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● 私の私的な出費(Pay)を御紹介し、素敵なアイテムと嗜好にムリヤリ共感頂き、なおかつ御覧の皆様と共に私自身のスッタモンダをひとごとのように楽しむコーナー。それが「私的素敵頁(してきすてきぺい)」です。
さて、今回のPAYは切手です。 はぁ?
切手といえば郵便局。我が国において、かつての郵政省(そのまた昔は逓信省でしたか)は国営であったものが近年日本郵政公社と名をあらため、じきに完全な民営化に向かって? やれ本社組織改革だとか、やれ人事組み替えだとかサービス改善だとか、いまさらになってあわてて改革しようとしているさなかにあります。私も無線技術士のからみで昔からなにかと縁のある郵政省、そして近年では海外送金で頻繁に利用することもあって郵便局とのつきあいも長いのです。 以前と比べれば最近は雰囲気が少しは変わってきたのかなぁ? と思いつつ、今回のアイテムの紹介をとおして郵便局のゆくえを占ってみようと思います。
● 郵便物には重量や容積や内容物や目的によってじつに様々なルールがあります(ありました、と過去形でいうべきか)。ここでは封書やハガキに貼る「切手」に注目してみましょう。たとえば私が子供の頃は切手を貼る位置や宛名を書く場所について非常に厳しく、例えば所定目的以外にハガキの表に赤インクを使ってはイケナイとか、切手は逆さまとか横向きに貼ってはイケナイとか、余計なシールを貼ってはイケナイ、宛名ラベルのサイズもキッチリ指定があったりしたわけです。そういったルールは最近無くなったのでしょうか? 子供の頃は切手を横向きに貼ったりして、そんな手紙がよく戻ってきたもんです。郵便局でチェックしているらしく、御丁寧に「切手は正しく貼りましょう」みたいなことが書かれたタックがのりづけされて戻ってくるのです(いまでいう宛名不明のような)。子供心にショックでした.....「いいじゃないの、これぐらい.... シャレのわからん大人だなぁ...」。しかも厄介なことに戻ってきたハガキの切手には消印が押されており、ハガキと切手は再度購入する必要がありました。当然、ていねいにしたためた手紙の本文も書き直しです。自分の文章をそうやって冷静に読み直すとおもいっきりハズカシイものですよ.....。
● そんなかんだでワタクシ............ ハガキや封書、小荷物にはキッチリ、ルールどおりに切手をはらねばならんという一種の恐怖感といいますか違和感をず〜〜〜っと持ち続けてこのトシまで郵便局と付き合ってきたわけです。切手については「どうしてこんなヤボったいデザインのものしかないのよ?」と、常々不満もありました。切手といえば、かつて「ドラえもん切手」が1996年・1997年に発売されたときは一大事件で、九州から東京まで買いに行く人もいたほどのたいへんな話題であったにもかかわらず郵便局員が玩具シールと勘違いして配達しない事態が各地で起こったことは記憶に新しいです。じつは私、なぜか今でも持ってます.....ドラえもん切手。
話が長くなるのでさっさと本題です。
● さて、今回のブツです。
まずはコレと、ついでにシール式のコレも御覧ください。
どうです? オシャレでしょ? ん? どうして切手の下にオマケのように写真がぶらさがっているのかって? どうして切手全面にデザインしてないのかって?
今の体質の郵便局ではこれがせいぜいのようです(2004年3月現在)。全面オリジナルデザインが可能になるにはいろんな意味でまだ時間がかかりそうです...... たしかに現場では見分けがつきにくいでしょうね。じつは郵便局では切手全面にお客さんの写真をあしらったものを発行する実験的なサービスがかつて存在したのです(たしか地域と期間限定でしたか、多摩サンリオ・ピューロランドの中とかで出張郵便局がやってました、入場料払うのか?)。それは最近見ませんね.... 結局は定常的なサービスにはならなかったのでしょうか。例のドラえもん事件に懲りてオリジナル切手クライシスともいうべき保守的精神がこうさせたのでしょうか。
まぁ、それでもこの切手を受け取った方には珍しいようで、今までに私が送った郵便物の数件に「CRANEオリジナル切手」を貼って差し出したところ、ほぼすべての方々から反響のメールがありました、「この切手ナニよ?」。本来はプリクラ(そろそろ死語でしょうか)気分で仲間同士やペットや結婚式の写真を切手として製品化するといった目的のサービスです。しかし、考えようによっては小規模なお店や個人事業主でも配送物にこのような切手を使えば受け取ったお客さんからの印象も変わるでしょう。郵便局に注文するときは「写真」原稿ということになってはいますが、私はパソコンのプリンターで印刷したもので申し込みました。もちろん楽器の写真にCRANEのロゴとURLまでレイアウトして..... 。
どうです? なんだか使えそうな気がするでしょ? ちょっと残念なことに解像度が低いです。ざっと100dpi 程度でしょうか。色もややしまりが足りない感じの仕上がりです。なんとかしてほしい。
備考:郵便局では大口の注文には法人向けとして別途、オリジナル切手制作のサービスがあるとのことです。
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■ さて、どうやって作るのかを説明しましょう。おそらく現時点では郵便局員よりも私のほうが詳しいと自信があります(理由は読めばわかります)。
