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クレーンホームページの 私的素敵頁 / Shiteki Suteki Pay のコーナー(#備忘録でもあるのだ)。
地味に好評なのがこの、めんどくさくて楽しい鉄カメラシリーズです。あ、いや、今回は木製ボディです。
中判カメラと大判カメラの中間ぐらい? 1900年代初頭にコダック社が盛んに作ったデッカイロールフィルム用カメラ 3A の登場です。
現在でも入手が容易な120判ブローニーフィルムを使えるよう工夫してでっかい写真を撮ろう!というものです。
※ 以下、写真クリックで拡大表示
■ 恐るべきコダック! ロールフィルム規格乱発
今回のカメラ、No.3A(MODEL B-3) やたらデカイ! ※ 実測 25x12x6.5cm
カメラマニアのあいだでは「でっかいカメラ」といえば コダックの 3A を指します(#ホントか?)
1896年発売の折り畳み式ポケットコダックのシリーズのひとつで、名称は No.3 A です。もちろん No.3 のほかにもフィルムフォーマット等の異なるNo.1とか No.2、 No.4 などのシリーズがありました。
3A は122型フィルムを使う1903年発売のシリーズ。一言で 3A といっても、 MODEL ●-▲ という派生モデルが枝葉のようにあって(MODEL A, B, B-2, B-3, B-4, B-5, C )、レンズやシャッターやファインダーなどが微妙に異なるモデルをセッセと作っていました。
たぶん当時のコダック社の社員やカメラ店の店員もよくわかっていなかったんじゃないか?というぐらい、うじゃうじゃ作られました。この時代多くのボディは木製でしたが、モデル名が内部に刻印してあったり印刷してあるので、注意深く探せばちゃんと目的のカメラが見つかります(#改造品もあるでしょうけど)。
つまり、現在の私たちの立場から見れば「選べます」。
当時は122型ロールフィルムを使って 8.5cm x 14cm のハガキ判サイズで6枚撮れました。なんて贅沢な時代でしょう。
一般的には大判サイズが 9.6x12cm(4x5inch:シノゴ)からと言われているので、面積としてはほぼ大判。アオリ撮影も行うためイメージサークルが恐ろしく大きいです。単純に考えても直径17cm以上必要です。コダック社は19世紀の終わりにロールフィルムを発明しましたが、そののち寸法の異なるロールフィルム規格を連発し、昭和の終わりに至るまで私が調べた限りでは少なくとも25種類以上の規格を作りました(このページ下に列挙)。
ホルダータイプ(パトローネやカートリッジ入り)を含めると35種類ぐらいありました。コダックですから、事実上の標準規格。こんなにたくさん。
実際、人類にとって画期的な発明でした。乾板式あるいはシートフィルムは準備に手間がかかるうえに撮影時も1コマづつ差し替えねばならず、重量もあってかさばります .... 。
巻き上げればどんどん次のコマを撮影できるロールフィルム。瞬く間に普及していきました。山岳写真愛好家にはとくに歓迎されたに違いありません。
【メモ】じつは、そう言いながらも乾板/シートフィルム愛好家を無視するわけにもいかず、 当時は3A のいくつかのモデルでも裏ブタの一部をシートフィルムホルダーに交換して撮影出来るオプションも用意されていました(#やっぱりね〜 ... なかなか一発で切り替えられず)。
■ 選べるレンズ 選べるシャッター
当時の多くの 3A は米国のボシュロム社製のレンズ(現在でもコンタクトレンズでおなじみですな)を搭載していました。
なかでもよく知られるのがラピッド・レクチリニア(RR)と呼ばれるタイプ。二群四枚の対称の構成。しかし私が入手した個体はドイツ ゲルツ社の名レンズ ダゴール を備えています。 おぉ!アメリカのカメラなので国産レンズを使うべきところを、ドイツ製レンズ。それだけゲルツ社のレンズが当時、国際的な支持を得ていた証なのでしょう。
これは 3A MODEL B-3 なので168mm F6.8ですが、同じ3Aシリーズでも 3A MODEL E-4などはダゴールの 125mm F6.8が付いていたりします。私の場合はむしろ、ダゴールのレンズで撮れる中判カメラを探していて、偶然 3A を見つけたのです。ラツキイ池田でした。
