帰省便乗2001年九州の旅

2001年8月公開

- (C) 2001 Makoto Tsuruta / CRANE Home Page / Shiteki Suteki Pei -


「私的素敵頁」コーナーは鶴田のごく私的な支出(Pay)について紹介するコーナー(頁)です。ふだんの生活のなかでこれぞ!と感じた素敵な?支出(Pay)を紹介して皆さんにもムリヤリ感動していただくというものです........。今回紹介するのは私の故郷である九州(鹿児島県川内市湯田町砂岳)とその周辺について取り上げます。まあなんのことはない、夏休みに帰省したついでにレンタカーで巡りつつ小さな旅をエンジョイするというお話しです。

私の生まれた実家は東シナ海を望む小さな町にあります。帰省にあたっての交通の便は恐ろしく悪いところにあります。実家の最寄り駅はJR鹿児島本線「薩摩高城駅(さつまたきえき)」でありまして、当然のごとく無人駅です。今回の帰省でレンタカーを手配したのもそういった土地で移動の手段を確保するための当然の策。

8月13日に東京からこの地に戻り同窓会や墓参りをすませ、この日(8/15)は早起きしたもののとくにやることも無かったので丸一日を小さな旅に費やすことに急遽(思いつきと読む)決定。タイミング良く帰省していた兄からデジカメを取り上げて、イザ! ドライブにしゅっぱ〜〜〜〜つ!(ドリフの探検隊風に)

 

備考:この日は実家を出ると戻らず、夜は鹿児島空港ホテルに宿をとって明日(8/16)には東京へ戻ることになっていたのです。旅行カバンを車に積んで出掛けます、天気は快晴! むしろ暑すぎ.....。小型車料金でなぜかカローラを貸してくれた鹿児島トヨタレンタカーの綺麗なお姉さんに感謝しつつ、エアコンをフル回転させて走りだします。


・あ、その前に九州といっても広いのです、参考までに今回のルートを.....。

 


・走りはじめてすぐに到着したのが近所の「薩摩高城駅」。はい皆さん次の写真を御覧ください。駅舎はどこって? そんなものありません。キヨスクも無ければ公衆電話も無い、あまりにも寂しくて浮浪者すら寄りつかないのではないかと思われるほど静寂の支配する無人駅であります。あえて屋根のついたベンチが上下のホームに設置してあります。ウン、ウン、雨露をしのげるだけでもアリガタイ。事実このベンチに座っていると風が心地よいのです(暑すぎて汗がすごいからというのがその理由だったりするけど)。永遠と続く枕木と線路......じつは私の父は生前、国鉄勤務時代にこの地域の保線区で働いていました。ここに見える線路も父の仕事だったのかもしれません.......。

 参考写真:1  参考写真:2  参考写真:3

 

・この駅の裏手はすぐに海です。脇道にそれるのが得意の私としては、ちょいと海を紹介しちゃいます。この駅のある砂岳(すなだけ)という地名はその昔「砂獄」と書いたのですが砂獄というと安部公房の「砂の女」を思い出します(映画も名作だった)。また、その昔この近所一帯は塩田でもありました。しかしこの日、昔と違って砂浜には植物が青々と生い茂っていました....。ちなみに私はこの海で2回もおぼれて死にかけました........。

 

 

・暑いので(^_^)早々に駅を引き上げ、カーラジオを聴きながら北上します。国道3号線は海沿いのルートが多く、次の写真のような小さな港町が点在しています。車を止めてそこに立つと、懐かしい潮の香りが東シナ海から吹いてきます。ああココチ良い.....。行く先々にはハイビスカスのほか色鮮やかな花々が咲き乱れ南国を演出しています.......地元にいた高校生の頃までは当然のように思っていましたが、こういった環境は故郷を離れてはじめて気付くものです。

 

 

・行く先々のすべてを撮影するには時間がモッタイナイので他の海岸や港はここに掲載していませんが、のんびり巡る楽しみを堪能しつつ移動を続けます........。阿久根市周辺では遠浅の海岸で潮干狩りを楽しむ人たちが見られました。さきのルートマップにもあるように阿久根市(鹿児島県)から天草(熊本県)を目指すには長島(ぎりぎり鹿児島県)という島を渡ります(橋がかかっている)。この界隈には海産物のお土産店や海鮮料理店も多いです。また、九州は大雨や台風も多く、土砂崩れも頻繁です。我が家も昔の台風の折り、裏山の土砂で一部埋まったことがあります。

 

 

・さて、国道3号線から国道389号線を経てしばらく走ると長島の西端の港へ到着です。ここから牛深市へフェリーで渡るのです。カーフェリーといっても一度に自動車は十数台がやっと詰めるぐらいの船ですがとても重要な海のルートです。そして、もうすでにこの先は雲仙天草国立公園でもあります。ちなみにミニフェリー埠頭の脇にあるタコヤキはおいしいです。タコが旨いのです、タコが!