(1)まずは最寄りの郵便局へ出掛けて「写真付き切手」の申込書をもらってきましょう。「写真付き切手」の申込書には2種類あります(じつは厳密にいえばほかにも版違いがいくつかある)。ひとまずゲットするべし。
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切手の図柄がニッコリ雲(A)または |
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金額の表記(訂正有り) |
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(2)必要事項を記入します。
申し込み主の連絡先、送付先など必要事項を記入します。金額の計算を行って申込書に付属の振り込み用紙にも記入しましょう。
注文は1シート単位ということになっています。1シートは80円切手が10枚からなり合計の額面は800円ですが手数料に相当するのが200円ということで結局1シートで1000円です。1つの申込書で10シート(A/B選択では50シート)まで注文できます。これに納品時の自宅までの送料が加算されます。
少し気になるのが申込書に記載された送料の訂正です(上の写真参照↑)。郵便局によって備え置きの申込書はこの送料の訂正が朱書きされていたりいなかったりします。しかし、間違えて申し込んでもかまいません(笑)、ちゃんと納品時に切手で返金してくれます。おそらくサービス開始とともに利用した人々からクレームがついて、そのまま用紙は使っているのでしょう。
(3)写真を貼ります。
写真のサイズは 4cm x 4cm の正方形です。フツーの銀塩写真を切り抜いて使うもよし。もしあなたがPhotoShopなどの画像処理ソフトをお持ちであればCRANEの製作例のようにロゴも入れられます。ただ、先にも説明したように仕上がりの解像度が低いのであまり小さな文字や読みにくい書体(フォント)は避けるべきです。なおかつ正方形ギリギリにレイアウトすると余白としてケラれるので少し内側に納まるようにレイアウトしたほうがよいです。私は初回の注文でこれらの位置関係を実験しています....。
ロゴや写真については著作権に抵触しないように気を付けましょう。つまり芸能人の写真やアニメのキャラクタなどは基本的に使えません。会社や製品のロゴマークやロゴタイプも同様です。友人と3人で一緒に撮影した写真は全員の許諾が必要です。楽器も市販のものをそのまま使えません。 私が注文したときは数日後に電話がかかってきまして、「ロゴはおたくのものですか? 楽器の写真の権限はどうですか?」と確認されましたよ。もちろん写真は自分で撮影し、ロゴだって私がオリジナルで作った書体なので問題はありません、イ〜〜〜〜ダ!
ちなみに申込書の裏にはこのサービスの利用規約が書かれていますので一読しておきましょう。ただ..... ここも申込書を備えてある郵便局によっては訂正が入っていたりいなかったりしますけど(笑)。初期の申込書は人物以外の写真を認めていませんでしたし、一人あたり1シートしか注文ができませんでしたが(やる気があるのか郵便局!?)、さすがにその後の申込書はその項は削除されています。今後、申込書の書式や内容(サービス自体も)変わっていくこととは思いますが...... 。
(4)郵便局窓口に申し込みます。
ハガキとかの郵便物窓口ではなく為替とかの窓口のほうです。さきの申し込み用紙に代金を添えて支払います......... 振り込み処理が終わると窓口のお姉さん(郵便局はたいてい髪がおさげ)が振り込み用紙の控え(半券)をくれますので大事に保管しておきましょう(問い合わせ番号がついていますので)。申し込みからおおむね3週間程度で自宅にオリジナル切手が郵送されてきます! ワクワク......。
じつは私が注文したときには申込書を差し出したとたんに窓口の局員は動きが止まりまして..... そのまま局員は姿を消しました。そう、はじめてこのサービスを受け付けたようで裏にまわって確認しているようでした。前もって知らされていないのでしょうか? しばらくして戻ってきて処理を続行...... 代金振り込みが終わって半券を受け取って帰ろうとした私に....... 窓口局員は写真のついた申し込み用紙を私に差し出します.............. ???????............
ちょっと待てよ......... この写真を私が受け取って.......
注文票と写真を依頼主が温めてどうする? そこで私はこのサービスの流れを窓口の局員に説明してようやく写真をお預かり頂いたのでありました、やれやれ.....。切手印刷といった実際の制作は委託業者が行うのでしょうけれど窓口は最低限の事務手続きは知っておかないといけませんね。自社製品を知らない会社員ってありますかね?
ちなみに...... 数日後、ほかの写真でも作りたくなったので隣の市の郵便局に出掛けて申し込んだのですが........
どちらもかなり大きな局で夜間もやってる規模ですよ。でも同じでした........ 「写真付き切手」というサービスそのものをはじめて目にしたらしく、さきの郵便局と事態は同じ.... 私は再びコトの次第を説明して........ 。
窓口の「真っ向サービス! 郵便局」のノボリも虚しく、私は郵便局をあとにしたのでありました...........。
あぁ、 今回はなんだか悲しい「私的素敵頁」......。
補足:このサービスと記事は2004年3月現在のものです。予期なく郵便局のサービスの内容が変更される可能性があります。
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