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2日目の標準レンズは富士フィルム FUJINON 45mm F1.9
【平成筑豊鉄道】[Map]
福岡県の行橋市~田川市~直方市を結ぶローカル鉄道
明治時代からの炭鉱鉄道
現在は第三セクターの平成筑豊鉄道によって運営されています。
出発前の行橋(ゆくはし)駅にて撮影。軽く1枚。
今日はFUJINONレンズをメインで撮ります。
いきなり雰囲気の違う写りで仰天。なんじゃこりゃぁ〜! ←松田優作 風
自転車が2台写っているのがわかります?
出発の朝からテンションが上がるワタクシ GO! GO! TAXI GO!
※ フジノン 特大画像
行橋駅で平成筑豊鉄道の切符を買い「乗り場」へ向かいます。
ICカードは使えません(2022年8月現在)。
JRのホームを奥へ歩くと平成筑豊鉄道になっていました。
地方ローカル線なので寂しい佇まいを勝手に想像していたら、
あまりにも立派でちょっと迷って一旦引き返し、二度見しますた。
ナルホド JRのホームの先っぽを借りてるわけですな。
※ 左右:フジノン
車内の造りはバスの乗車券方式です。後ろ乗り前降り。
写真左は45mm F1.9 フジノン。
写真右はスーパーワイドヘリアー15mm F4
※ 左:フジノン 右:ヘリアー
山林をかき分けて登るように走ります。ナンダサカ♪ コンナサカ♪
ローカル線の旅はいいねぇ ...
ちゃんとエアコンが効いているのが現代風。
昭和の鉄道の旅と違って快適すぎる。
※ フジノン
行橋駅から田川線に乗って30分ほど過ぎたでしょうか。
平成筑豊鉄道の最初の目的地に着きました! 源じいの森駅 [Map]
もちろん無人駅。
2枚目の写真は望遠レンズを持っていないので1/4サイズでトリミング。
3枚目の写真は撮った実サイズで縮小していません(大容量データ)。
なんでフジノンはこんなに良く写るの!?
※ 左中右:フジノン お前の時代だ
源じいの森駅の時刻表。けっこうな本数が運行されています。
夜10時代まで1時間に1本ある! すごい! アリガタイですなぁ。
ローカル線にしては恵まれています。しかもエアコンで快適。
アリガタヤ! アリガタヤ! ナンマンダブ! ナンマンダブ!
しかも土日や祝日もカンケー無い! 全部いっしょ。
わかりやすい!アリガタイ! ナマンダーブ! ナマンダーブ!
※ 左右 フジノン
源じいの森駅のすぐ東側に石坂トンネルがあります。
(ついさきほど中をくぐってこの駅に着いた)
石坂トンネル周囲は予想どおり? 草木が猛々と生い茂り、
ほとんど姿が見えませんがどうにか撮影。
事前調査と現状は当然ながら違いますな。
高解像度のレンズで撮ってトリミングすれば長いレンズは要らん?
※ 左 中 右 フジノン(すべてトリミング)
【第二石坂トンネル(第2隧道)】
文化庁 国指定文化財等データベース
明治28年(1895年)建造。九州で初めて作られた列車のトンネル。
といっても、このあたりの路線はもともと石炭を運ぶためのものでした。
九州では最も古い鉄道のトンネル。しかも現役です。
両端は切石積みでアーチ部のみ煉瓦。
将来の複線化を見越して幅広に作られましたが実現せず。
それでトンネル内は広いのです。
半円というより平たい馬蹄形の美しいアーチです。
・Wikipedia 源じいの森駅
すぐ近くに貨物列車用に試作された高速車掌車「ヨ9001」型の展示。
そろそろ再塗装したほうがいいカモ。
※ フジノン
10時を過ぎたので朝昼ご飯を食べようか?
と思ったら駅前の食堂はお休み。
基本的に私は1日2食なので、
朝昼ご飯をどのタイミングで摂るかがポイントなのであります。
この先は炎天下をけっこうな距離歩くことになるのですが ...