同じ 3A でも焦点距離が異なるレンズのモデルがいくつもあります。Kodak Anastigmat F7.7 や Kodar F7.9 などなど ... 英国モデルでは Tessa F6.3 や Tessar F5.3 や Kodak Anastigmat F6.3 などもあるようです。なかには、のちに改造されたものもあるようです。
シャッターはコダック自社製だけでも数十種類あり、エアシリンダー式、ボールベアリング式やそうでないもの、I、T、B の3セレクタのみ、1/100秒が付いたもの、絞りの範囲違い、サイズ違いなど、これもまた多岐にわたり大量に現存します。そして、その多くが壊れても交換がカンタンでメンテナンスしやすいのです。
C.P.Goerz Serie III Dagor 168mm F6.8
【メモ】デンマーク貴族の子孫といわれるエミール・フォン・フーフというお兄ちゃんが独学でレンズを作って遊んでいたのです。あーでもない、こーでもないとブツブツ言いながら日々レンズを設計して楽しんでいましたとさ。ある日、就活でドイツのカール・ツァイス社(100mを10秒で駆け抜ける集団)へ自信作を持ち込みましたが、あっさり門前払いされます。くっそ〜〜〜! とムカついたものの、ランクを下げるほかなく、社員25名のゲルツ社へ持って行ったワケよ(#だいぶ下げたね)。そしたら、そこでは大歓迎されて入社。ヨシ!君に任せる! ガンバレ! 好きにやらせてもらったのでしょう。そして完成させたレンズがダゴール/Doppel-Anastigmat Gorz。これが国際的大ヒット。おかげでゲルツ社は12000名の大企業となったのでした。町工場を大企業に480倍成長させた、とてつもない高性能レンズだったのです。クラカメ/名玉を探すならダゴールは外せないカテゴリーです。
※ かなり脚色してます
■ 120フィルムで撮るための改造 8.5x14cm ⇒ 6x14cm
現在は122型(幅が8.5cm)のロールフィルムは製造していないので、 入手可能な120型 のいわゆるブローニー判のフィルムにアダプタを付けて撮影します。
アダプタは日本国内ではほとんど見かけませんが海外のeBAYなどで売られています(4個2組で1000円ぐらい)。但し、このテのアダプタは3Dプリンタで作ってあり、売主によって寸法がビミョ〜に異なり、加工しないとカメラに入らないものもあるので要注意です(私は自分で削って調整しました)。
上下を隠すマスクとして硬質塩化ビニール板(アクリサンデー)を使います。約2cm幅で短冊状にカッターで切り出し、内面に紙ヤスリをかけて反射を防ぎつつ、いつでもオリジナルの状態に戻せるように両面テープで貼り付けます。加工はさほど難しいものではありません。本来の8.5x14cmの露光面はこの改造で約6cm幅になります。露光開口部にフィルムが落ちないように位置決めせねばならず、実際には57mm程度になります。
そして忘れてはならないのが平面度を保つためのフィルム圧着板です。
あれこれ試してみました。やりかたはいろいろありますが、今回は遮光用モルトを流用しました。こういった改造では圧着板が不要なものもありますが、この幅では必ず加工が必要です。押さえないとフィルムがふくらんでしまって撮った写真の両側にムラが出ます。また、コマ送りの長さが不安定になります。
ここではモルト方式ですが、箱形の3A のようにカメラの構造によってはボール紙方式も有効ですので、機会をみて続編で製作例を挙げます。
あと、必須でもないのですが、巻軸/スプールのフィルムがたるまないように「押さえ」板を入れます。これがあると常にフィルムがピンと伸びた状態に近いので巻き上げのコマ間隔が安定します。
硬質塩化ビニール板(アクリサンデー)から幅2cm x 4cm程度に切り出してカドを丸めただけの板です。丸くクセをつけてやりボディに接着します。スプールに振れる程度まで曲げます。裏紙側に接触して弾力があるのでフィルムに傷が付くことはありません。
神は言われた、「右のスプールを押さえたら、左のスプールも押さえなさい」。
■ ファインダーを付けよう
こういった蛇腹カメラでは、撮影時に画角を決めるためのミラー式ファインダーが本体レンズボード脇もしくはレールボード脇に備わっています。しかし、これがとても使いづらい。いや、とても実用には耐えないと個人的に思います(#当時の人はこれでよかったのか?)。
