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拡張カメラを作ろうシリーズ 第4弾「 MAMIYA 35 II マミヤ35 2型

記事:2020年7月12日

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今日のPAY


MAMIYA 35 II はジャンク扱いのものばかりを入手したのですが、購入時の全てのデータは残っておらず、判明した3台について書いておきます。
とにかく捨てられて当然の個体ばかりでしたが、いくつも買えばそれなりの出費になるわけでして ... あははははは ... 。

   
 
 1号機 MAMIYA 35 II ヤフオクにて(張り革剥がれ、後玉曇りと拭き傷) 送料別   ¥480
 2号機 MAMIYA 35 II ヤフオクにて(低互換:ネジ山のピッチが異なる) 送料別   ¥1500ぐらい
 3号機 MAMIYA 35 II ヤフオクにて(レンズの状態は最良) 送料別   ¥2180

 

 

 

拡張改造後の試写

拡張カメラ ... 撮っているときはファインダーの範囲しか見えないので、現像してみたら意外な範囲まで写り込んでいた!という楽しみもあります。

改造1号機で撮影。この日の渋谷は天気が良すぎて光が眩しく、整備レンズはうっすら残ったカビ痕で若干ハレ気味ですが細部まで良く捉えています。
のちに4号機のレンズの後玉を1号機へ移植して逆光時にハレる問題は改善しました。

  


以下は改造3号機の作例。 入手時の値段もすこし高めであったせいか最低限の部品の組み替えで状態良く動作しています。

   

 

これも3号機の試写の例です。2020年夏に撮りました。

 

 

マミヤはやっぱりイイ ....

マミヤはじつに多くのモデルを製造していましたが、ボディにモデル名が明確に刻印されることは少なかったのです(多くは MAMIYA の刻印のみ)。刻印があっても目立たない箇所に小さくとか ... 。ルビーとかメリットとかエルカの刻印のあるモデルは珍しい部類。中古カメラをマミヤで検索すると見つかったカメラは MAMIYAとしか刻印が無く、あとはレンズや露出計の有無などの構造でモデル名を判別せねばならんことも多いのです。24x24mmスクエアで国際的に有名なマミヤスケッチですらボディには MAMIYA の刻印のみで Sketchの刻印はありません。マガジン式で撮影途中にフィルム交換できるユニークな Mamiya Magazine 35 もボディには MAMIYA としか刻印されていません。
コダワリが故にやたらと独自の技術が反省されてユニークなモデルも多いのですが、中古市場で探すときにはちょっと苦労するメーカーです。

 

マミヤ 35 II 型は国産のSEIKO社のシャッターが組まれていました。やがて III 型で巻き上げはレバー式(よく折れた)、シャッターも一般的なビトゥィーン式へ変更されるなど、個人的に思うには徐々にフツーのカメラになっていきました。その後はレンズが明るくなったり露出機構を備えるなどの変化を遂げ、35Sとなり、クラウン、エルカ、メトラ、ルビーなどを生み出したほか、EEモデルやワイドモデルも作られました。国際的にみても類をみない35mmレンズシャッター機の充実のラインナップ。
国産レンズ、国産シャッター、そして日本ならではのデザイン。欧米には無いカメラデザインもマミヤの大きな魅力です。

マミヤ社は1984年3月にいったん倒産するのですが、再起にあたって業務用のブローニー判を主体としたために、35mm判のカメラはついに復活しませんでした(#1980年代にプラスチックボディのフラッシュ付きAFモデルも販売されましたが人気はいまひとつでした)。

歴代のマミヤを見ていくとオリジナリティというか、自社の独自のアイディアを尊重して他社の真似はしないという姿勢を強く感じます。レンズ名は限られた期間の自社製造だけでも「セコール」でいえば3群4枚、3群5枚、4群5枚、4群6枚、4群7枚、トポゴン型4群4枚、5群6枚、5群7枚、5群8枚、6群6枚、6群7枚、6群9枚、7群8枚、7群9枚、8群8枚、8群11枚、12群14枚 ..... もう書ききれません。常に改変し続けたのですね。それらはいちいち刻印を変えておらずSEKORとしか表記されていません。カメラのモデル名やレンズの名前にこだわらず、結果を重んじたことがよく理解できます。

 

 
 


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