 

このフェリーは約30分で対岸に到着します。そのあいだ客室は帰省客や地元の買い物客でにぎやかです。私は船内売店(けっこう充実している)でコーヒーを飲みながらさすらいの旅人を気取りつつ想いを馳せ..... ん? すでにどこぞのお父さんに先を越されたか!? 家族で帰省の途中でしょうか? 日頃の都会の雑踏や仕事や人間関係に疲れ果て、不況で家のローンに悩むお父さん。ここでは潮風をいっぱいに受けて遠くを見つめ、さすらいの旅人を気取りつつロマンに胸を熱くするひととき........といったところでしょうか?(違うかも)。
そんな私の勝手な想像をよそに船は周囲の島々をぬって快調に白波をたてます。

 

 

・フェリーは無事着岸。下島に到着するとこじんまりとした漁村を抜けてトンネルの多い街道を走ります。たいてい狭い道のため交互通行も多いです。地域によっては道路の拡張工事や大型トンネル工事も進んでいるようです。

天草は我が国においてキリスト教に由縁の深い地域です。島の各地に天主堂が見られます。石塀に十字の掘り抜き模様があったり、墓地にも日本式の墓石でありながらてっぺんに十字架が付いていたりします。

 

 

次の写真は大江天主堂です。すぐ近くに駐車場や資料館もあります。建物の様式からみておそらく昭和初期に建設されたものだと思いますが、落ち着いた雰囲気の静かな建物です。私は以前バイクの一人旅で長崎〜熊本〜宮崎を訪れたこともありますが天草ははじめての地です。連想するのはやはり天草四郎や島原の乱.....日本の歴史の教科書にもなにかと登場しますが九州のなかでも独特の異国情緒が私のお気に入りです。長崎〜熊本は島が多く、雲仙や諫早を含めるとけっこう広いので私のまだ訪れていない場所がいくつもあるでしょう。

 

 

・そしてまたひたすら車で移動します。このトンネルに入ろうとしたら大きな路線バスが向こうからやってきて、私はあわてて後退して道を譲ります。しかしその後はいっこうに車のやってくる気配は無く、こうやってトンネルの真ん中でのんきに記念撮影です(良い子はマネをしてはいけません)。

 

・上島から三角町にかけてはこういった海岸線でときどき休憩しました。たまには休憩してぼんやり過ごすのも良いものです。私は楽器作りなんかしょっちゅう休憩ばっかりです。このあたりの駐車場にはトンボが多く、稲刈り(たぶん早期米かな)を終えた田んぼもあったりして、いちはやく秋の気配も....(でも暑い)。もうこの時期(お盆)にはクラゲが出るせいか海水浴客はさほど見かけません。

夏ということもあってだいぶ陽が長いのですが、時刻はしっかり過ぎていきます。そろそろ熊本も近づいてきました。松橋I.C(熊本)からは一気に高速道路を使って鹿児島まで南下します。今までの休憩でのんびりしすぎたかな? 

 

 

・今回は行く先々でこういったタコの天日干しをみかけることができました。よっぽど間近で見てやろうと思ったのですが怪しい人だと思われると困るので車内からの撮影です(ちょっとフロントガラスに反射が写ってしまいます)。これらはやがてブツ切りになってビールのおつまみでしょうか? あ、そういえば九州にも地ビールがけっこうあるんですよ。う〜〜〜む飲みたくなってきた象!

 

 

・さあ、小さな旅もそろそろ終盤です。橋をいくつも渡って松橋I.Cへ向かいます。だけどすぐに夕食の長崎チャンポンを兼ねた休憩(また休憩か)...........なかなかうまかったです。お店を出るときに高速道路までの道筋を御主人に教えてもらい再びドライブ続行です。

夕暮れ時のせいかちょっと孤独で寂しくなってきました.......と、その時です、目の前の道路標識にウキウキする案内が! 証拠写真を御覧あれ!! 高速道路の入り口を目の前にして神のお告げかと思い、左折してウキウキしちゃおうかと思ったのですが時間の都合もあり、期待が外れると虚しいので直進することに決定。いずれ確かめてみようと思います(ウキウキしなかったらタダじゃおかない)。

 

 

・松橋I.Cから暗くなった九州自動車道を一気に南下。約2時間もしないうちに鹿児島空港へ到着。レンタカー営業所もこの近くなので無事返却。この写真は翌朝(8/16)撮影したものです。飛行機は朝8:00発というドライブ疲れのカラダにムチ打つような時間ではありましたが早起きして難無く東京へ戻るのでありました.........。

平成15年度には九州新幹線が実現するらしいのですが、そうなると実家から車で15分ほどの駅が利用できます。今までは鹿児島空港から実家まではバスだと2時間近くかかり、レンタカーでも1時間数十分かかっていましたのでだいぶ楽になるかもしれません..........。

 

今回のPayは......レンタカー代とガソリン代、フェリー代、高速料金、食費......帰省を兼ねているのでちょっと計算しづらいのですが、この記事の実家出発から鹿児島空港到着までにかかった費用として計算するとおおむね15000円ぐらいでしょうか。別途、鹿児島空港ホテル一泊が約8000円ぐらいでした。ちなみに東京〜鹿児島間の往復飛行機代は大人1人で約7万円でした(海外旅行に行けちゃう)。

 

補足:今回は35万画素の旧式デジカメで撮影したのでいくぶん画質の悪いものもあります.....。

 

 

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