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さて、当クレーンホームページの弦楽器製作にかかわる、あるいは役にたちそうな文献・資料を紹介するコーナーです。
最初に断っておきますが本格的に歴史的な楽器を製作するのであれば日本国内にはさほどありません。あえていえば音楽月刊誌などの記事の一部や製作団体や個人のまとめた資料ぐらいでしょう。ヴァイオリンに関してもいくつかの日本語文献もありますが数は決して多くありません。ギター、リュートなどの楽器はヨーロッパを中心とした文化で歴史上長い年月を重ねてきただけのこともあって、文献の内容や専門性においてイタリア、フランス、ドイツ、イギリスなどの出版物・論文は充実しており、これらに頼らざる得ないのが現実です。またヨーロッパやアメリカでは楽器製作の盛んな団体も多く存在しますので、ときに面白いものが小規模に出版されたりしています。
私が本格的に楽器製作をはじめて最初に苦労したのが資料収集でした。ひとまず日本国内の過去の書籍などを探しまわったものの、月刊誌の特集記事として廃刊になっているものがほとんど。知り合いからバックナンバーを貸りたり、国会図書館で検索してコピー(たいていの図書館ではコピーサービスがあります)したり.....。それでも得られた収穫はわずかで、しかも古い文献が多いせいか誤りの記述もけっこう見られます。そうです、近年明らかになった楽器の歴史の事実や研究成果などもチェックする必要があるのです。そうなると国際的な視野にたって資料を探すことは避けられず「わたしゃ英語がニガテ.... 」とばかりも言っていられません。ましてフランス語やイタリア語、ドイツ語の文献に貴重なものも多いのです。近年、私は中学で学んだ英語を復讐、おっと、復習し、なおかつ海外製作家やショップとのやりとりも増えて少しづつですが外国語で買い物ができるようになりました。コンピュータ/Webの多言語辞書ソフトも大活躍しています。海外の製作仲間と交流を持つことで海外の書店や研究家や演奏家やコレクターから希少な文献を譲ってもらうこともあります。とくに古い文献に関しては多くが絶版ともいえますので楽器仲間のコネクションは非常に重要であるわけです(お金の問題だけでもないのです)。
★クレーン絶版の定理 「良い文献ほど早く絶版になる」
古楽器の資料はギターのみに限定した文献として探しても成果は少ないでしょう。つまり、ギターについての文献を探すというよりはヴァイオリンや鍵盤楽器も含めた楽器全般に関して広範囲に資料を探すことになります。過去に出版された文献をネタとして刷り直した本もあります、私自身、折角苦労して入手した本がすでに別のタイトルで所有していた本とほとんど内容が同じだったということも少なくありません。ギターに関してはエレキギターやアコギとひとまとめにして扱われている書籍も多いのでタイトルだけでは判断しにくいこともあります。インターネットなどの書籍検索ではタイトルだけで中身がわからないまま購入せざる得ないこともあり、しばしば冒険(無謀ともいふ)も侵します。表紙はおろか内容の説明もろくに無く「リュート」で探しあてた本を注文して届いてみると恋愛小説だった...なんてことも(何回も)あるのです、ホント(笑)。
※ 2000年ごろから本格的にインターネットの検索が深くなりはじめたおかげで、稀少な文献や新たな研究による新刊の情報なども入手しやすくなりました。2020年現在ではネットの支払いも多様化し、SNSでのつながりも普及して弦楽器資料を探すには紙媒体に限らず恵まれた環境になりました。ちなみにアマゾンジャパンが登場したのは2000年11月1日
軽いキモチで鶴田蔵書のリスト作成をはじめたものの.....出るわ出るわ、山のごとく....いつのまに私はこんなに集めたのでしょう...。価格表示についてですが、輸入書は為替レートの変動もあり、入手した当時の価格は目安程度にお考えください。絶版となった古書では当時よりも現在のほうが流通価格が高価な場合もあります。くれぐれも、最新文献であっても間違いや勘違いの記述が含まれるケースもありますから可能な限り、様々な出版社のものを比較したり製作家などと情報交換し、照らし合わせることも時として必要であることを覚えておきましょう。書物だけでなく、世界中のホームページのなかにも記載に間違いがあったりします。クレーンホームページだって記事を書いたときは常識であっても、後世では研究が進んで間違いになる可能性があるかと思います。
※ このコーナー/ページは1997年の記事です。後年、数回更新。説明文はほぼ当時のままです。廃刊・絶版になっているものも含みますが古書/古本として探すときの参考にドゾ。
■ 追加文献第9弾 2020年12月、2021年4月
● スペイン式クラシックギター製作法 禰寝孝次郎
● MAKING MASTER GUITARS (日本語版を追記)
■ 追加文献第8弾
● Historical Lute Construction (歴史的リュートの製作 )
■ 追加文献第7弾
● Progressive Masterpieces of the 19th Century
● Masterpieces of Guitar Making
● Geschiedenis van de luit en de gitaar
● Geschiedenis van de mandoline
● Guitart SPECIAL (The baroque guitar)
■ 追加文献第6弾
● 絵画材料辞典
● The World of Romantic & Modern Musical Instruments
■ 追加アイテム第5弾
● INSTRUMENTISTES ET LUTHIERS PARISIENS
● Viols, Violins and Virginals
■ 追加文献第4弾
● GUITARS from the Renaissance to Rock
● 楽器の歴史
● The World of Baroque & Classical Musical Instruments
■ 追加文献第3弾
● Making Early Stringed Instruments
● Musikinstrumente des Mittelalters und der Renaissance
● J.S.VUILLAUME (Sa Vie et son Oeuvre)
■ 追加文献第2弾
● Acoustic Guitars & Other Fretted Instruments
■ 追加文献第1弾
● VIOLINS and other Stringed Instruments and How to Make Them
● Musical Instruments and Their Decoration
● Victoria and Albert Museum Catalogue of Musical Instrumnts Vol.1
● Victoria and Albert Museum Catalogue of Musical Instrumnts Vol.2
● LA LIUTERIA CLASSICA E IL LIUTAIO MODERNO
● The World of Baroque and Classical Musical Instruments
● Musical Instruments through the ages
● The Art and Times of the Guitar
■ ギター製作・リペア専門
● Guitar Making Tradition and technology
● MAKING MASTER GUITARS (英語版と日本語版)
■ ヴァイオリン製作、古楽器解説 関連
● GEOMETRY, PROPORTION AND THE ART OF LUTHERIE
● Leopold Widhalm und der Nurnberger Lauten - und Geigenbau im 18. Jahrhundert
● DIE LAUTEN - UND GEIGENMACHER DES FUSSENER LANDES
■ クラシックギター名器録・写真など
● Collection of Fine Spanish Guitars
■ リュート、ビウエラ、バロックギター、19世紀ギター製作 関連
● PERFORMANCE ON LUTE GUITAR AND VIHUELA
● ルネサンス リュート 教則本/ バロックリュート 教則本(水戸茂雄)
■ 音楽・楽器歴史全般・楽器辞典
● 世界楽器大事典
● 楽 器
● 音 楽
● 楽器の世界
■ 月刊誌などのバックナンバー その他
■ カタログ等の資料
備考:弦のカタログについては当クレーンホームページの「弦のコーナー」参照。
■ その他
● HOW TO PLAY MANDOLIN(フラットマンドリンの教則本)
● MELBAYのマンドリンTAB譜(タブ譜)による曲集・教則本を各種
● ウクレレ・ソロのタブ譜 「永遠のベストメロディー」(五十嵐有爾)