それで、標準レンズの画角に相当するファインダーを別のカメラから移植しました。これは6x9cm判 フォクトレンダー社のベッサ / BESSA のジャンクからもぎ取ったもの。画角が標準であればなんでもいいのですが、ボディのデザインを多少なりとも意識してコレにしました。折り畳み式でコンパクト。ワンタッチでパカン!と開きます。板バネが良くできていて畳むときもワンタッチ。 わずかに下向きに設置するのがコツです。ついでに実際の改造画角に近くなるようにパーマセルテープをマスクとして上下に貼っておきます(いつでも元に戻せるように)。タテヨコ比だけみればかなりワイド。パノラマ風ですね。
一般的なアクセサリシューを取り付けておき、露出計や単独距離計や現代の明るいファインダーを付けるのもいいカモ。
但し、近接撮影ではパララックス/視差補正を忘れずに。
はい、改造完了。外観はファインダーが無ければまったくフツーの3Aですが、内部はしっかり120判仕様。
カウボーイの国ですから、張り革は良質な牛のシボ革を漉いたもので非常に耐久性が高いです。しかし、いったん剥がれ始めると痛みが進行しやすいので早めに(あるいは予防的に)補修しておきます。
横向き(横長)でカメラを置いて撮影するときには、レールボード/ランナーボードからラダーを引き下ろして上下の角度調整もできます。
ランナーボードは木製で綺麗にニス塗りされています。味ですよ、味。
バーガンディの蛇腹がオシャンティ♪
■ 絞りの読み方に注意
絞りの指標板にはなぜか 4 6 16 32 64 128 と刻印されています。
あれ? F4なの? このレンズは Dagor 168mm F6.8 なので、開放絞り値は F6.8 のハズ。改造品?
いえいえ、この時代はまだ絞りの度合いはF値の表記で統一されておらず、各国・各社・各モデルごとにまちまちでした。
古い時代のカメラでは絞りリングや鏡胴に 4 と書かれていても必ずしも絞り値は F4 ではないのです。なんてまぎらわしい!この個体は U.S. つまりユニホーム・システム(ユニフォームシステム)で刻印されています。カッコ内が相当する実際の絞りF値です。
US4(F8) US8(F11) US16(F16) US32(F22) US64 (F32) US128(F45)
他にもよく見かける 1-2-3-4シーケンスシステム なんてのがありまして、これも相当するF値を書いておきます。無印まで絞りが動かせる場合はその位置が F4 となります。1(F8) 2(F16) 3(F22) 4(F32)
まぁ、古い時代のカメラは当時の習慣や作法があるのですな。
うっかりミスを防ぐため、テープに書いて目立たないところに貼っておきます(#ホントまぎらわしいんだから)。
ピントを合わせるためのスケールはフィートFeetとメートルMeterの両方が刻印されているので、これは便利です。しかもけっこう正確。
【メモ】私は銀塩写真では1mから5m程度の近接で撮影するような場合はレーザー距離計を使っています。重宝します。ちょ〜オススメです。
中判や大判カメラではピントがシビアなうえに目測だと不正確ですから、フィルムの無駄遣いを防ぐにも有効。
コダック3Aを使う場合は被写体面からレンズ先端まで(フィルム面ではなく)を計ります。今、流行のワーキングディスタンス?ですな(笑)。レーザーで読み取った距離にレンズのフォーカスストッパーを合わせて撮ればピントが合います。
ドイツの古い蛇腹カメラではピント合わせの距離スケールに Hinter Linse と刻印されていることもありますね。時代が下って135判(ライカ判35mmフィルム) 用のカメラでは長い望遠レンズも交換して使えるようになったためか、フィルム面から被写体までの距離が距離スケールとしてリングに刻印されていることが多いようです。
レーザー距離計はメートルとフィートの両方を持っていますが、計量法により日本ではFeet表示のものが売られていませんのでアメリカのAmazonから購入しました。もともと建築分野で使う計測器ですが、これは一番安い部類にもかかわらず、おおむね15mから20mの距離で使えるので写真撮影には充分です。ボッシュBOSCH製で距離は計測器の先端ではなく計測器のオシリから対象面までの距離を液晶に表示します。間違えないように!