ひとまず次の油須原(ゆすばる)駅へ向かいます。
【油須原(ゆすばる)駅】
福岡県田川郡赤村大字赤にある平成筑豊鉄道田川線の駅。 [Map]
明治28(1895)年に豊州鉄道会社線の駅として開業。
元は石炭を運ぶための路線ですから、ここが山の頂上にあたり
最後部から押す補助機関車を切り離すために構内が広いのです。
この先は下り坂になります。
国鉄やJRの時代を経て現在に至るまで状態良く保存されています。
1895年(明治28年)設立当時から国鉄、JRに至るまでの
約120年にあいだに部分的な変更や改造が行われてきましたが、
2022年2月に過去にあったはずの扉や窓が元に戻され
照明器具を古い物に交換したり、シャッターを除去
一部のアルミサッシなどが木枠に戻されるなどしています。
いいねぇ。そうでなくちゃ。
※ 左右 フジノン
たびたび映画やTVドラマのロケ地にもなっているようです。
どこかで見たなぁ? と思ったらコロナ期の初めにこの映画を観てました
「東京タワー オカンとボクと時々オトン」
次の写真はヘリアー。
こちらは駅の反対側で村のメインストリートがあります。
しかし、飲食店は見当たらず ... 朝昼ゴハンはまたもお預け。
※ ヘリアー
二重屋根で外壁は下見板張りの造りになっています。
旧国鉄時代の木製の鳥居型駅名標も復刻されました。
※ フジノン
ほんとに広々としています。軒下の柱の上にセミの抜け殻 ...
ローカル線の旅はイイねぇ。(←また言ってる)
※ フジノン
待合室にベンチ以外の余計なものが無いところが素晴らしい。
私に言わせれば、なにも無いってことは豊かさなのであります。
奥に資料展示がありますが、当時の雰囲気にあふれています。なごむ。
駅正面のオレンジの郵便ポストも可愛らしいですな。なごむ。なごむ。
内部は漆喰塗り仕上げ。天井も板張り。 激しく全力でなごむ。
黒板の伝言板も懐かしくていいねぇ ... 。
ツバメの巣まで当時を再現しております ^_^
※ フジノン
やりすぎない修復が良い。
呉服店の古い広告や手荷物預かり所の看板も良い雰囲気。
このレンズ、コントロールしやすく色乗りも良く自然な描写がよろしい。
※ フジノン
外は35度を超える猛暑ですが、ここは風が吹いて心地が良い。
石炭運送時代を偲ばせますな。
超広角のワイドヘリアーで駅舎内を一望にして写し取ります。
※ 左右 ヘリアー
ホームの先に腕木式信号機があって、
これは現在でも操作体験することができます。
梃子(てこ)のグリップを握って起こすと遠くへ繋がったワイヤーで
腕木式信号機の腕木が上がります。
私もさっそく動かしてみました。あぁ、楽しい!
※ ヘリアー
・平成筑豊鉄道サイト
2022年2月10日掲載記事:田川線 油須原駅の駅舎を復元改装。
2021年10月28日掲載記事:復元前の駅の状態はこちら
参考:Wikipedia 油須原駅(ゆすばるえき)
福岡県田川郡赤村の文化財
ひとつ隣の「赤」の駅を通過。ガラス越しに撮ってます。 [Map]
この駅前が赤の広場でレーニン像が立って ... いません、いません。
※ ヘリアー
山村を抜けて列車は走ります。車内ものんびりムード。
ローカル線の旅はイイねぇ ... (←また言ってる)
※ 左右 ヘリアー
内田駅へ到着。 [Map]
駅から内田三連橋梁を目指して歩きます。
以前ほど速く歩けないので木陰を見つけては休み休み。
それにしても暑い ...
※ ヘリアー
強い日差しで気温は40度近い。
しかも朝昼ごはんを食べ損ねています。
この先の焼鳥屋のランチ営業を期待するも夕方からの営業らしい。
まぁ、地方に行くとよくあることです。とくに平日。
でも、今のうちに何か口に入れておきたい。
すると突然、道路脇に自販機を発見! おぉ〜!
