面はブランク(真っ白)です。
では、本来この書物の17枚目や19枚目にはいったい何が描かれていたのか?
気になりますねぇ.... じつは17枚目を見つけました。コレです。そう、これもマンドリン(またはリュート)なんですね。よく見ると右側にももう一人の人物の左手と楽器が描かれているのがわかります。
● アンゼルム・フォイエルバッハ (1829年9月12日 - 1880年1月4日)
19世紀ドイツの新古典派の画家。1862年に描いた「イフィゲネイア」という作品は、1980年に西ドイツの切手となっています。
アンゼルム・フォイエルバッハはイタリアのヴェネツィアやローマで描いていた時期もあり、亡くなったのもヴェネツィアですね。ブラームスなどと交流もあり、「マンドリンを弾く男」のように音楽をテーマにした作品も多く見られることは非常に興味深いところです。
よっぽどマンドリンが好きらしい...... 。