ついでにパララックス補正も忘れずに!
※ レーザー光は危険なので、よい子は人に向けて使ってはいけません
■ コダック3Aの120巻き上げレシピ:時計方式
3Aのカメラ本体の裏側にはいわゆる赤窓が付いていますが、それは122フィルム用なので使えません。光漏れを避けるため塞ぎます。
それなら、ということで巻き上げ軸の回転角度を読み取って巻き上げ、長さとコマ間隔を決定します。私はコレを勝手に時計方式と呼んでいます。テスト用フィルムを装着して巻き上げながらフィルムにペンで目印を付けてコマ送りの長さを確認します。 古いカメラで赤窓が無いモデルでも有効な方法です。
この改造3Aでは120フィルムで 6x14cm判にて5枚撮影できます。【Kodak 3A の120フィルム巻き上げレシピ】
(0)まず、シャッターが T や B の位置でないことを確認します。
(1)120フィルムをセットしてリーダー(裏紙)の先端を巻取スプールに刺して留める(滑るならテープで留める)。
(2)少し巻くとすぐにSTART←→が現れるので左端のローラー(キャプスタン)位置で停止して裏蓋を閉じる。
そして9回転(さらに+2hから+3h)で1枚目がセットされる。 h は時計の1時間分の角度のことです。
1枚目を撮影したら 3回転+3h 巻くと2枚目がセットされる
2枚目を撮影したら 3回転+0h 巻くと3枚目がセットされる
3枚目を撮影したら 2回転+9h 巻くと4枚目がセットされる
4枚目を撮影したら 2回転+9h 巻くと5枚目がセットされる
5枚目を撮影したら蛇腹を伸ばしたままで最後まで巻き上げる。約3cm余る。【メモ】私はこれを印刷して手帳に貼ったりカメラの背中に貼ったりして使っています。撮影メモをとる習慣も身に付きます。
■ コダックNo.3 A モデルB3 ダゴール F6.8 の作例
DAGOR 168mm F6.8 FUJIFILM ACROS 120判 ISO 100 現像:Xtol 1+1
● 初回の試写(抜粋3例)
サムネイル画像をクリックすれば大きな画像を表示します。
奇跡的に光漏れ無し! 赤茶色系の蛇腹を持つ 3A は蛇腹の状態の良いものが多いようです。革の厚みも違うのでしょう。
シャッターも正常動作、コマ重なりもなく間隔も悪くないです(初回の試写のあとで少し時計レシピを修正しました)。1枚目 はたらく自動車 おじどうしゃん F22 1/100sec
2枚目 高所作業車 F16 1/100sec 目測10m
3枚目 竹林と猫車 F6.8 1/25sec ハンドルにピント
4枚目 テーブルセット F22 1/100sec 無限遠にピント
5枚目 シュロと切株 F8 1/100sec
さすがに 6x14cm はでかい! 私みたいに16mmカメラをずっとやっているような人は、ミスして1枚撮り損ねたら1週間は気落ちするでしょう。
作例の「高所作業車」では距離が10mぐらいでしたが、このときは人がいたのでレーザ距離計は使わずに目測でフォーカッシング。
カメラやレンズの機能を確認するための試写なのですから、絞り開放でも撮りたいのですが、快晴でどこへ行っても明るい。
そこで、竹林に分け入ってどうにかネコ車を撮影(露出アンダー気味)。これがF6.8でピントはハンドル位置に合わせました。F6.8とはいってもフィルムサイズが大きいので被写界深度は相対的にかなり薄いのがわかります。背景はこの条件下ではチリチリした感じもなく柔らかくボケています。あいかわらずスキャナの性能がいまいち(#フツーのフラットベッドスキャナにLEDトレース台をかぶせただけ)。
「テーブルセット」ではフィルムの左右の端が反っているのがわかりますよね? この結果を受けてマスク幅と圧着板を調整したのでした。
ちなみに全て手持ち撮影。どれもわずかに手ぶれがあるような? 仕事の昼休み時間なので、さすがに三脚を持ち歩くのは人目につくので、はばかられまする .....