写真の神様が見かねて設置してくれたようです。
REAL GOLD(和訳すると現金)
ビタミンと糖分を補給。
全国どんな田舎でもこうやってフツーに自販機があります。
景観はさておき、日本は奇妙に便利な国ではあります。
途中で小さな鉄橋を発見。
この路線にはこういったミニ鉄橋がいくつもあるようです。
このあたりに木陰は少なくトボトボと先へ歩きます。
※ ヘリアー
はい、やっとたどり着きました。
体調との相談ですな。
内田駅から1kmちょっと。なんだか遠くに感じました。
【内田三連橋梁】
文化庁 国指定文化財等データベース
明治28年(1895年)煉瓦造3連アーチ橋、橋長17m、幅員12m。
上流側は切石が貼られていますが下流側は凹凸に煉瓦積みです。
下駄ん歯構造といって将来的な複線化を想定した構造でしたが
遂に実現せずそのままの状態。
またマムシに噛まれないように注意しながら撮影します(笑)
※ ヘリアー 周囲補正
近代化産業遺産(平成19年度 経済産業省の指定)であります。
同時に文化庁の有形文化財でもあるのです。
20mm以下でないと電線や手前ガードレールが写ってしまうので、
避けて全体像を捉えることは困難。
15mmのスーパーワイドヘリアーが良い仕事をしてくれました。
ギリギリまで下がって、歪曲収差を最低限にとどめるために
両手でカメラを上に上げてバンザイで撮影。
内部のレンガも超広角のパンフォーカス効果があってこそ。
SONY本体のマゼンタかぶりが玉にキズ。
※ 左右 ヘリアー 周囲マゼンタ色被り補正
そして次の写真。恐るべき解像度フジノン。やはりタダモノではない。
高コントラスト、潰れない暗部、精彩緻密、広い色域、
ライカのズミクロンよりイイんじゃない?
カメラの色の設定は「Natural」なので発色は地味です。
※フジノン 特大画像
当時フジカ35-SE には F1.9とF2.8のタイプが販売されていました。
1959年発売。現存するカメラはカビが多く、綺麗な個体は希少。
現在の中古相場はフジノン(フジカ35SE)が1円から3000円程度。
ライカM2時代の沈胴ズミクロンはクモリが無ければ20万円ぐらい?
まぁ、ズミクロンもたいていレンズは曇ってます。
※フジノン おまえの時代だ
トンネルの中は日陰で風も吹いてきます。しばし休息。
内田駅へ歩いて戻り、次の目的地へ ...
※フジノン
伊田線に乗り換えて直方駅(のおがたえき)を目指します。[Map]
途中、金田駅で乗り換える際に直方までの料金を払えば
その証明書を発行してくれます。
直方駅に到着。その証明書を渡せばホームから外へ出ることができます。
わりと大きな街ですが、直方駅には改札が無いのです。
※フジノン
直方駅前のお寿司屋さんでうな重をイタダキマス。
時計を見たら午後2時。遅い朝昼ゴハンとなりました。
※ iPhone 5s
【直方市石炭記念館】:
国指定史跡
筑豊石炭鉱業組合直方会議所 および 救護練習所模擬坑道
あぁ、久しぶりの蒸していないうな重が美味しかった。←しつこひ
直方駅から徒歩で南下すること約10分で到着。
蒸気機関車が敷地内に2つも展示されています。
ドイツのコッペル社の32型蒸気機関車。
※左右 フジノン
炭鉱の歴史は鉄道の歴史でもあります。
こちらは C11型機関車。気がつけばお客さんは私だけ?
館長の八尋さんに熱く説明していただきました。
Youtube 6分
※フジノン
館内は一部を除いて撮影可です。
左の写真は昭和初期の直方駅で、タクシーが客待ちしています。
乗ってみたい ...
現在よりも遥かに大規模な駅であったようです。
当初の予想を超える展示の多さと内容の深さに圧倒されます。
ここはぜひ皆さんにもオススメしたい。
炭鉱の歴史は事故との戦いでもあったのですな。
※左右 フジノン
これが炭坑事故の救出訓練のための施設。
当時のまま残されています。
坑内には入れませんが間近で周囲は見学できます。
ガラス越しに撮影。よく写ってます。
※フジノン
炭鉱王と呼ばれた財閥五人衆。特大画像で読めるようにしました。
麻生太吉は麻生太郎のひいおじいちゃん。
フジノン、ほんとに細部まで良く写る。
※フジノン 特大画像
展示されている機関車 C11 131 (1938年製造)
※左右 フジノン
現在、日本の総発電量の1/3は石炭です。
いまだに黒煙をはく煙突のイメージばかりが報道され続けていますが、
21世紀の石炭による発電は蒸気タービンの圧力や温度を
超々臨界圧まで上げ、排煙脱硝装置の導入により発電効率の高い
クリーンなエネルギーなのです。昔とはちがう。
しかし、そのことはなかなか報道されず ...
