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クレーンホームページ 鶴田誠
ファブリカトーレ倶楽部(日本ファブリカトーレ協会)
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日本語版 発表:2003年2月14日 / 更新日:2003年3月3日/ 更新日:2003年8月29日 /更新日:2003年12月6日(12日) / 更新日:2004年7月26日 /
更新日:2004年11月17日 / 更新日:2005年5月1日 /更新日:2006年9月1日 /更新日:2007年9月3日 /更新日:2008年10月28日
更新日:2010年10月1日



西暦2000年から2003年2月までにファブリカトーレ一族に関する文献調査・ラベル追跡・ 楽器(現物)観察を行い、次のような成果を得ました。ここに報告します。

2004年11月,2005年5月,2006年9月,2007年9月,2008年10月,2010年10月:本論文発表後に世界各地から寄せられた数多くのファブリカトーレ情報をもとに報告の内容を修正・更新しました。

 

過去の文献においてジョバンニ・バッテイスタ・ファブリカトーレの息子が誰であるかは明確ではありませんでした。一部ではジェンナロ・ファブリカトーレ1世が息子であるという説もあったようですが近年のフランチェスカ・セッラルさんの調査で1824年の楽器のラベルをもとにジョバンニとラファエロとの親子説が有力となっていました。 今回、新たに1813年のラファエロの楽器が発見され、楽器の構造の特徴などから親子関係がより明確になりました。

 

ラベルの住所と番地、年号をもとに一族の工房(工場)の稼働の概要を把握するに至りました。そして、さらなる楽器の追跡を行うことで 明示的にジョバンニ・バッテイスタとラファエロの関係(父子)とその一族の構成が明らかになりました。

さらにジョバンニ・バッテイスタと ラファエロとジェンナロの楽器を比較・観察することで一族の楽器に「紙」が使用されるというひとつの共通点を見いだしました。

 

 

(1) ファブリカトーレ一族の家系略図:

Chart_Fabricatore_Family.gif

ジョバンニ系、ジェンナロ系、ビンチェンツオ系 

 

(2) ファブリカトーレ 一族の工房概歴と所在地

Chart_Fabricatore_Factories.gif Oct.2010 Updated!

職人気質で血筋を守った?ジョバンニ・バッテイスタ系 Oct.2010 Updated!

量産体制により合理的楽器製造を行ったジェンナロ工場 Oct.2010 Updated!

  (参考の製作家/工房:ルイジ・フィラーノ)

ビンチェンツオ系の工房 

 

(3) ファブリカトーレ一族の楽器の特徴と傾向

紙を用いて製作されたギター 

 

 



注意:調査を進めるにつれて時折、贋作(fake)が見受けられます。それはcopyではなくfakeであって作為的な儲け目的の楽器です。

そのほとんどはヴァイオリン系。ヴァイオリンやチェロの世界は昔から贋作(fake)が日常的に氾濫しており、現代でもまた盛んであります。ギターやマンドリンにおいては比較的贋作が少ないのですが、私のように統計的に楽器の固体を記録していく歴史家にとってはたびたび悩まされる問題です。
18世紀以前から、ニセモノのラベル偽造作家や楽器の贋作作家が世界的に存在しました。とくにヴァイオリンの世界ではモラルが無いといって良いでしょう。現代でもネットオークションに出品されるほとんどの古いヴァイオリンにおいて贋作(fake)の比率が極めて高いのは残念なことです。
この私の論文では明確に贋作と判断したものは記録せず、可能な限り真作を記録するつもりでいますが、なかには贋作も含まれるかもしれません。とくにヴァイオリンとチェロにおいては現物の楽器を手にとって充分に吟味するべきですが、なかなかそうもいきません。従って、この論文で記載している固体の記録に関してはあくまで参考程度に考えてください。

2008年10月28日 鶴田誠




参考資料(文献・楽器写真)

[*1] Dizionario dei costruttori di strumenti a pizzico in Italia dal XV al XX second : Giovanni Antonioni / Francesca Seller 1996
[*2] Die geigen und lautenmacher (II Band) VERLEGT BEIHANS SCHNEIDER-TUTZING 1975
[*3] Encyclopedia of violin-makers Volume I (A-K) : Karel Jalovec / PAUL HAMLYN . LONDON 1968
[*4] UNIVERSAL DICTIONARY OF VIOLIN AND BOW MAKERS Volume II : WILLIAM HENLEY / AMATI Publishing LTD 1960
[*5] Liuteria Italiana Inedita : Azzolina,U. / Turris 1991
[*6] RENE VANNES Dictionaire Universel des Luthiers LES AMIS DE LA MUSIQUE 1999
[*7] DE MANDOLINE EN DE GUITAAR DOOR DE EEUWEN HEEN / ALEX TIMMERMAN 1994
[*8] The VIOLIN Its Famous Makers 1875 1st edition /G.HART
[*9] La Chitarra di Liuteria "Masterpieces of Guitar Making" : Libro/ Stefano Grondona & Luca Waldner
[*10] The illustrated History of the Guitar: Alexander Bellow / FRANCO COLOMBO, Inc. NY 1970
[*11] Les luthiers italiens aux XVIIe et XVIIIe siecles
[*12] Sotheby's : Auction Catalogs
[*13] PHILLIPS : Auction Catalogs
[*14] Musical instruments Dealers
[*15] The Look of Music / P.T.Young(VMPA) 1980
[*16] Museum or art museum
[*17] Christie's Auction catalogs
[*18] Player's or private.
[*web] Many parsonal and official web site (cite-musique.fr , eBAY Auction, etc...)
[*collections] Instruments : My guitar collections and my friends parsonal collections.
[*19] Musica a Corte in collezione: Comune di Modena/Assessorato allo Sport, SerateEstensi 2002
[*20] THE INSTRUMENT CATALOGS OF LEOPOLDO FRANCIOLINI by Edwin M.Ripin

  


謝辞

御意見や御感想を頂けると嬉しいです。新たな情報を得た場合は即座この記事に反映させていきたいと思います。今回は英語版のページを同時公開しており、世界中の研究者からの情報も募ります。調査研究の成果をいわゆる公的な「論文」としなかったのは常に新しい情報を広く公に示し、誤りや修正・最新情報を随時更新していけるインターネットのホームページの利点を重視しての私の判断です。
長文を御覧頂きありがとうございました。

 

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