● 二回目の試写(抜粋2例)
1枚目 露光ミス(シャッターをTのままフィルム装填、1週間落胆)
2枚目 坂の町 F28 1/100sec 手ぶれ
3枚目 古タイヤ F32 1/100sec 2m至近距離
4枚目 回廊 F128 1/25sec コンクリート台に乗せて撮影
5枚目 テーブル&チェアーの群れ F32 1/100sec 距離は15mと30mの中間にセット(実際は約10m)
近接撮影の作例「古タイヤ」は逆光で2mぐらいまで寄って撮影。直径1mを超える大きいタイヤで、細かいヒビや雨上がりの半乾き感がよく出ています。
左脇に潰れてペチャンコの空き缶とそれがズレた痕まで確認できます。右脇の雑草の猫じゃらしもなかなか明瞭です。
う〜〜〜む、このレンズ、やはりタダモノではない。★オマケ:スキャンしただけの元データ: TIFFデータ [ 170MB ]
もう一つの例「テーブル&チェアーの群れ」では左から3番目のセットがカメラから約10mですが、ピントはスケールの15mと30mの中間にセットして撮っています。これぐらいの中距離でパンフォーカスで撮りたい場合はF32以上に絞り込み、被写体よりやや遠くにピントを合わせればうまくいくようです。
【メモ】大判に迫るサイズでありながら、ファインダーを追加したおかげでフツーの35mm判のカメラと同じように軽快に撮れます。むしろテンポ良く撮りがちなので気をつけねばなりません ...(# たった5枚だしね)。もちろん本来備わっているミラー式ファインダーも併用できるので、かなり使いやすく感じます。
● 今日のPAY
イギリスの骨董屋さん(eBAY)から購入。この手のカテゴリーは20年前に比べると1/4ぐらいに相場も下がっているように思います。
同時に状態の良いものも減ってきているのでしょうけれど。
さて、今日の私的素敵Payは 74ポンド。現在のレートで約9800円。送料込みで13000円ぐらいでした。
入手が容易な120フィルムを使って壮大な6x14cm判で撮れます。綺麗なダゴールレンズ、光漏れ無し、メカニズムも好調、たいへん満足。
Eastman Kodak No. 3A FOLDING POCKET KODAK MODEL B-3 eBAYにて 送料別 74ポンド(¥9800)
【メモ】くれぐれも注意が必要です... Googleで安易に Kodak 3A などと検索するのはオススメしません。莫大な数がヒットしてクリックし続けることになり、二度と戻ってこれなくなります .....(本当)。前もって求めるモデル名とレンズなどを絞っておくべし。老婆心ながら ...