再生可能エネルギーの売手は、石炭が優れていると不都合なのですな。
参考:2019年度の日本の発電量の内訳は 天然ガス37%、石炭32%、
水力8%、石油等7%、太陽光7%、原子力6%、バイオ3%、風力1%、
地熱0.3%
昔の炭坑ではメタンガスや粉塵による爆発事故、落盤などが多発。
多くの殉職者を出しましたが、
事故の多くはトーチランプが原因であったと。
その改良の歴史の展示もあります。
※フジノン
機関車の向きを変える転車台。 特大画像
その転車台を流用した鉄橋がこの石炭記念館のすぐ隣に掛かっています。
※ 左右 フジノン
ちなみに「筑豊」という地域名称は石炭5社の組合の名前が統合されたもの。
いわば経団連のようなもので古くからの地名ではないそうな。
「筑豊」は明治以降に盛んになった石炭地帯(筑前と豊前)を表しているのだと、この記念館の元機関士の館長にそう教えてもらいました。
石炭記念館。思った以上に充実した展示でありました。
1時間半も滞在してしまいましたが、もっと見たかったなぁ ...
直方歳時館も今回の訪問候補にありましたが、次回へお預けです。
機関車も見たし。
猫も見たし ...(直方の寿司屋にて ... 逃げられて撮影できず)
帰るとするか。
※ フジノン
直方駅からデンチャに乗って
折尾駅で乗り換えて小倉に戻ります。小倉方面直通便もあります。
※ 左右 フジノン
JR筑豊本線は「折尾駅」を軸に3つの分岐路の愛称があります。
若松線(若松 - 折尾間)
福北ゆたか線(折尾 - 桂川間)
原田線(桂川 - 原田間)
しかし、私みたいによそからくると混乱します。予習が必要カモ。
背もたれ部分は積層合板。天童木工製でしょうか?
一見ゴージャスなのですが、背中が痛かった ^_^;
※左右 フジノン
一周しました。
今回もよくがんばった。炎天下も辛抱してよく歩いた。
写真の神様のおかげでイイ写真も撮れたし。
モツ焼きで打ち上げじゃ。
神様 「打ち上げじゃ! 打ち上げじゃ!」
※ フジノン
小倉駅に入っているお店「天神ホルモン」...駅ビルのアミュプラザ
丸刈りの高校生二人がサガリをガツガツ! 喰っていました。
次に来たときははサガリにしようかな。コプチャンもありました。
※ フジノン
ふぅ ... 気が済んだ。
東京へ帰ろう。
ふと気がつきました。
ウチの洗濯機は脱水のときにのぞみの音がします。
※ フジノン
● 今日のPAY
半世紀以上前のカメラを2台入手して自分で改造。
一般の方はアタリを探すのがたいへん(私は悪い意味で慣れてますが)。
マウント変換リングは数百円から。ヘリコイドは3000円ぐらいから。
レンズ改造をやってくれるお店もありますが、工賃は1万円単位。
自分でやれば部品と工賃は最低限。
ヤフオクなどで売られている改造済みのレンズのなかには
工作が雑で精度も悪く使い物にならないものも見られます。要注意。
東京光学 TOPCON UNIREX :1400円
富士フィルム FUJICA 35-SE :2000円
● いつまでも あると思うな ローカル線
都市部への人口の集中。
地方の過疎化が進み利用者の少ない路線は増える一方。
どうにか第三セクター化しても
ディーゼル機関車はどんどん電化されてますな。
ヨーロッパ風のオシャンティーな(←死語)車両になって
駅舎もモダンになっちゃったり ... 。
気がついたらバス転換されてビックリしたり。
いまのうちに味のあるローカル線を楽しみませう ...
◆ 平成筑豊鉄道(旧伊田線・糸田線・田川線):へいちくネット
◆ YouTube ナンダサカ♪コンナサカ♪:汽車ぽっぽ
◆ Wikipedia:特定地方交通線
◆ Wikipedia:
第三セクター鉄道
◆ Wikipedia:第三セクターとは
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記事:2022年8月26日 コロナは続くよ♪ どこまでも♪