● ロールフィルム型番とサイズ 2020年10月23日現在
フィルム番号(フィルム型番)と製造期間、画面サイズ(フィルム幅ではなく写るサイズ)を挙げます。寸法の小数点以下は省略。
米国Wikipediaや海外のサイトから私が抜粋して日本語で再編集したものです。インチはすべてcmに再計算しました。
パトローネやプラスチックのケース入りではないロールフィルムです。126判のように同じ型番でサイズが異なるものもありました(廃盤の型番を使い回していた)。
101 1895 -1956年 89 x 89 mm
102 1895 -1933年 25 x 51 mm
103 1896 -1949年 100 x 125 mm
104 1897 -1949年 120 x 95 mm
105 1897 -1949年 57 x 82 mm フォールディング・ポケット・コダックなど ※120と同じ幅
115 1898 -1949年 171 x 120 mm
116 1899 -1984年 64 x 108 mm No.1Aフォールディング・ポケット・コダックなど
117 1900 -1949年 57 x 57 mm
118 1900 -1961年 83 x 108 mm No.3フォールディング・ポケット・コダックなど
119 1900 -1940年 108 x 83 mm
120 1901 - 現在 57mm幅 No.2ブロウニーなど、6x4.5cm(57x41mm)、6x6cm(57x57mm)、6x9cm(57x83mm)、などなど
121 1902 -1941年 41 x 64 mm
122 1903 -1941年 83 x 140 mm ハガキサイズ No.3Aフォールディング・ポケット・コダックなど
123 1904 -1949年 102 x 127 mm 4x5inchに近い
124 1905 -1961年 83 x 108 mm
125 1905 -1949年 83 x 64 mm x 2コマ 122と同じ幅でステレオ撮影
126 1906 -1949年 108 x 165 mm 本来No.4Aフォールディング・コダック専用だが戦後この型番はプラスチックカートリッジ28x28mm判に割りあてられた
127 1912 -1995年 41mm幅 ベスト判(Vest pocket)41x 41mm、41x 32mm、41x 64mm ベビーブローニー他
128 1912 -1941年 38 x 57 mm 主に英国の折り畳みカメラ用
129 1912 -1951年 48 x 76 mm 主に英国の折り畳みカメラ用
130 1916 -1961年 73 x 124 mm No.2C オートグラフィック・コダックなど
135 1934年 - 現在 24 x 36 mm 参考:いわゆるライカ判。現在でも容易に入手可能な銀塩フィルムの代表 ※パトローネ入りロールフィルム
220 1965 - 2017年 57mm幅 120ブローニーの裏紙無し 6x4.5cm(57x41mm)、6x6cm(57x57mm)、6x9cm(57x83mm)、などなど
616 1931 -1984年 64 x 108mmまたは64 x 54mm
828 1935 -1985年 28 x 40mm 1コマに1パーフォレーション
● リンク集 ( 参考サイト)
コダック社のロールフィルムの歴史:The History of Kodak Roll Films
David Purcellさんのサイト:Antique & Vintage Photographic Equipment No.3A
Wikipedia:ロールフィルムとは
Wikipedia:ブローニー フィルム型番ごとのコダック社のカメラも紹介してある
Wikipedia:ポケットコダック ポケットと名付けられたシリーズだが、ほぼすべてポケットには入らない
Wikipedia:620フィルム 120と同じフィルムを使うがフランジと軸が小さい。6x9cm判の105フィルムと117フィルムの解説も有り
Wikipedia:116フィルム 同じ6.5x11cm判の616フィルムにも言及している
Wikipedia:126フィルム 戦前の「No.4Aフォールディングコダック」がのちにインスタマチックフィルムの型番に割り当てられた
Wikipedia:127フィルム いわゆるベスト判で国際的に普及したが、やがてレチナ+135フィルムに駆逐された
Wikipedia:135フィルム 1934年にレチナ+135フィルムとして登場。裏紙無しのロールフィルムが金属製パトローネに入っている。現行型番。
Wikipedia:828フィルム 穴無しの35mm幅で画面サイズは28x40mm。パトローネ入りで同じ幅のボルタ判とは互換無し
Wikipedia:ボルタフィルム コダック規格ではなくドイツ規格の35mm幅の穴無しフィルム。なぜか日本で発展した。
● あとがき
ふぅ ..... 疲れた。
書ききれなかったので続編をあとで追加公開します .....
記事:2020年10月24日 コロナ騒動いまだ収まらず
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